はだしで海へ (ポプラ文庫ピュアフル) (ポプラ文庫ピュアフル こ 2-1)

著者 :
  • ポプラ社
3.33
  • (2)
  • (14)
  • (17)
  • (0)
  • (3)
本棚登録 : 118
感想 : 10
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (212ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591114445

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 2020/1 に読了済『ガラスの森』(天才少女と言われた主人公、15歳の可南子はケガでスランプに陥り1年程スケートを離れていたが、ペアのコーチに見初められ、流とペアを組んでスケートに復帰する
    中学生の“真剣”な初恋のお話し)

    の可南子19歳の時のお話し
    『ガラスの森』の方があとに発売されたのね
    (著者幻の処女作と言われている)

    彼女のできたナガルと最後の別れの時に自分の気持ちを告白して玉砕した可南子
    大学生になって関西弁の彼氏(水泳選手の宗治 土佐犬)と相思相愛の中、コーチの純子さんの死、ナガルとの短い再開

    恋愛小説の名手と呼ばれる小手鞠るいさんの恋愛部門(*´ ˘ `*)ウフフ♡

    小手鞠るいさん
    『星ちりばめたる旗』戦時中を体験した人たちがモチーフの小説から入り
    絵本も描かれていると知って、絵本も好きなので絵本も拝見し、
    そして恋愛小説部門へ
    語彙力がなくてあれだけど、ストレートというか余計なものがなくてとても読み易くて好きな作家さん

  • 《本文より》
     「可奈ちゃん。臭いもんに蓋をするという考え方は、何も解決にもつながらへんよ。逃げたらあかん。物事はきっちり見つめないと。
     純子さんの快復を祈る気持ちがあるなら、まず彼女が闘ってる病気について、ちゃんと知っておくべきやと思う」

     加奈子が恐れているのはミスそのものじゃなくて、ミスするかもしれないという「不安」だよって。
     不安に思っても、思わなくても、ミスする時はするし、しない時はしないの。だから、不安なんか抱いても、しょうがないでしょって。

     「そうか、大丈夫か、ほんまに?それならええけど。あたしの夜、もう一度  電話・・・」

      宗治の言葉に、私は言葉を重ねた。気持ちはすでに安全な場所に着地  し、涙はまるで熱が引くように、心の小部屋のドアの向こうに吸い込ま   れていた。

     「私からも、するね。それと、あっちからは毎日、メールするから!それと   宗ちゃん、ひとつだけ、お願いがあるんだけど。帰ってくる日、成田まで  迎えに来てくれる?」

  • 15歳だった頃、クールでスマートなフィギュアスケートのパートナーに初めての恋をしていた。叶わなかったけれど、もう過去の話。
    そして19歳の今、土佐犬みたいな関西弁の男の子と恋をしている。
    思い出と現在の間で揺れ動く可南子の“今”。これはこれでものすごくよく分かるのだけれど、やっぱり物足りなさを感じてしまうのは私が10代ではないからか。そしてこんなヒーローみたいな男の子たち(初恋の相手「流」と今の彼「宗治」。タイプは違うのに女の子にとってのあらゆるヒーロー的要素を兼ね備えている)なんて存在するか?と冷静に思ってしまうのも…。
    これまでに読んだ作者の作品とはちょっとかけ離れていて期待外れであった。

  • 「ガラスの森」の続編。
    小手鞠さんの書く文章は透明感があって好き。
    可南子の彼氏、宗治の関西弁やお茶目なところや優しいところが好き。
    可南子は流と再会してしまったら、流のことをまた好きになってしまう(今でも好きだと思うけれど)と思っていたけど、ちゃんと宗治のことを想っていて、恋愛って難しくて悩むこともあるけど、やっぱりいいものなんだなぁと思いました。

  • 誰かを愛することの覚悟が綴られている淡くも美しい物語

  • 「情熱と冷静のあいだ」のスケート版な感じ。
    流を忘れられない、新しい彼氏(とっても優しい水泳部)、ロマンチックなデートを期待していたのに凍った湖で哀しくなる、二人きりになりたいのになれない、大事なときに忘年会だ、まごころをカラダの表現に変えたいけれど不安になる、流に会えるかもしれないドキドキ。いろんなことがつまってる。
    構成がしっかりしていて、無駄な描写がない。流れるようにラストまで続いていく。読みやすいけれど深遠なものもある。素晴らしいです。
    純子さんの死は、喪失を感じさせるし。
    でも、切なくなるようなラストは苦手かな。

    解説に書いてある通り「小手毬さんは恋の最中にある不安や不満や弱さや愚かさや狡さからも、決して目を逸らしません。でも、同時にその先にあるもの、大きさや重さも示してくれる」。すごいですね。私は目を逸らしちゃう。勇気を持たなくちゃ。

  • 現実味がなければ寄り添えない。
    けれど、夢見心地になれないのでは余裕がない。

    たまには恋もぶらり旅に出掛けてみるといい。
    近すぎて見えなかったものが見えてくる。

  • ◆あらすじ◆
    かなわなかった恋ほど、あとをひくのはなぜだろう?
    はじめての彼・宗治は体育会系男子。
    可南子は彼の話す関西弁が好きで好きでたまらない。
    心も体も柔らかく包んでくれるような宗治との甘くぎこちない恋のはじまりに心躍らせる一方で、過去にフィギュアスケートでペアを組んでいた初恋相手・ナガルをわすれられずにいて……。
    恋愛小説の名手が、初恋と新しい恋の間で揺れる、等身大の19歳を描いた、純度100%の青春恋愛小説。

  • 読み終わってから、切なさが後を引く作品でした.

    関西に住んでるからか、宗治くんの関西弁がリアルで更に読みやすかったです*

    切ない!!

  • 少女の初めての激しい恋と、次の恋の間で揺れる心情を書いた物語。感想としては、バリバリの少女マンガだなーというカンジ。設定がいろいろ唐突で、お約束なカンジとかが。でもするすると読んでしまったし、面白かったです。そーちゃんはマジいいやつだ。そっちいったらなぐってやろうかと思ったわ。

全10件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1956年岡山県生まれ。同志社大学法学部卒業。ニューヨーク州在住。
『欲しいのは、あなただけ』で島清恋愛文学賞、『ルウとリンデン 旅とおるすばん』(講談社)でボローニャ国際児童図書賞を受賞。主な著書に『優しいライオン やなせたかし先生からの贈り物』(講談社)『星ちりばめたる旗』(ポプラ社)ほか、主な児童書に『心の森』(金の星社)『やくそくだよ、ミュウ』(岩崎書店)『シナモンのおやすみ日記』(講談社)など多数。

「2024年 『新装版 まほうの絵本屋さん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

小手鞠るいの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×