一瞬の雲の切れ間に

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著者 : 砂田麻美
  • ポプラ社 (2016年1月19日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591147979

一瞬の雲の切れ間にの感想・レビュー・書評

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  • 交通事故で3歳の男の子が亡くなった。
    その子の親、加害者、加害者の夫、加害者の夫の不倫相手…など、直接的にも間接的にも影響のあった人たちが綴る、連作小説でした。

    初めて読む作家さんでしたが、読みやすい文体と、重たい内容ながら読者に詰め寄りすぎない距離感がここちよくて、確固たる現実感があるのにどこか清々しい風が吹き抜けるような1冊でした。
    この距離の取り方、すごく好きかもしれない。
    下手にこちらの心をかき乱すことなく、でも淡々とリアルを書き綴っていて。

    夏の章、秋の章と、語る人物を変えながら時間は確かに流れていて、辛いことがあっても少しずつ前に進める人間の強さと、人間同士が互いに与える影響力の大きさがひしひしと感じられました。
    まるで人生の落とし穴のように、注意していても人生の危機というのは不意に訪れるものかもしれません。
    そんな時、時間の流れはもちろん、ほんの些細なことが救いになって、前に進む力をくれるんですね。

    偶然図書館で見つけた1冊ですが、もう一作出ているという「音のない花火」もぜひ読んでみたい。
    著者は、映画監督として数々の賞を受賞されている方のよう。作風がすごく好きなので、映画も見てみたいなぁと思わせてくれた、読めてよかった1冊でした。

  • 物語の世界に入り込んでしまうことはよくあるけれど、
    この本は、読んでいる間ずっと
    登場人物にすぐ隣で大切な打ち明け話をされているような
    不思議な感覚を味わっていました。
    不倫をしたり、交通事故で人を殺してしまったり、息子を事故で亡くしたり・・・
    幸せな風景を、傍観者として外から見つめなければいけないその切なさや
    もう元いた場所には戻れない悲しみが
    頭からだけでなく肌からもシンシンと伝わってきて、
    自分の心と物語の境目をあやふやにさせてしまったのだと思います。
    大好きな作家さんがまた一人増えました。
    幸せ・・・^^♪

  • 意図せず大切な命を奪ったモノと奪われたモノの間には何故だか同じ様な感情が去来する様に思われた。助けを呼ぶ少年の笛の音が青い空に響き渡る。

  • 初めましての作家さん。

    砂田さんは映画監督なのですね!

    連作短編集。

    じわじわと心にしみる良い本でした。

  • 「人間は何かを抱きしめていないと生きていけない。マミさん、そういうことですね --スタジオジブリ 鈴木敏夫」

    ある偶然が引き起こした痛ましい死亡事故。
    突然の悲劇に翻弄される人間模様を、映画『エンディングノート』『夢と狂気の王国』でその才能を高く評価された著者が、独自の視点から描きだした五篇の連作短編集。生の不確かさ、苦しみ、それ故の煌きを、日常の平穏から深く抉りだす驚きの筆力。映画だけにとどまらない才能を、ぜひその目でお確かめください。

  • 自動車事故で加害者と被害者のその周辺。

    編集者との不倫、別れ。
    息子を事故で亡くした母親。

    妻が事故を起こし、不倫に溺れた夫。
    生まれてくる命、事故をきっかけに自分の意思で決断した命。

    生きることに嫌気がさしていた矢先に目撃した自動車事故。

    なんとも、切ない。

    いろいろ矛盾?疑問点?もあったんだけど

    まあそんな細かいところまで気にしてたらきりがないよな、ってなった。

    車の運転には気をつけよう。

  • 最近、角田光代さんの『森に眠る魚』、芦沢央さんの『悪いものが、来ませんように』、真梨幸子さんの『5人のジュンコ』、などとどろどろとした人間関係崩壊ものを読んでいました。

    8歳の少年の交通事故死を中心に、加害者の女性・その夫・その夫と不倫している女性・被害者の母・事故現場に居合わせた男性、とそれぞれの視点から話が始まる……ときたらもうこれは!と思って手に取ったところ全然違いました。

    うっかり感動してしまいましたが私はどろどろを求めていただけに自己嫌悪です。面白いんだけど裏切られた的な。

  • 文学という視点で見れば、味のある作品だと思う。
    物悲しい世界観と最後の伏兵。
    ただ、物語としては救われない。
    不幸で何か物足りない人たち。

  • あるできごとを中心に描かれる複数人の視点の物語。最後の一遍、世界から息を消そうとする男性が息が消えようとする少年によって人生を変える結末に震える。

  • 17/03/11読了
    子どもを轢いた妻、その夫、その不倫相手、子どもの親、そして他人の連作短編。というのか群像劇か。どの編もよかったけれど、最後の一編がとても鮮やかだった。

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一瞬の雲の切れ間にの作品紹介

「人間は何かを抱きしめていないと生きていけない。マミさん、そういうことですね --スタジオジブリ 鈴木敏夫」

ある偶然が引き起こした痛ましい死亡事故。
突然の悲劇に翻弄される人間模様を、映画『エンディングノート』『夢と狂気の王国』でその才能を高く評価された著者が、独自の視点から描きだした五篇の連作短編集。生の不確かさ、苦しみ、それ故の煌きを、日常の平穏から深く抉りだす驚きの筆力。映画だけにとどまらない才能を、ぜひその目でお確かめください。

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