- Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
- / ISBN・EAN: 9784591086278
作品紹介・あらすじ
古本道の師匠がくりだす、6つの指令。新直木賞作家は無事、古本道をきわめられるのか。
感想・レビュー・書評
-
古本屋さんで見っけ。
小気味の良い語り口調。一章ごとに角田さんと岡崎師匠のターンがあって飽きない。
本がもっと好きになる本。本への情熱やエネルギーや愛が溢れている。出てくる人名は殆ど分からなかったけど、なんのその。それでも面白かった。
絶対また読み返したい本。言葉の断片断片がきれい。「氷にナイフを入れる」とか「雪の日のように静か」とか。誰かの本棚に納まっていたもの。まだ知らない私の世界を作る要素。
昭和の女優さんは異世界のような美しさと角田さんが書いていたけど、デジャヴ。どこかで読んだけど、どこだっただろう。
古本屋さんは現実と微妙なズレがある。言い得て妙。
でも私は「電車男」好きですよ。2005年夏のイギリスを私と共にしてくれた。ホストマザーのことも思い出して。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
帯付き初版を西荻の古本屋で購入
-
2013/08/17
-
-
「濡れた傘は店内へ持ち込まない」「万札は避けよ。小銭を用意」
なるほど、古本屋に行くときには、ちゃんとマナーがあるのだと知りました。
美術館の帰り、美的フィルターがかかっている状態で古本屋に立ち寄ると、いつもとは違う買い物ができると岡崎氏は述べています。
私も美術館→古本屋のコースを試してみたいと思いました。 -
角田光代は作家で1990年「幸福な遊戯」でデビューした。数多くの小説と、紀行文やエッセイも人気。
岡崎武志は、主に書評を書いているライターで、古本にも詳しい。
そんな岡崎に角田が弟子入りして、師匠からの指令であるテーマに沿った古本を探すように言われ、古本探しの旅に出る。
今回の本は2005年に発行された古本で現在では存在しない古本屋もある。
その中にはかつて八重洲地下街にあった「八重洲古書館」と「R.S.Books」が載っている。
モクモク羊もかつて行ったことがあるが、八重洲地下街に古本屋が、しかも2軒もあるのかという思い出がある。
角田は岡崎の指令で最初は古本の殿堂、神保町へ向かった。
数か所経て、八重洲地下街に向かった。
角田は八重洲古書館に対して、この店が、なんというか私が東京駅に対してもっているイメージと、とてもマッチしていたと感想を述べている。
東京駅において角田がまず思うことは、人々のテンポがまるきりばらばらだということ。
このばらばら感が、八重洲古書館にはじつによく出ている。新刊本もあれば古本もあるし、ジャンルも様々なところから思ったそうだ。
それが楽しくて見に行っていたのを思い出す。
岡崎は八重洲古書館が目白にある金井書店の支店で、昭和4年創業の老舗であり、素人がぶらりと店に入るとちょっとした圧倒されてしまうような良書珍本が並ぶ。
古本としてのレベルが違うという趣旨の発言もしている。
八重洲古書館に関しては、テレビ東京で放送している「出没!アド街ック天国」に登場していた。
現在はどうなっているのか。マッサージ店になっている。
古本屋のある街を訪れて特定のテーマの本を探す、そんな探検をするのにいい季節になってきたなあ。
探検したあとは充電と称して喫茶店で美味しいものを飲み食いするのが至福の時間だな。 -
リリース:(多摩やさん)
-
図書館
『のらくろ』全巻ゴールドカードで買うおじいさん、すごいな。
鎌倉みたいな観光地の古本屋は、お土産屋さんみたいに古本も観光地値段になるのね。 -
角田さんの文章は初めて。表現の仕方が巧み。
紹介されている古本屋さんが、意外と近所だったりして、行ってみたくなりました。
古本屋さんって奥深い。
お土産に古本だなんて、素敵です。 -
岡崎さんを古本道の師として仰ぎ、弟子の角田さんが古本屋巡りしていく古本道場。私からすれば角田さんも本について博識であると思うけど、角田さんは自分の無知を認め、敬意と謙虚さをもって一つ一つの古本屋、そこにある古書と出会っていくので、古書に疎い私と同じ弟子仲間であるという親しみを感じられた。目当ての本を探す楽しみはもちろん、古本屋を巡れば巡るほど自分のアンテナが鋭くなっていくことや、購入する本たちが不思議とつながりを持っていくことなど、数店渡り歩かないと分からないことがたくさんあるようで興味深かった。
-
面白く読ませていただきました。
-
古本屋が媒介となって、縦横無尽に広がる知識の糸は、純粋に知識の糸なのだ。私は単純に知りたいし、読みたい。そのことの、なんと贅沢よと思う。