はるにあえたよ (絵本のおもちゃばこ 24)

著者 :
  • ポプラ社
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感想 : 24
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  • Amazon.co.jp ・本 (35ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591097151

作品紹介・あらすじ

マークとマータはふたごのこぐま。まだそとにでたことがありません。はじめてのはるにわくわく…。ふたりはまちきれなくなって、はるをさがしにでかけますが…。

感想・レビュー・書評

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  • はたして、初めての長い冬眠から目覚めて、まだ一度も外に出たことがない、クマが初めて春を感じたときの気持ちとは、如何なるものなのか?

    もう、私は決してそれを実感することが出来ないわけだが、本書はそれを、「原京子」さんの素敵な物語の構成と(『はる』の文字と見返しの桃色も効果的)、「はたこうしろう」さんの素朴ながら、これだけ強く目に焼き付けられた、素晴らしい春の絵柄で教えてくれました。


    双子の子グマ「マーク」と「マータ」は、両親から、春の素晴らしさを、言葉と絵で教えてもらうと、早く春が見たくてたまらなくなりました。

    「もう、はる きてるかな? おかあさん」
    「そうね、すぐ ちかくまで きてるかもしれないわね」
    「はる、さがしに いってきても いい? おとうさん」
    「そうだなあ。──でも まだ、くうきはつめたいよ。あたたかくして いくんだぞ」

    そして、ふたりは元気に外に駆けだしていきますが(デザイン違いのマフラー可愛い)、そこはまだ雪が残る、花も咲いていない白と黒の世界。それでも、さっそく春を探そうとするが・・

    「はるーっ、どこに いるの?」
    「ぼくたち さがしに きたんだよ、はるーっ」

    うーん、呼んで「はぁーい」って応じるわけでもないんだけど、まだ春のことをよく分かってないから、仕方ないね。

    「……うるさいなあ、だれだい? おおごえ だしているのは」

    ・・と思ったら、すぐ下から声がして、だれかが地面から顔を出している。

    「ねえ、きみ、はる?」
    「……えっ? ぼくはかえるだよ」

    若干、戸惑い気味に返されて、怒られた感じだが、それでもめげずに、もう少し探してみようとする、子グマたち。その後は、木に登って葉っぱを探してみたり、地面を掘り返したりしてみたが、その内、違うことにハマりだして・・

    「おーい、マーク、なんか みつかった?」
    「ううん、なんにも。ねえねえ、マータ もっと もーっと ゆすってみてよ」
    「いいよ」
    「わーい、わーい。マータものぼっておいでよ、おもしろいよ」
    「うん!」
    「はるは どこかな?」 ゆっさ、ゆっさ。
    「はるは どこかな?」 ゆっさ、ゆっさ。

    「なに、なに? じしん?」
    「ねえ、じしん?」

    取りあえず、二人の仲の良さが微笑ましくて、いいなと思っていたら・・あら、またまた、誰かを起こしてしまったみたい。

    「あっ、ねえねえ きみたち、はる?」
    「えっ……? あたしたち、ハルって なまえじゃ ないわ」

    結局、まだ春は来てないようで、小高い丘で休みながら、がっかりする子グマたち。まあ、今日はこれくらいにして、また明日探してみようよと思っていたら・・あっ、あれは!!

    ふたりは かおを みあわせて いいました。
    「は・る・だ!」
    マークと マータは ころがるように、おかを かけおりました。


    ここから先は、是非、実際に見て欲しいのですが、こんなに素敵な『春』という表現の仕方があることの嬉しさったらないし、また、それに合わせて、周りの風景も一斉に色付き出す、世界の鮮やかな変わりようには、おそらく子グマたちのイメージもあるのだろうが、強ち、それくらいの力があっても、決しておかしくはないと思わせる、子グマたちにとって魔法のような、その春の存在感は、私たちにとってもきっと誇りと思えるような、目には見えない部分から感じさせる、あたたかくやさしい雰囲気と、春がとても似たものであることを教えてくれて、子グマたちにとって、まさしく二度と忘れられない、素敵な出会いだったのです。

  • マークとマータはふたごのこぐま。
    まだ外に出たことがありません。
    初めての春にわくわく・・・・・・。
    二人は待ちきれなくなって、春を探しにでかけますが・・・・・・。


    絵がとっても素敵。
    黒ばかりの世界で、マークとマータがみつけた動物にだけ色がついているのもいい。
    「はる」が来ることによって、今まで白黒だった世界がふわ~と緑になっていくさまが気持ち良いです。

    画家のはたこうしろうさんって、何の人だったっけ?聞いたことある…と思いましたが、『なつのいちにち』の作家さんでした。あの作品大好き!

    読み聞かせ…結構長い。10分以上。(途中で寝たため計測不能。笑)

  • くまさんの絵に魅かれて、ついつい買ってしまいました(o^^o)目で見て読んで、ぽかぼかです(o^^o)

  • Y
    4歳7か月

    K
    6歳11か月

  • 双子の子熊、マークとマータが、まだ見たことない「はる」をさがしにいくお話。
    まだ寒い外の世界で二人が出会うものが、とにかく新鮮に描かれて良い。
    そしてやがて出会う「はる」が、なんて素敵で鮮やかなんだろう!って感動した。
    はたさんのイラスト大好き。とくにこの方の「くま」は可愛い。
    そして今回は「はる」の優しい色使いが素晴らしかった。

    読み聞かせに使うにはちょっと長いかなぁ?10分くらい。
    いつかやってみたいけど。

  • 冬の終わり~春のはじめにピッタリの絵本。

    「はるは どこかな?」ゆっさ、ゆっさ。
    「はるは まだかな?」ゆっさ、ゆっさ。

    ふたごのこぐまちゃんが同じ言葉を繰り返すので、
    なんだかリズム感があって耳に心地よい。

    白黒の絵が続き、後半にぱぁぁっと優しい春の色が付く絵にわくわくした。

    少し話が長めだが、話はシンプルなのできっと低学年からお話を楽しめる。

  • カラフルな色でハルを表現。ハルを探している子グマたち。3月初めに読みきかせしたい絵本。
    ○小学校低学年~

  • 3歳2ヶ月


    冬と春の色の対比がわかりやすくていい。
    果たしてハルは本当に春だったのか?

  • 2年教科書掲載本

    はじめてのながいとうみんから めをさましたばかりのふたごのこぐま、マークとマータは、おとうさんとおかあさんからはるのはなしをきいて、はるをさがしにでかけました。

    白黒でかかれた絵と文の中て、「はる」だけがピンク。そして、実際に出会った「はる」はカラーで描かれていて、その対比が素敵。
    そして最後のページには…

    子どもと一緒に読みたい絵本

  • ぼくも春をさがしにいってみたいとおもいました。そして、はるといっしょにあそんでみたいです。おともだちをたくさんつくってあそびたいです。
    それから、タルトがたべたくなりました。いちごがまるごとドカンとのったタルトです。ごうかです。(小2)

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著者プロフィール

東京都に生まれ。主な作品に「くまのベアールとちいさなタタン」「ザックのふしぎたいけん」シリーズ、『サンタクロース一年生』などがある。

「2017年 『にんじゃざむらい ガムチョコバナナ ばけものりょかんのまき 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

原京子の作品

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