- Amazon.co.jp ・本 (134ページ)
- / ISBN・EAN: 9784591119037
作品紹介・あらすじ
身近な人たちのために働き続けたレナは、生涯、独身だった。平凡な女性が「まるで英雄」のような死を迎えるまでを描いたシュトルムの『レナ・ヴィース』。売れない画家「ベアマン爺さん」が若い命をつなぐために成し遂げた愛の仕事(オー・ヘンリ『最後の一葉』)。両親の顔も知らずに路地裏で育ったクリスチーネは、水汲み、洗濯、子守りなどをしながら人間の醜さばかりをみて暮らす。そんな女性が罪と絶望の果てに人間愛を知るヴァッサーマンの『お守り』。熱い涙が溢れる三篇。
感想・レビュー・書評
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黒豚は兵士の傷口から、溢れ出す血を舐めて、傷を癒そうとしたのでは、ないだろうか。もしくは、喉が渇き、血を飲むだけだったのでは、ないだろうか。どちらにしても、兵士の骨肉までは、喰らわなかったと思うのだが。
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『お守り』は不幸に魅入られた人のたどる人生の厳しさを描くが、やはりここにはっきりとは描かれない(ただし暗示される)ところに不幸の芽があるのだろうと思わせる。現代にも通じる普遍的な話なのかもしれない。
89/100 -
『レナ・ヴィース』 シュトルム
たったこれだけの掌編に、人の一生の時間的スケールを乗せるのは作家の腕だな。『みずうみ』ちょっと読んでみたい
『最後の一葉』 オー・ヘンリ
言わずとしれた有名作品。子供向けの絵本とかでは寝込んでいるのは子供の設定が多い気がするが、オリジナルはカリフォルニア出身の絵描き志望の若い女性なのね
『お守り』 ヴァッサーマン
なんか昼メロ的な -
『レナ・ヴィース』の穏やかで美しい思い出が良いです。
『最後の一葉』はいつ読んでも感動的な良い話。
『お守り』は主人公が不幸過ぎて…。それでも最後は心穏やかに逝くことができたのでほっとしました。 -
「レナ・ヴィース」
優しく清らかで温かいレナ。
今は亡き彼女の姿を思い出し偲んでいる。
文章全体から、愛情がにじみでている。
敬愛の思いで胸がじりじりしている、そんな語り手の思いが伝わってくる。
派手さはないかもしれない。
しかし、いい作品だと思った。
「最後の一葉」
ひとは、と読むのか、いちよう、と読むのか、いつも迷う。
どっちでもいいみたいだけれど。
何度か読む機会があったので、非常によく知っているお話だけれど、やはり訳によって雰囲気って変わるんだなあ。
スウ、そしてベアマンさんの優しさがあたたかい。
「お守り」
これは、悪魔のお守り?
クリスチーネの最期は本当に「幸福」と言えるのだろうか?
なんとささやかで、取り返しのつかない幸福なんだろう。
クリスチーネは、強くてしっかりしている面がある反面、馬鹿な男に金を貸してしまったり、流されてしまったりと、だらしなく弱い面がある。
まるで別人のような2面性だ。
人生の前半は、与えられた過酷な運命を最大の努力で生き抜く姿のように見えたけれど、後半は、ずるずると自ら罠にかかりに行く、愚かで男を頼る自分のない女のように見えた。
結局はそれぞれの男に強く出ることのできない女だったということか。
時代が時代だったのだろう。
そして、男性の作品だからかもしれない。
ちょっと微妙な話だった。 -
シュトルム『レナ・ヴィース』、描写が綺麗。透明感がすごい。
オー・ヘンリ『最後の一葉』 は読後のなんともいえない感じが長く続くような作品。
ヴァッサーマン『お守り』は、人生のなかの「命」だなーと思った。筋だけみると身も蓋もないけど、すごい。 -
シュトルムの「レナ・ヴィース」、オー・ヘンリの「最後の一葉」はおなじみだったが、「お守り」のヴァッサーマンは初めて。密林で検索してみたが、他の著書が見当たらない。百年文庫、図書室に全部入れようかな~。
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2013.4.25
『レナ・ヴィース』シュトルム
今朝読んでもう内容が思い出せない。
『最後の一葉』オー・ヘンリ
読んだことないけど内容知ってた。これすごい有名な作品だなきっと。分かりやすい感動的な作品。
『お守り』ヴァッサーマン
不幸で強い女性のはなし。題名となってるメダルのお守りが上手にはたらいている良い作品。けっこう好きだけど不幸すぎて読み直す気はおこらないかな。