ナシスの塔の物語 (青春と文学 11)

著者 :
  • ポプラ社
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (218ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591060117

感想・レビュー・書評

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  • 石積みの塔を造る者の話だ。ゆえにこれは我々の物語である。あっという間に塔を造る人、時間をかけてゆっくりと造る人。誰の目から見ても美しい塔は空に近いところまで高くそびえ、人々から喝采を浴び、歴史に刻まれていく。その反対に寝る間を惜しんで積んでいった塔が誰の目に止まることなく、価値のないものとして無惨に崩れ落ちていくことも当然あるだろう。途中放棄された塔や、塔以前に積み上げるための石の素材を荷車に積んで引き、必死で運んでいる人もいるかもしれない。
    私は、この物語に希望を見出だすことはできない。ただ当たり前のような現実を突きつけられただけだ。だからこそ深く傷ついて、深く心に残る。
    あとがきを読んでこれはみおさん自身が孤独の中、二年という歳月をかけて築き上げた塔なのだとわかって泣き崩れました。

  • 十代の頃に読んで、面白かったと記憶に残っていた本です。
    最近思い出して、再読。

    砂漠の町を舞台に、はぐるまという文明の利器がもたらす環境破壊を描いています。
    このテーマを取り囲むように、こつこつ努力することの大切さ、仕事への姿勢、親子の確執や鬱屈した感情などなどがぎゅっと詰め込まれています。
    テンポよく物語は進み、ストーリーそのものもおもしろいという感想は、十代の頃に読んだときとあまり変わっていませんでした。
    児童書ですが、小学生向けのものと比べると文字も小さめなので、中学生以上向けでしょうか。
    大人も含め、どの年齢にも読んでもらいたい一冊。

  • 古い読書履歴より。

    よくある「環境保護」系の、
    きれいにまとめた浪花節で、
    子供心にもワザトラシイと思った。
    文章もやせていて、読みごたえがない。後味悪し。

  • 小学生の時に買ってもらって読んだんだけど、今でもたまに読みたくなります。ハリーポッター並みに食べ物の描写が良く、いしいしんじさんにも似た世界の雰囲気。スパイスの効いた乾いた空気が香ってきそうです。
     砂漠の真ん中でひっそりと営まれてぃた町に、機械が入ってきてどんどん変わっていってしまう。それはこうやって第三者の目で読んでいるととても悲しく、けれど現実に今起きていることなのだと妙に実感させられます。好きです。

  • すごくかわいくてじーんと来るお話。主人公のリュタくんが健気で。いつも机の上に置いておきたい一冊です

  • だまされたと思って読んでみて・・・と息子に手渡したら,食事も忘れてよいふけっていました。

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著者プロフィール

児童文学作家。『ナシスの塔の物語』(ポプラ社)で椋鳩十児童文学賞、児童文芸新人賞を受賞。「少女海賊ユーリ」シリーズ(童心社)、『ドラゴニア王国物語』(KADOKAWA)、『翼もつ者』(新日本出版社)、『山のうらがわの冒険』(あかね書房)他、作品多数。

「2022年 『ララ姫はときどき☆こねこ バースデーに魔法がはじまる!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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