- Amazon.co.jp ・本 (263ページ)
- / ISBN・EAN: 9784591114803
感想・レビュー・書評
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未来への不安を抱えたまま、行先のわからない電車に乗り込んだ主人公と電車に乗り合わせた少年の交流を描いたロードノベル。
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繰り返しの毎日から抜け出したくて、寝台特急に飛び乗った中学三年生の奏。
そこで出会ったヤンキー風の男の子、一馬。
一馬と共に観光地を旅していくことで、自分を見つめ直していく。
寝台特急サンライズ出雲、出雲行き。
宮島、尾道、鞆の浦。
この本で読む限り、素敵な場所らしい。
呉線は窓一面に瀬戸内海が広がるようだ。
一度は、のんびり一人旅として行ってみたい。
…って、ブクログ始める前に書き溜めていた本の感想手帳には書いてありました。
薄い感想だな。読んだの3年前だし仕方ない。
でもなんか非日常感があって少し憧れたことは覚えている。
確かこれ、表紙の「この本は恋愛物です」感が気に入って読み始めた気がする。
ちなみにこの本、今回読み終わった日より昔に一度読んでいる。
つまりは2回目だ。
1度読んだ本を2度読むとは、私にしては珍しい。
まぁ、多分そのくらい記憶に残ってたんだな。
知らんけど。 -
真っ白な画用紙を見ると、そこにこれから描かれる絵の色彩を見てしまうくらい絵が好きだった主人公が、「アーティストになりたかった」という母親の夢を託され、美術系の高校に進学する期待を掛けられるようになってから、絵を描くことが辛くなってしまう辺りの描写がぐっときた。
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美術学校に入学するため、毎日学校に塾、そして美術スクールへと通う中学生・奏。思い通りに絵が描けず、同じような日々の連続に嫌気が差した彼女は、目の前に停車した寝台特急・サンライズ出雲へと飛び乗ってしまう。見慣れた横浜の街をどんどん離れていく、電車。帰らなければ、でも、帰りたくない…相反する二つの思いの狭間で悩む彼女が出会ったのは、ちょっと恐そうな男の子で…
中学生という不安定な時期だからこそ起こる、心の葛藤。両親からの期待と、何事もうまくできない自分に対して感じる劣等感。悩みながら戸惑いながら、それでも旅を続ける奏の行き着く先とは。すっきりとした読後感で、とても好きでした。 -
毎日決まった日常、美術の専門学校に行きたいのかわからないまま母親の期待を背負わせれる女子中学生。ふとそんな辛い毎日が嫌になって、夜行列車に飛び乗ってしまう。そこで出会ったのは、レトリバーのようなふわっとした髪に、龍の刺繍がはいったジャージの怖そうな男の子だった。
正統派青春モノ、ですが、主人公の女の子の煮え切らなさに前半はイライラしながら読んでいました。段々と二人の主人公に感情移入させていくのは上手い。将来、生き方、家族関係など色々なテーマを素敵な景色と絡めていて、読後感がとても良い小説でした。
将来に悩む中学生にオススメかも。 -
いつかサンライズ出雲にのって、この本みたいに、宮島にいこー。出雲大社にいこー。
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帰宅をためらいサンライズ出雲に乗ってしまった中学3年生の、
日常からのささやかな(本人にとっては大きな)逸脱を描く。
安心して読める正統派YA、というのは形容矛盾か。
「なんだか……毎日をくり返すのがイヤになっちゃったの。
あした、自分が何やるのかわかっていて、あさって何やるのかわかっていて……
ああ、土曜になったらまた、美術スクールに行くんだなって思ったら……」p.111
「teens' best selections」の26冊目。
主人公の名がムスメを呼んでいるようで、つい買ってしまった一冊。 -
本の題名がい「いつまでもここでキミを待つ」かと思ったら「キミ待ちの港」で出てました。中学3年生の奏は美術スクールの帰り、いつもの電車に乗らず寝台特急に乗ってしまう。それには、自分のとりえである絵を描くことであったのに、親もそれを応援していて美術スクールに通わせてくれているのに、行き詰まりを感じこれでいいのかともやもやしている自分があったから。その旅の中で出会った一馬。彼も父親から見放されているように感じていて、父親が迎えに来てくれるのを待っていたのだった。そんな二人の旅。ぜひ、この続きを書いてもらいたい。
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決まりきった毎日から抜け出したくて、思わず飛び乗った列車。それは出雲行きの寝台特急だった。引き返すことも出来ないまま、奏(かな)は西へと運ばれていく。同じ列車に乗り合わせた、ヤンキーな中学生一馬と、何故か一緒に旅をすることになって…。
サンライズ出雲、宮島、尾道、鞆の浦。舞台がとてもいい。二人の心の揺れや絆がとても自然に、繊細に描かれている。