空気のトリセツ

著者 :
  • ポプラ社
3.09
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本棚登録 : 171
感想 : 30
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  • Amazon.co.jp ・本 (243ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591104309

感想・レビュー・書評

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  • ブクログテストも兼ねてレビュー投稿。
    この本を選んだ理由は、本のタワーの最上部にあったので。

    「キミがこの本を買ったワケ」という本の続続編。
    基本的には、そちらの本も含めてマーケティング、心理学、行動経済学的な本のようでいて、どちらかと言うと読み物に近い。

    KYという文脈での「空気」の取り扱われ方や対処法を様々なシチュエーションで紹介している。

    この本の特徴は気持ち良いまでの、理論的背景の説明の無さ。
    「こういう状況だったらアナタはきっとこうするでしょ?それってこういう気持ちだから、こう捉えれば良いよ」(ただし説明は無し)
    という展開が進んでいく。

    もちろん多くの場面で気持ち的には納得できるので、破綻はせずに読み進められる。

    数字(=算数)的な説明よりも、ストーリーや気持ち(=国語)的な説明の弱さに課題間のある僕としては、いろいろな気づきが得られて面白い。

    空気の取り扱いよりも、国語的説明の良い例として面白い本だった。

  • 空気を読まないことがKYと言われ、逆に空気読み過ぎることも悪いと言われることがある。

    この本を読んで、改めて、正しい空気の読み方を自分の中で考えてみようという気になった。職場の空気。家庭の空気。色んな場所の空気を見直すチャンスが貰えますよ!

  • ヒトって馬鹿で面白い…
    人間観察大好きな方にオススメ!

  • 思いの外考えさせられた本。
    世の中の多くは私たちが普段認識している以上に
    『空気』に左右されている。『空気』というと、まず思い浮かぶのが
    『ky』という言葉だが、私はこの言葉が大嫌いだ。
    多分、私自身『ky』的な要素を持っているのだが、
    仮にそれが読めていたとしても、『空気』が持つ無言で暴力的な強制力自体が
    気に食わなくて、敢えて『読めない』ふりをしてみたくなる。
    しかし、本書を読むと、空気はそんな私の天邪鬼な抵抗くらいで
    どうにかなるものばかりではないらしいというのがわかってくる。
    一番極端なのが、第2次世界大戦におけるナチスや日本の軍部独裁政治。
    勘違いしがちだが、ヒトラーは暴力的にナチズム体制を作り出したのではない。
    ナチスはきちんと選挙という民主的手続きを経て
    政権を確立した。
    でも、その『民主的な』手続きが必ずしも正しい結果をもたらすとは限らない。
    そこに絡むのが『空気』というヤツだ。
    本書は他にも、流行や人間関係、商売についても
    様々な形で『空気』の作用について解説している。
    興味深かったのは、何故だかどんな店が進出しても
    すぐに潰れてテナントが安定しない場所なんかも、
    『空気』が関係しているという話。
    科学的にはよくわからないけれど、
    『空気』というのは馬鹿にしてはいけないということを強く認識させられた。

  • 個人的には『透明人間の買いもの』の方が好きだったけど、面白かった。
    やっぱりこの人の本は読みやすさがピカイチ。

  • 脱・KYな一冊らしい。
    人々のコミュニケーション間の「空気」だけでなく、流行と言える世の中の大きな流れなども「空気」として取り扱っている。これを同列に扱うのは違うだろう。
    また、どう考えてもこじつけな部分も多く残念だ。

  • ● アメリカ大統領選挙が長いのは、一時の空気に流されて自国の大統領を選ばないためのアメリカの自己防衛策である。

    ● 叩かれるか否かは、「こちら側」か「あちら側」かのどちらにいるかで決まる。

  • 重苦しい会議も、ブログが炎上するのも、遠距離恋愛が壊れやすいのも・・・すべて空気のしわざ。

    知らずしらずのうちに「空気」に操られている例がいくつも紹介されている。
    よくあるなと思うことがらが多い中、なるほどぉ、へぇ〜と思ったことを備忘に。

    ・何も考えていないのに居心地のいい店
     スターバックスの店内に様々な種類の椅子が置いて、インテリアに統一感を持たせていなかったりするのは
     多様性を持たせることで様々な波長を混在させて、客を呼び込んでいる

    ・文明はカオスから生まれる

    ・流行語はもって三ヶ月から半年

    ・「木綿のハンカチーフ」の歌詞
     二人の思いが、時間と共にすれ違っていく過程が見事に描かれている

    ・宗教は、互いの持つ空気を等しくするため
     日本人が割と宗教観念が薄いのは、古くから島国として独立性が高く、
     宗教を無理強いしなくても自然と人々がまとまったから

     アメリカの紙幣や硬貨には必ず「IN GOD EW TRUST」と入っていて、
     興味深いのは「神はいる」じゃなくて「神を信ず」
     「神がいるという客観的な事実」じゃなく、「互いに神を信じるという共有の行為」

    ・文明の空気は東から西へ

    ・昔の方がモラルが低い
     よく「昔はよかった」なんていう人がいるけど、今の世の中の方が絶対に暮らしやすい
     思い出は美化される

    ・ニュース番組
     テレビ局が「ニュースは視聴率がとれる」と気づいた元年、85年(ニュースステーションが始まる)
     各局はニュース枠をどんどん増やし、数字のとれるセンセーショナルな事件を積極的に報じ続けた
     ある事件が数字をとると、少しでも関連性があれば、どんな小さな事件でも報じた
     そして、似たような事件が頻発する現象が起きる
     専門用語で「モラル・パニック」

     世の中の治安が悪化していると感じるのは
     昔に比べてテレビのニュースも新聞も雑誌も、事件をより大きく、より多く扱うようになったから
     未成年の犯罪はかつてないほど減少しているし、殺人事件も減っているのに、
     記事だけがどんどん増えている
     

  • 残念ながら、KYが治る本ではありません。

  • 空気に支配されている我々の世界、という状況を面白おかしく書かれてありました。空気をうまく使って上手に振舞う方法が書いてあったような気がしますが、まあ参考程度に。

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著者プロフィール

メディアプランナー。代表・草場滋。1995年「ソニー・アート・アーティスト・オーディション」入賞。1998年「フジテレビ・バラエティプランナー大賞」グランプリ。2001年より20年間、月刊誌「日経エンタテインメント!」(日経BP)にて『テレビ証券』を連載。2016年よりウェブサイト・チェリーにて『指南役のTVコンシェルジュ』を連載。ホイチョイ・プロダクションズのブレーンも務める。代表作にテレビ番組『逃走中』(フジテレビ)の企画原案、ドラマ『東京007』(フジテレビ)の脚本、映画『バブルへGO!』(馬場康夫監督)の原作協力など。著書に『タイムウォーカー~時間旅行代理店』(ダイヤモンド社)、『キミがこの本を買ったワケ』(扶桑社)、『空気のトリセツ』(ポプラ社)、『「考え方」の考え方』『テレビは余命7年』(大和書房)、『幻の1940年計画』(アスペクト)、『「朝ドラ」一人勝ちの法則』(光文社新書)など。

「2022年 『黄金の6年間 1978-1983 ~素晴らしきエンタメ青春時代~』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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