ぼくの見た戦争: 2003年イラク

著者 :
  • ポプラ社
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感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (55ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591079652

作品紹介・あらすじ

戦場では人の死がとてもすぐそばにある。日本では、とても考えられない光景だけれど。-アメリカ軍に従軍した日本人カメラマンの記録。

感想・レビュー・書評

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  • ぼくの見た戦争 ― 2003年イラク
    2003.12発行。字の大きさは…中。

    2003年3月19日に、米英軍による空爆による、侵攻で開始された作戦名「イラクの自由作戦」を、アメリカ軍に従軍して撮影したアメリカの新聞社に勤務する従軍報道カメラマン高橋邦典の写真集です。

    地上からの侵攻は、3月20日にクウェート領内から、地上部隊がイラク領内へ侵攻を開始します。この中には、高橋さんも入って、アメリカ軍の姿を撮影します。

    【読後】
    この写真集を見終わった時に感じたことは、テレビで報道される映像にくらべて、えらく綺麗な戦争の写真だなと思いました。この写真集に無いものは、アメリカ軍がイラク人を撃つ、殺す写真が1枚もありません。その逆もありません。撮影されているアメリカ兵は、18才~23才の健康的な若者です。

    【特に気になった文章】
    僕が話を聞いた若い兵士たちの多くは、「早く、家に帰りたい」といっていた。
    戦争は、彼らにとっては、仕事であって、
    「とっとと仕事(戦争)を終わらせて、家に帰ろう」という気持ちなのだ。P5
    2021.05.13読了

    ※写真集一覧(2021年5月13日現在、私が見たすべての写真集です)
    空のどうぶつえん 2021.05.02読了
    https://booklog.jp/users/kw19/archives/1/4062129922#
    大津波のあとの生きものたち 2021.04.18読了
    https://booklog.jp/users/kw19/archives/1/4879815144#
    富士山 2021.04.13読了
    https://booklog.jp/users/kw19/archives/1/4883500527
    めったに見られない瞬間!-世界写真遺産 2021.03.14読了
    https://booklog.jp/users/kw19/archives/1/4576170678
    千年ブナの記憶
    https://booklog.jp/users/kw19/archives/1/4883042804
    今日は狐日和―83匹のキタキツネ物語
    https://booklog.jp/users/kw19/archives/1/4893632396
    日本の美しい幻想風景
    https://booklog.jp/users/kw19/archives/1/4756252656
    いまいちばん美しい日本の絶景
    https://booklog.jp/users/kw19/archives/1/484436782X
    京都もみじ散歩 (SUIKO BOOKS)
    https://booklog.jp/users/kw19/archives/1/483810474X
    Look at me! 動物たちと目が合う1/1000秒の世界
    https://booklog.jp/users/kw19/archives/1/4040659481
    空と大地の絶景 心が洗われる100の言葉
    https://booklog.jp/users/kw19/archives/1/487919722X
    さとやまさん
    https://booklog.jp/users/kw19/archives/1/4752008300
    さくらいろ
    https://booklog.jp/users/kw19/archives/1/4838104456
    ウユニ塩湖 心を整える100の言葉
    https://booklog.jp/users/kw19/archives/1/4902097974
    空を見上げて大切なことに気づく100の言葉
    https://booklog.jp/users/kw19/archives/1/4761270780
    奇跡の絶景 心を整える100の言葉
    https://booklog.jp/users/kw19/archives/1/4866070013
    京都雪景色 (SUIKO BOOKS 168)
    https://booklog.jp/users/kw19/archives/1/4838104995
    世界で一番美しい鳥図鑑: 大空を舞い、 木々に水辺に佇む
    https://booklog.jp/users/kw19/archives/1/4416619898
    世界 幻想とファンタジーの情景
    https://booklog.jp/users/kw19/archives/1/4756251374

  • イラク戦争開戦前から現地に派遣されたアメリカ海兵隊に従軍したカメラマンのレポート。等身大の戦争、戦場を生身で進む兵士が目にする光景が、ここにはある。

  • 非常にセンセーショナルな話題です
    「自分がそこに行ってみたいから」って理由はジャーナリストとして当然なのかもなあと思いました。

  • イラク戦争の写真集。なので、つらい写真もあります。でもそれがリアルの戦争なんだと思います。非公開メモ参照(i44)

  •  アメリカ兵側の従軍カメラマンとしてイラク戦争に関わった報道カメラマン高橋邦典氏の文章&写真集。彼の写真は、戦争の悲惨さを、誇張ではなく、真実として伝えてくれていると思う。
     本のページをめくって飛び込んできた写真を見て、まず始めに、澄んだ青い空と何処までも広がる白い大地のコントラストがとてもきれいだと思った。戦争というすごく緊迫した状況であるはずなのに、空はなんて青々として美しいのだろう、砂漠はなんて色彩豊かなのだろう、と思ってしまった。そういう自然の美しさと対照的に、イラクで容赦のない攻撃に怯えながら必死に生きている人々の表情は、哀しみに満ち歪んで見えた。その顔を眺めているうちに、とても悲しくなった。自然はこんなにも美しいのに、人間たちは一体何をしているのだろう、と憤りまでもがふつふつと湧き上がってきた。
     イラク戦争という言葉だけを聞くと、物語の中の出来事であるかのように思えてしまうが、この本に掲載されている写真に写された光景が、すべて現実世界のイラクという場所で起こっていたことなのだと思うと、とても不思議な感じがした。それと同時に、その現実を現実として認識できていなかったことや、戦争で悲惨な目にあっている人がいたのにも拘らず、そのような事件を他人事であるかのように思っていたことが途轍もなく恐ろしく思えた。
     関節が外れ、不自然な形に足が曲がってしまっているイラク兵の死体。砂嵐に呆然と立ち尽くすアメリカ兵の姿。鉄筋がむき出しになった我が家の無残な姿を見て泣いているおばあさん。足に怪我をし、包帯を巻かれて横たわっている少年。腕を縛られうなだれるイラク人男性。着の身着のまま避難する女性と子どもたち。
     彼らは一体何を思い、何を信じ、そこに生きていたのだろう。誰も悪人には見えない。兵士ですら戦争を「仕事」だと思っているだけなのだという。これは一体どういうことなのだろう。兵士たちは「早く家に帰りたい」と思っているし、イラクの住民は「戦争なんてもうこりごりだ」と思っている。一体戦争なんて事をする必要があったのだろうか、と考えさせられる。
     あの戦争は本当に必要だったのだろうか。戦争に正義なんてものが存在するのだろうか。読む者にそういう根本的な疑問を突きつけ、人間とは何か、人間はどうあるべきなのかということを考えさせてくれるいい本だった。
     戦争を考え直すいいきっかけになると思う。ただ耳で聞いた情報で知っているのと、写真を見るのとではだいぶ与えられる印象が違うということに驚くはずだ。

  • 戦争ってなんなんだろ。色んな理由があるし、大国の思惑が動いているのも分かる。でもこのリアリティーのなさは何なんだろう?それが日本に居るってことなのか?
    欠落したパズルのピースを埋めるべく写真集を手に取った。アメリカの視線から撮られた写真が多いが、これも現実。兵士にも家族は居るし、生活がある。イラクの人々もまた同じ。でも両者は敵対し、傷つけあう。これは何なんだろう。自分には何が出来るんだろう。

  • 児童書の戦争コーナーにあった本。

    これは子供に見せていいのか...?
    という悽惨な写真の数々。

    しかし、これを実際に目にしている自分の妹よりも幼い子供がいることを思えば、子供たちにも同じ年の子供がこんな状況にあるということを知っていくことも必要だと思った。

  • 権力者が振りかざし、マスメディアが煽る「正義」の名のもとに、多くの人命が奪われる。
    人間同士が傷つけあうことの愚かさを突きつけられる。

  • 児童書なのですっと読み終わりましたが、写真のインパクトに気持ちを持っていかれました。イラク戦争って何で始まったんだろう、どうやって終わったんだろう。自分の生活に関係がないとつい見てみぬふりをしてしまう。
    改めて、私たちの思う非日常と、戦地の人々が思う非日常の間の大きな違いを感じ、私たちの日常の素晴らしさや日々の悩みの小ささを思い直すことができました。

  • みんな読むといい。
    おとなも。

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