i(アイ)

著者 :
  • ポプラ社
3.62
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本棚登録 : 6215
感想 : 630
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  • Amazon.co.jp ・本 (298ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591153093

感想・レビュー・書評

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  • R2.7.11 読了。

     最後まで楽しめなかった。
     自分は存在する、そこに確かに居る。愛されているから、そこに存在している訳ではないことを教えられた。

    ・「感謝とか幸せって、努力して思うことではないんだよ。自然にそう思うことなんだから。」


  • 自分の生い立ちや生きてきた環境ゆえか、
    とてもとても深く生きていること、生かされて
    いることを考える主人公(アイ)の心の変化の
    成長の物語。

    考えることの尊さと複雑さを痛感しました。

  • 偽善と自己陶酔と歪んだ自己愛に塗れた理想主義者の気持ち悪さをとてもリアルに描いていると思う。

    世界には苦しんでいる人がたくさんいるのに、私だけが選ばれて幸せになってしまうのは申し訳ないという気持ちはわからないでもない。
    でも、それがいつしか「幸せになっちゃいけない私かわいそう」になっている。
    世界中の死者に胸を痛めているのも「繊細な心を持っている私って素敵」という考えが透けて見えている。
    世界で一番かわいそうな私を作り出して、なんちゃって自傷行為をして、自分をかわいがっているようにしか見えない。
    自分がかわいいだけだから、理想は語っても大した行動は起こさない。自分が本当に被害を受けると周りを憎む。

    「子どものことで、私がアイに謝ることはない。社会に対しても、不妊で苦しむ人に対しても、謝る必要はないと思ってる。私の決意と、みんなのからだのことは別のことだから。私のからだは、私のものだから。」

    残念だが、世界のどこかで苦しんでいる誰かの不幸は、私のものではない。だから私の生活を捻じ曲げてまで誰かを助ける義務はないし、それを恨まれても困る。理想的でないこの世界では理想は通用しないことが多いため、個人で理想を追い求めるのは立派なことだと思うが、他人を巻き込まないでほしい。

    理想を語って何もしない人、自分の理想のために他人を振り回す人は嫌いだ。
    それなら現実に屈したほうがマシ。
    でもラストのアイのように何かを求めず、ただ心の中で愛をもってこの残酷な世界を受け入れるというのであれば、個人の心のありようとしては美しいのかもしれない。

  • 後半から深みを増してるようなストーリー展開になっているが、どうもチャラい感じが。40代のバツイチのオトコにナンパされて結婚してしまうところや同性愛の女性がなりゆきで昔の高校の同級生のオトコとニューヨークで関係もってしまうところや。

  • 複雑な出自により孤独を抱える主人公が自分の内面と向き合う話。平和ボケして幸せに生きてるせいかハマらなかった。。オチがあっさりで誰かの自伝を読んでいる感じでした。

  • 女性ならではの気持ちかな?でも考えさせられる面が多くありました。

  • 終わり方はよかった。最後の何ページかはとてもいいのでそこまで辿り着ければ気持ち良く読み終われる。が、前半の間延び感が半端ない。正直文章力かがなくて読みづらかった。惹きつけられなかったので読むのが大変だった。LGBTや世界の紛争などをモチーフにしていて意識高い人は楽しめるのかも、、?

  • こうこう、こうだった、と、事実を書き連ねるような書き方は、小説としては面白くないと思う。

  • なんだか、ふーん、という読後感でした。帯の言葉は持ち上げ過ぎのような感じを受けました。

    私とあなたと皆というありきたりな設定をここまでの物語にするのは作家の力量だな、と感じましたがだからと言って引き込まれるでもなく、読み終わって何か残っているかというとそうでもなかったです。

    虚数iと絡めた設定も上手く使われるわけでもなかったし、期待過多でしたね。

  • サラバ!はすごく好きなんだけど…
    全体に薄い。
    アイの数学への情熱はどうなったのか とか
    全体のキャラクターも描ききれてない感があるし、
    ただただ残念。

著者プロフィール

1977年イラン・テヘラン生まれ。2004年『あおい』で、デビュー。07年『通天閣』で「織田作之助賞」、13年『ふくわらい』で「河合隼雄賞」を、15年『サラバ!』で「直木賞」を受賞した。その他著書に、『さくら』『漁港の肉子ちゃん』『舞台』『まく子』『i』などがある。23年に刊行した初のノンフィクション『くもをさがす』が話題となった。

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