猫は笑ってくれない

著者 :
  • ポプラ社
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (191ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591160046

作品紹介・あらすじ

「喪失を描く」のはありきたりかもしれません。
でも、どうかこの小説を読んでください。
「ありきたりな喪失」なんてひとつもないのです。
――作家 西加奈子

意味のない人生。
思い出に生きようか。
さよならに生きようか。
――俳優 松山ケンイチ

かつてともに暮らした猫を看病する、元恋人同士の2人。
愛猫の看取りを通し、愛の苦みと望みを描く傑作長編。
気鋭の映画脚本家による初の小説。



映画監督の女と、脚本家の男。
自分たちの恋愛は、映画をつくるようにはうまくいかない。

ソンは俺の知らないものを、たくさん持っている。
ソンに言葉があったら、聞きたいことが山ほどあるのだ。
一緒に暮らしていたときの、俺がいない時間の漣子を知っている。
俺と別れて一人になった漣子の隣にいたことがある。
そして宮田さんとの新しい生活を経験している。
それなのに、ソンはすべてを持ったまま、無言でどこかに行こうとしている。
そのうちのひとつでもいいから、知ることができたら。
(本文より)



<著者略歴>
向井康介(むかい・こうすけ)脚本家。1977年徳島県生まれ。大阪芸術大学卒業。脚本を手掛けた作品は、「リンダリンダリンダ」「マイ・バック・ページ」「ふがいない僕は空を見た」「もらとりあむタマ子」「陽だまりの彼女」「ピース オブ ケイク」「聖の青春」など多数。本作が初の長編小説の執筆となる。

感想・レビュー・書評

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  • 猫の終末が切なかった
    看取ろうとする三人の奇妙な関係
    ちょっと共感できなかったんです
    これはないだろうと
    それぞれが自分に厳しいのか甘いのか
    猫は淡々と生きて死ぬ

    ≪ 日々重ね 喪失と望み 日々重ね ≫

  • 猫が繋いでくれた二人の関係と別れ。

    脚本家の早川と映画監督の蓮子。

    二人の生活に新たに加わったのは茶トラのソンだった。
    蓮子とソンの穏やかな生活に安堵すると同時に湧き上がる不安を抱えて、蓮子との関係から遠ざかっていく早川。

    久しぶりに蓮子から連絡を受け、再会した早川が見たのは、
    腎不全で余命わずかのソンと、それを一緒に看取ろうと提案してくれた蓮子と再婚相手の宮田の姿だった。

    二人の関係が静かに終わっていったあの頃の記憶と、
    日々弱っていくソン。

    人間だからとか動物だからとかじゃなくて、
    ひとつの命あるものとして、その死をどう受け止めていくか。

    不器用な二人。猫の存在に救われてる。

  • 武蔵野大学図書館OPACへ⇒ https://opac.musashino-u.ac.jp/detail?bbid=1000140330

  • 1時間で読めた。

  • 猫は大事だけど、それはない。

  • 何というか、不思議な感覚。猫の存在感が大きく、引き込まれた。

  • 気持ちと気持ちは
    本当にうまい具合にうまくいかない。

    たくさんの気持ちの中から
    一滴、一滴絞られて、
    言葉ができて、本ができて、映画ができる。

    明日までに読めてよかった。
    お話きくの楽しみにしています。

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