- Amazon.co.jp ・本 (243ページ)
- / ISBN・EAN: 9784591104354
作品紹介・あらすじ
2007年11月、人気作家を再びガンが襲った。痛みに眠れぬ夜を過ごし、築地を見おろしてグルメを考察し、死を思い、生をふり返る日々。もっと、もっと書こう。一行でも多く-告知から手術、退院までをかろやかに綴って、毎日を生きる勇気にあふれるエッセイ25篇。
感想・レビュー・書評
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小説家•栗本薫さんのガン闘病エッセイ。
両親を癌で亡くしたばかりの私はこの本についての内容を全く知らなかったが「ガン」という言葉と、大好きな「ピーターラビット」という名前がついたタイトルの本を読むことに決めた。
両親のことを思い出しながら読んだ。辛い部分も、励まされる部分もあった。
死を強く意識しだした著者が、それを受け入れて前向きに死について、つまり生きることについて捉えていく様子に特に励まされた。人は誰しもいずれは死を迎える。だからこそ、生きている今を幸せで尊いものだと捉えようとする考えに深い共感を覚えた。
あとがきからもそれが伝わってくる。第二弾ガン闘病エッセイ「転移」も読みたいのだけれど、絶版になっていて古書でも手に入りにくい。早く手に入れて読みたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
結末を知る話は安心して見れる事が多い、その反例
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栗本薫(中島梓)の闘病記2冊目です。
17年前の乳ガンに続き、今度は膵臓ガンです。黄疸発症から、入院、手術、退院、療養までが描かれます。
1冊目の「アマゾネスのように」ではずいぶん元気な様子で、とてもガンの手術した人ではない感じでしたが、さすがにこの本ではかなり病人らしく(?)なっています。それだけ大変な手術だったのでしょう。
やはりガンは2回目で、しかも家族は結構ガンで亡くなっていることもあり、この本では彼女の死生観がかなり語られます。ただ、やはりこの人、尋常ではありません。ほんと、小説に命を捧げた人なんだなぁ、ということがよく分かります。
そして後書きでは肝臓に転移したことが判明したことが明かされ、3冊目の闘病記「転移」へと続きます。。。 -
読みやすく胸にひびくエッセイ。
ガンになった栗本薫さんが達した域はここかと。
諸行無常、ちょっと仏教ぽいが、説教くさくない。珍しく夫婦のきずなについて書いてあったりして。 -
故栗本薫氏がガンで闘病していた時期に書かれたエッセイ。死を思いつつも一日一日を愛おしむように生きている様が胸に迫ります。
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この著者の小説は読んだことないのでアレですけれども、今作は非常にガンという病に冒された者の体験記…というか、ガン病棟の感じを非常に、分かりやすく伝えているものとして僕などは評価したい! と強く思いました…
ヽ(・ω・)/ズコー
まあ、著者の性格ゆえ? なのかもしれませんけれども、ガンという大病を患いながらもあんまり悲観的な感じにはなっていなくて、それが読者としてもありがたいというか…そう身につまされるなく読めました。
著者は病棟でも原稿などを書いていて、相当にバイタリティ溢れる人物なんだなぁ…と読んでて思いました。まあ、グインサーガという長編物語ですけれども、すでに100巻越えてますからねぇ…ここまでの長編を築き上げたんですからそりゃ壮大な創作欲みたいなものをお持ちなんでしょう!
まあ、著者はこの後死んでしまうわけですが…ですから、グインサーガも未完のまま、です…。
それは悲しいですけれども、今作を読んで僕自身、この著者に興味を抱き始めたのでグインサーガなど、古本屋で見かけたら買って読んでみたいですねぇ…などと思いました。おしまい。
ヽ(・ω・)/ズコー -
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乳がんから17年、今度はすい臓にがんが見つかる…入院中のエッセイ -
あとがきの内容は、予想してはいたけど、全くもって彼女のファンでない私にとってもショックなものでした。
彼女のガンという病に対する姿勢、考え方には共感します。
50代でガンで亡くなる女性作家、多い。。。 -
図書館で借りて読みました。大好きな作家さんだったから、なかなか、手を出せずにいましたが、やっと読む事が出来ました。ある意味、全力で生き抜けた人だったのだと思いました。グィンの未完は残念ですが、やはり素晴らしい作家さんだったと思います。