おばあちゃんは木になった (シリーズ・自然いのちひと 4)

著者 :
  • ポプラ社
3.50
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本棚登録 : 88
感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (39ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591072417

作品紹介・あらすじ

地図から消えた村に生きる、とほうもなく元気で明るいジジババたち。若きカメラマンと、お年寄りたちとの心ときめく出会いの物語。

感想・レビュー・書評

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  • ダムの底に沈むことになった徳山村。村人1600人は街へ移っていったが、すぐにダムができないなら、もう少し生まれ育った村で暮らしたいと何人かの年寄りたちが戻ってきた。その後の10年の記録だ。白黒の写真がじわじわと年寄りたちの思いを伝える。電気もガスもない村だが、自然の恵みに満たされているのだ。

  • 岐阜県徳山村という ダムの底になってしまった村の
    人々を撮った写真集でした。

    ダムに沈む前にもう一度住みたいと
    戻って来た 何人かの方々の
    電気水道の整備されていない 生活。
    でも とっても素敵な表情で
    人にとっての 幸せって こういう事なのですね。

    神さまに守られて 
    ご先祖さまに守られて
    自然のめぐみを頂いて
    皆さんお元気で笑っていました。

    もうこの場所も住んでいた方もいないけど
    この場所に息づいていた
    多くの命は引き継がれていっているんですね。

  • 291.53

    「ダムに沈む予定で、地図から消えてしまった、岐阜県の徳山村。その村を愛し、住み続けるジジババたちと美しい自然の写真絵本。村を追い続けているカメラマンの出会いの記録。」

    ・写真記録。
    ・ダムで村ごと沈んでしまう岐阜県徳山村。いったんは町に引っ越したジジババたちが、ダムが完成するまでの間、電気もガスも水道もないというのにまた戻ってきて生活を始めた。生活は不便ではないだろうか?でも、ジジババたちは生き生きしていい顔をしている。
    ・ジジババたちの写真をとるために10年間通い続けた作者。

    ◎「ダムができなくても、生活が近代化して、ジジババたちの暮らしを受け継ぐ人は間もなくいなくなるでしょう。自然の中で暮らす生きる技術ばかりでなく、自然とともに暮らす人の心の在り方も消えて行こうとしています。」(別冊太陽『かがくするこころの絵本100』の紹介より

    「山間の暮らしを大事にし、山川草木の神様に感謝をして生きている人々の心に寄り添う写真家のやわらかい心、土くれの中から宝石のきらめきをしっかりととらえる心がしっとりつたわってくる。こんなふうにして人は土に還っていくのだという、静かな納得感をともなって。」
    (『雨の降る日は考える日にしよう』柳田国男 より)

  • 4-1 2018/12/11

  • [墨田区図書館]

    同著者の「ぶた にく」で知った大西暢夫さん。その作風に触れて他の本も見てみたいと検索して片っ端から借りてきてみたうちの一冊。この本は、この著者の代表作だ。日本最大のダムを作るために水没した、岐阜県徳山村を、10年以上かけて撮影したドキュメンタリーの一部を切り取ったかのようなこの本。電気がないという徳山村の情景をより正確に、印象的に映し出すためだろう、夕日や川など、自然風景以外の写真は全てモノクロの写真だ。

    この本自体は良い本ではあるけれど、個人的には同様のコンセプトの「ここで土になる」の方が良かった。一夫婦に焦点をあてていることもあってか、ストーリー性を感じられるからだろうか。ただ、再度読み返して結局徳山村がダムの底に沈んだのかどうかと見分していて、ふと思った。「日本最大のダム」…黒部ダム?いや、でも黒部ダムは場所が違う、、、、調べてみると、黒部ダムは堤高で日本最大であり、総貯水容量の日本一は、この徳山村に造られた徳山ダム。堤高と面積では共には日本三位。ふーん、徳山ダムなんて名前もその存在も知らなかったな、と新たな縁に感心。

    ただ、この本は読み聞かせではあまり魅力的ではないかも。主人公というか、撮影対象が複数並列なので読まれた側は飛びづらいし、トチの実を好きだったはつよさんが、途中記述のあった神さまのうち、木の神様になったんだ、と結びつくところも、恐らく子どもたちは理解しづらいし、途中の神様説明の個所はやや脈絡がなく、全体を助長させるかのように感じてしまうだけに感じてしまった。

  • ダムの底に沈む村に住む人々の写真と短めの文章。
    たったこれだけなのに、読んでいて涙が出てきました。
    慎ましく、自然と共存し生活を営んできたおじいさんとおばあさんの表情にはとても強い意志を感じます。
    子供向けの本と言っても侮れないです。

  • ダムに沈むことになった徳山村で暮らす、人たちの生活。

  • ひっそりと、明るくたくましく生きている人もいるんだね~

  • 岐阜県徳山村のダム建設予定地に住んでいた人々を10年間にわたって記録してきた写真エッセイ。
    自然とともに生きてきた人々の、無駄な力が入っていない、しかし心の底から出てくる人間の強さをもった、力強い生き方を感じることができた。

  • おばあちゃんの拝む姿とタイトルに惹かれて読みました。わかりやすい子ども向けの本ですが、一つの消えゆく物語としてはなかなかのもの。ただおばあちゃんというよりも、その村の人々の写真集という印象でタイトルのような内容ではないかな。

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著者プロフィール

おおにし・のぶお
1968年、岐阜県揖斐郡池田町育ち。
東京綜合写真専門学校卒業後、本橋成一氏に師事。
1998年にフリーカメラマンとして独立。
ダムに沈む村、職人、精神科病棟、障がい者など
社会的なテーマに多く取り組む。
2010年より故郷の岐阜県に拠点を移す。
映画監督作品に、
『水になった村』、
『家族の軌跡 3.11の記憶から』、
『オキナワへいこう』などがあり
著書等に、
『僕の村の宝物 ダムに沈む徳山村山村生活記』
(大西暢夫 著、情報センター出版局、1998年)、
『分校の子供たち』
(大西暢夫 著、カタログハウス、2000年)、
『山里にダムがくる』
(菅聖子 文、大西暢夫 写真、山と溪谷社、2000年)、
『おばあちゃんは木になった シリーズ自然いのちひと4』
(大西暢夫 写真・文、ポプラ社、2002年、
 第8回日本絵本賞)、
『ひとりひとりの人 僕が撮った精神科病棟』
(大西暢夫 写真・文、精神看護出版、2004年)、
『花はどこから 花・花びん・水をめぐる3つのものがたり』
(大西暢夫 写真、一澤ひらり 文、福音館書店、2005.年)、
『水になった村 ダムに沈む村に生き続けたジジババたちの物語』
(大西暢夫 著、情報センター出版局、2008年)、
『徳山村に生きる 季節の記憶』
(大西暢夫 写真・文、農山漁村文化協会、2009年)、
『ぶた にく』
(大西暢夫 写真・文、幻冬舎エデュケーション、2010年、
 第58回小学館児童出版文化賞、第59回産経児童出版文化賞大賞)、
『糸に染まる季節 ちしきのぽけっと13』
(大西暢夫 写真・文、岩崎書店、2010年)、
『ミツバチとともに 養蜂家角田公次
 農家になろう2』
(大西暢夫 写真、農文協 編、農山漁村文化協会、2012年)、
『津波の夜に ~3.11の記憶~』
(大西暢夫 著、小学館、2013年)、
『ここで土になる』
(大西暢夫 著、アリス館、2015年)、
『シイタケとともに きのこ農家中本清治 
 農家になろう8』
(大西暢夫 写真、農文協 編、農山漁村文化協会、2015年)、
『お蚕さんから糸と綿と』
(大西暢夫 著、アリス館、2020年)他がある。

「2020年 『ホハレ峠』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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