(036)「空き家」が蝕む日本 (ポプラ新書)

著者 :
  • ポプラ社
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  • Amazon.co.jp ・本 (174ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591140840

感想・レビュー・書評

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  •  著者のトークショーみたいなのにも行って直接話を聞いてきましたが、まさに不動産市場が変わりつつある状況でした。土地、建物に関わってる人は必見の本で人口が減っていく中で不動産業界がどういう道を進むのかがよくわかります。仕事の中で駅近分譲マンションが即日完売してるのとかを見みると、消費者の新築信仰が変わらないと苦しいのかなと思います。

     政府が住宅政策を経済政策として利用してきたのは明らかで、新築信仰が日本人のメンタリティなのか政府の洗脳なのかはよく検証する必要があるのかなと思います。ケガレとか侘び寂びとかの精神性が関係してたら非常に面白い論考になるはず。

     空家問題が語られる時は、倒壊の危険性とか治安の悪化とか安心・安全の視点から語られることが多く、市場のゆがみという視点はあまりみられません。読者、視聴者は安心・安全に敏感に反応するからなんでしょうけど、解決するべき課題はそこじゃない気がします。もっと構造的な部分が歪んでるのではと勘ぐってるんですが、そのあたりのことが書かれています。

     こと東京に限って言えば、空家問題について、人口が減ってるからしょうがないと開き直るんじゃなく、さらに、危ないから壊しちゃおうとか安直に済ませるのでもなく、空いてるなら住んでもらおうよ!と前向きに考えたいものです。

著者プロフィール

さくら事務所代表取締役会長。不動産コンサルタント。
1967年生まれ。広告代理店を経て不動産デベロッパーの支店長・不動産売買業務を経験後、業界初の個人向け不動産コンサルティングを行う消費者エージェント企業、さくら事務所を設立。

「2020年 『災害に強い住宅選び』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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