- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784591117477
感想・レビュー・書評
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北里大学獣医学部の犬部からしっぽの会になるまでのさまざまな取り組みと部員の熱意・苦悩が書かれている。動物愛護というものが、とても身近に感じられ、学生の純粋な心に読んでいる最中もつい顔がほころんでしまった。忘れていた熱意を思い出した一冊でもあった。
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著者は「自称犬バカノンフィクションライター」とのこと。
北里大学の獣医科の学生たちの動物保護活動のルポルタージュ。
やむにやまれぬ気持ちで個人が立ちあげ広がっていった活動の後、いったん休部。北里しっぽの会として再生していくまで。それぞれの部員たちと預かり犬との関わりを写真付きで紹介してある。 -
装幀 / 坂野 公一(welle design)
カバーイラスト / ハヤシフミカ
初出 / webマガジン『ポプラビーチ』 -
大学のサークル活動と侮る無かれでした。
「動物愛護」の大切さ、素晴らしさはもちろんのこと、理不尽や葛藤と戦う苦悩や歯がゆさ全てがつまった本です。
映画やドラマとかで映像化したら面白いんじゃないかな。
ペットブームな今、こういう現実をもっと伝えていくべきだと思います。そういうのにこれはピッタリだと思う。
ひとつひとつのお話しは、びっくりするくらいドラマチックなものから事故寸前の過酷過ぎるものまで、部員が体験してきた正真正銘の事実です。
だからこそフィクションにはない強さがあって、みんなの胸に響くんじゃないかと思いました。 -
大学にこういうクラブがあって、活動しているのはすごい!今回の震災の影響はどうだったのだろうか?阪神大震災の時も、ものすごくたくさんの動物が被害にあって、また新しい飼い主を探せなくて、大変苦労したようで、今回もそのことが気になった。
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青森県十和田市にある北里大学獣医学部のキャンパス。そこで活動する「犬部(現:しっぽの会)を取材したノンフィクション。
動物を飼うということは命を引き受けること。覚悟が必要…ということを考えさせられた。
エピソードの一つ一つは興味深いが、主観が入りすぎているように感じられる文章で、やや気持ちがそがれた。 -
捨て犬・捨て猫を保護する大学サークルのことをリポートした本。小説的に書かれてるので、感情移入しやすくて読みやすいです。大上段に振りかぶって愛護運動を推奨するカンジではなく、学生達の熱い気持ちとか学生らしい悩みとか、そんなことを織り交ぜながらの活動報告は、とても興味深かったです。
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献身的なケア、大きな愛情…傷ついた動物たちと真剣に向き合う学生達を追えば、自然とペットの命の重さに気付いている。
部員達は、世話というより介護レベルの保護動物たちのため、自分の生活を犠牲にしている部分がある。それでも放り出さないのは、動物たちへの責任と信頼を感じているからではないだろうか。
もはやサークル活動の域を越えているのかもしれないが、大学の性質と場所をうまく活かした意義のある活動に感服した。 -
北里大学獣医学部の2年生に進級した太田は、神奈川から十和田のキャンパスで専門課程を学ぶことに。
豊かな自然に囲まれた大学周辺。しかし、ダンボールに入れて捨てられた犬や猫、放浪するのら犬や、病気で弱りきったのら猫から目が離せない太田のアパートはあっという間に行き場のない動物たちでいっぱいになった。
太田の行動はいつしか周りの人に認められ、応戦してくれる友人や地元の人たちが増えていく。太田はついにこの活動をサークル活動にしたらどうだろうと考え始めるように…
そしてついに『犬部』となり、メンバー募集が始まる…
『犬部!』というので、てっきりフィクションかと思いきや、実際に北里大学獣医学部にあるサークル活動の話でした。
いくら動物好きといっても、アパートで何匹も動物を飼うなんて尋常ではないし、かかるお金もバカにならないし…。でも読んでいくうちに、飼い主の身勝手さとか、生き物を飼う事の大変さとかいろいろ見えてくることがありました。
何かよいことをするとすぐに「偽善的」とレッテルを貼りがちだけど、いつだって「何もやらない人」よりは「やる人」の方がずっとエライんじゃないかな。口では何とでも言えるし、目の前にいる命から目が離せない人が獣医になるということは、動物にとってこの上ないことだろうし…
まずは飼ったら責任をもって最期まで…と言うことなんじゃないかな。