哲学の世界へようこそ。: 答えのない時代を生きるための思考法

著者 :
  • ポプラ社
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  • Amazon.co.jp ・本 (213ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591164402

作品紹介・あらすじ

人生は理不尽の連続だ。
だからこそ、君に一生使える「思考の武器」を贈ろう。
AI、友だち、サイコパス、同性愛――
身近な思考実験を通して、常識を疑うための4ステップが身につく!
ベストセラー『いま世界の哲学者が考えていること』の著者が語る、
いま哲学する力が必要な理由と、それを鍛える実践的レッスン。

■考え抜くための4ステップ
1 直感をもとに立場を決める
→「君がその立場を選んだ根拠は?」
2 根拠に説得力を持たせる
→「その根拠はどれだけ妥当か?」
3 別の観点から問い直す
→「より納得のいく根拠はないか?」
4 使える結論を導き出す
→「感情ではなく理性にもとづいた結論か?」

■目次
第1部 生きるとは、考えること――哲学者以前の君へ
生きること、考えること/「わかった」風の大人たちを疑え/ソクラテスはなぜ死刑になったのか?/子どもは生まれながらに「哲学者」なのか?/常識を知ったときにはじめて「哲学」がはじまる/「考え抜く力」とは何か/感情でわかり合うには限界がある/8つの思考実験について

第2部 考え抜くためのレッスン――直感からはじめる8つの思考実験
レッスン1 「コピペ」を考える――パクリはいけないことなのか?
レッスン2 「個性」を考える――ほんとうの自分は存在するか?
レッスン3 「サイコパス」を考える――共感できるのはいいことか?
レッスン4 「同性愛」を考える――なぜ認められないのか?
レッスン5 「友だち」を考える――どこからが敵なのか?
レッスン6 「AI」を考える――バーチャルな恋愛は成立するか?
レッスン7 「転売」を考える――どこまで売り物にできるのか?
レッスン8 「仕事」を考える――働かない生活はありか?

コラム1 「シミュラークル」の不思議
コラム2 ダイジェスト版「フランス現代思想史」
コラム3 私たちの中に潜む「凡庸な悪」
コラム4 「性」をめぐる闘い――「フェミニズム」の歴史
コラム5 カール・シュミットの危険な哲学
コラム6 君に「自由意思」はあるか?
コラム7 「資本主義」の大きな宿題
コラム8 「ベーシック・インカム」の思想

■著者
1954年福岡県生まれ。玉川大学文学部名誉教授。九州大学大学院文学研究科哲学・倫理学専攻修了。博士(文学)。九州大学助手、玉川大学文学部教授を経て、2019年より現職。

感想・レビュー・書評

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  • 岡本裕一朗氏の著書は4冊目なので、引用や思考に馴染みがあり、更に読み易くなった(元々、非常に読み易いが)。本著もまた、哲学初心者向け。日常のキーワードを「考えてみよう」という本。そう、考えてみる。自分の意見を持つ、起源を想像してみる、これからの影響を予想してみる。例えば、AIについて。サイコパスについて。同性愛について。コピペって良くないこと、など。過去の哲学者による難解な言辞を解釈して訳知り顔にダラダラ書く本ではない。哲学は楽しい。

    とポジティブに導入しつつも、唯一引っかかった、本著のサブタイトルに絡んでみる。「答えのない時代」って何?、だ。哲学者的には、ここはこだわって欲しい所。揚げ足取りにも思えるが、しかし、「答え」のある時代なんかあっただろうか。「答え」とは何か。恐らく、思考した「結果」のことを「答え」としただけの事だと思うが、答えのない時代という言い方は誤謬であろうと思う。いつだって、何に対しても、自分に有利な答えが必ずあるわけではない。でも、我々が悩むのは「有利な答え」欲しさゆえであり、正義論でも演算的正しさでもない。生物は俗物であり、世俗的な答えと、哲学が示す共感性や超越性とは異なる。

    ー ニーチェは『悲劇の誕生』と言う本の中で、人間にとって最も良い事は何か、それは生まれなかったことなのだと書いている。

    ほら。すぐ達観し、超越する。でも、大丈夫。本著は、世俗的な切り口から、世俗的な答えを導くような思考を案内する。生まれてこなければ良かったなんて言わないから、安心。ようこそ、哲学の世界へ。

  • 2時間弱で読める哲学入門書、と言うよりは応用術に近いかな?
    マルクス主義やハンナ・アーレントなど実際に読むと骨が折れる哲学書からさらりと引用してくれるので肩肘張らずに読めます。

    友人の真の意味を問う件も中々でしたが、資本主義が行きつくと人は動物になるという内容が印象的で、私も直面しそうな問題なので今のうちにできる努力はしておこうと思いました。

    浅井さんの「正欲」の全体的なテーマに通ずる、愛の対象についてに関しても面白い事が書かれてあるので、ご興味ある方は「同性愛」の章だけでも読んでみてはいかがでしょうか。

  • 我々は既にこの世に生まれてしまっており、「この世に生まれない」ことはもう不可能である。本書で考えながら生きる方法を学ぶことで、真なる生が始まると言えるだろう。

  • 哲学とは、答えのないものなのか。

    分かりやすく書かれていたので、
    著者の別の本も読んでみたい。

  • 哲学の世界へようこそ:答えのない時代を生きるるための思考法
    著作者:岡本裕一朗
    「生きることは」考えること、哲学者以前の君へ
    「わかった」風の大人たちを疑え、ソクラテスはなぜ死刑になったのか?子どもは生まれてながらの「哲学者」なのか?感情で分かり会えるには限界があるその思考法について書かれている。
    タイムライン
    https://booklog.jp/timeline/users/collabo39698

  • 読んでて途中で嫌になってきたら、ぜひ「おわりに」を読んでください。
    私が親なら子供に読んで欲しい。

    私自身も漫然と日々を過ごしており、考えるということをほとんどしていなかったので、久しぶりに脳が活性化した気がしました。

  • 高校生と大学生向けに書かれていたけど
    社会人2年目で読んでも、考えさせることがたくさんあった。
    視点を変えて物事を見ることの大切さを再確認した。

  • 直感的に立場を決めて根拠をつくり、そもそもその問自体が成立するの?から哲学

  • 思考を深めることができる。
    自由意志、対立のない関係性はつまらないものか

  • 人間にとって最も良いことは生まれないことだ。でも生まれてきてしまった以上は考えて生きていかないといけない。早く死にたい。
    現代に生きる人間は個人でなくて分人。いくつものキャラを使い分ける。

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著者プロフィール

玉川大学文学部名誉教授。九州大学大学院文学研究科単位取得退学、博士(文学)九州大学。専門分野:哲学・倫理学。主要業績:『異議あり!生命・環境倫理学』(単著、ナカニシヤ出版、2002年)、『ネオ・プラグマティズムとは何か』(単著、ナカニシヤ出版、2012年)

「2019年 『哲学は環境問題に使えるのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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