仕事で大切なことはすべて尼崎の小さな本屋で学んだ

著者 :
  • ポプラ社
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本棚登録 : 474
感想 : 46
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  • Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591168974

作品紹介・あらすじ

目標がなく、なんとなく社会人になった、出版取次「大販」の新人社員・大森理香が、ある小さな「町の書店」の女店主と出逢うことで、「仕事とは何か」を学び、人生の目標を見つけ出していく――。尼崎に実在するまちの書店をモデルにした、ベストセラー『物を売るバカ』『キャッチコピー力の基本』の著者・川上徹也が書く感動のフィクション。読むだけで仕事への熱意とやる気があふれてくる一冊です。

(ストーリー)
東京生まれ・東京育ちで、中学からエスカレーターで東京の私立大学を卒業した大森理香(おおもり・りか)。特に夢もなりたいものもなく、なんとなく受けた大手出版取次「大販」に内定するものも、配属でいきなり縁もゆかりもない大阪勤務を命じられる。
関西弁が大嫌いで、さらにはベタベタした人間関係も大の苦手な理香だったが、研修でよかれと思ってやった行為で大きなミスをやってしまう。自分のふがいなさと理不尽さに涙があふれる理香に対し、上司が連れていったのはある小さな書店。そこでひとりの「書店のオバチャン」と出逢う。この書店のオバちゃんとの出会いをきっかけに理香の仕事と人生への考え方が少しずつ変わっていった――。

<著者>
川上 徹也(かわかみ・てつや)
コピーライター。湘南ストーリーブランディング研究所代表。「物語」の持つ力をマーケティングに取り入れた「ストーリーブランディング」の第一人者として知られている。ビジネスにおける「言葉」や「ストーリー」の使い方をテーマにした著書多数。その多くが海外にも翻訳されている。
書店好きとして知られ、全国の書店を取材して執筆した『本屋さんで本当にあった心温まる物語』などの著作もある。

感想・レビュー・書評

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  • ネットでAmazonのおススメについ乗って買ってしまった
    面白くてあっという間に読み終えた
    「取次」という仕事
    東京と大阪
    町の本屋さんの大変さ
    (わが町に本屋が無くなったよおおお( ;∀;))

    関西のビミョウなニュアンスはうふふ

    それにしても小林書店の由美子さん
    なんてす・て・き!
    エピソードのどれもいいわあ
    そしてお連れ合いがまた最高

    私の夫が若い頃下宿していたところなのでちょっ尋ねてみた
    「えー知ってる!よう本買いに行った。あのおばちゃんが本になっとんか!」
    びっくり仰天
    貸してあげました(笑)

    ≪ もうからん 本屋は手渡し 温かく ≫

  • 『仕事で大切なことはすべて尼崎の小さな本屋で学んだ』(ポプラ社)/川上徹也氏に聞く - Bunka News B.B.BBunka News B.B.B
    https://bbb.bunkanews.jp/article/1499/

    10坪の書店が映画に小説に おしゃべり店主が放つ魅力:朝日新聞デジタル
    https://www.asahi.com/articles/ASND66QG7ND1PIHB027.html

    内平 未央 | DIPREX
    https://diprex.jp/creator/uchihiramio/

    仕事で大切なことはすべて尼崎の小さな本屋で学んだ|一般書|本を探す|ポプラ社
    https://www.poplar.co.jp/book/search/result/archive/8008321.html

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      本屋続けよう 背中押された日に映画上映 尼崎の「まちの本屋」:朝日新聞デジタル
      https://www.asahi.com/article...
      本屋続けよう 背中押された日に映画上映 尼崎の「まちの本屋」:朝日新聞デジタル
      https://www.asahi.com/articles/ASQ1M6KLDQ1LPIHB026.html

      尼崎の「まちの本屋さん」がつくる「コバショ(小場所)」 | 尼ノ國(尼崎市)
      https://www.amanokuni.jp/people/amanotami/entry-473.html

      ドキュメンタリー映画 まちの本屋 公式サイト
      https://www.machinohonya.info/
      2022/01/21
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      本屋さんと本の問屋の仕事 | 一般財団法人 高田郁文化財団
      https://dokusho-culture.or.jp/book/07/
      本屋さんと本の問屋の仕事 | 一般財団法人 高田郁文化財団
      https://dokusho-culture.or.jp/book/07/
      2022/03/06
  • 先日、まちの本屋という大小田直貴監督のドキュメンタリー映画を観た後、監督とこの本に登場する小林書店の小林由美子のトークイベントがありました。その会場で小林さんが登場するこの本の紹介があり購入。小林さんと監督にサインしていただきました。今日ようやく時間が取れたので読了。
    人と人の繋がりを考えさせられる。売るものを知って良いところが分からないと人に勧められない。良いと勧めて売るにも責任がある。そこで生まれる信頼と信用。信用してくれることに感謝。人を観て想いやる気持ちを忘れないようにする。小林夫婦も最高。

  • とても読みやすくまとまっている。

    尼崎の小さな本屋さんで学んだこと…。

    店主由美子さんの明るさとバイタリティ、
    そして「言葉の力」の凄さ。

    商品見せてきちんと説明して売るのが大好き。

    命がけで作り手の思いを伝えていく必要がある。

    何事も否定せず、ちょっとずつ好きになること(人でも仕事でも)

    挑戦して損することは何ひとつもない。

    すべてが心に響いてくる。
    エピソードも⑧まであって、⑤のええ話が好きで⑥の夫の話に涙。。

  • 主人公が東京から大阪に初めて来た時の表現にまず笑ってしまった。
    きっと新卒で一人で大阪に来させられたら猛獣のうようよいる檻の中に放たれたような気持ちになるんだろうな〜。
    なんて呑気に読み進めると、これがまぁ心があったかくなる物語!

    新人の主人公が、自分がなぜこんな仕事をしているのかわからないという悩みを小林書店の由美子さんに打ち明けた時の、
    「ひとつずつでもええから、ええところを探して好きになってみ。
    そしたら自然ともっと知りたくなってくるもんや。何でもええやん。
    せっかく縁あって入ってんから、仕事のことも会社のこともまわりの人のことも、好きにならんともったいない。」
    という由美子さんの言葉が心に響いた。
    この「好きにならんともったいない」
    というのが、バイタリティに溢れ周りのものに常に感謝して生きる、いかにも由美子さんらしい考え方だなと思った。

    人を大切にする由美子さんだからこそ、多くの人からも愛され、仕事に対して丁寧に真摯に向き合っているからこそ、お客さんや仕事関係者からの信頼も厚いのだろう。
    心温まるエピソードの数々に、由美子さんの信念が伝わりとても刺激を受けた。

    私も周りの人や環境に感謝しながら、新しいことにどんどんチャレンジする心を持ち続けたい。


    【言葉メモ】
    「ひとつずつでもええから、ええところを探して好きになってみ。
    そしたら自然ともっと知りたくなってくるもんや。何でもええやん。
    せっかく縁あって入ってんから、仕事のことも会社のこともまわりの人のことも、好きにならんともったいない。」

    一日ひとつの「ええところ」探し

    私は恵まれている。そう思うようになったのだ。


    「自分を卑下するような言葉を使ってたら、ほんとに薄っぺらくなるよ
    なんでそうやって自分を低くするん?もっと自信持ってええやん」


    「商売ってやっぱり我慢して続けることが大切や。どんな人にも丁寧に接客すること」

    由美子さんのご主人
    「すごい疲れて帰ってくるやろ。でもな帰ってきて玄関に入ってくる時だけは、満面の笑みを浮かべて言うんやで。
    お母ちゃんありがとうな!おかげで楽しかった!と
    待ってる方もしんどいんやで。」

  • フィクションと思ってたら、小林さんのエピソードはノンフィクションだった。心アツくなるエピソード。元気出ます。書店に限らず、仕事するとはこういうことだ、と語られた気がした。小林さんのエピソードだけもっと集めて欲しいかも。

  • 題名から気になって手にした本!
    想像以上に良くってあっという間に読了☺︎

    新卒で仕事に不安な人、仕事とどう向き合っていいか分からない人にとってはすごく為になる本。
    小林さんのような人が近くにいたら私も通うかもしれないな!
    小林さんの話全てに涙を流しながら読んだ(笑)

  • 実存する尼崎の書店と店主のエピソードを紹介するために作られたお話。
    出版取次会社の新人が、店主の話を聞かせてもらいながら新規企画を次々成功させ、公私共に充実させて自信をつけていく。
    書店に限らず、仕事をする人、商売をする人に役立つ内容。
    最初の方の、よかれと思って先走って失敗するエピソードは、ものすごく共感。三方よしになるよう俯瞰し考えることの大切さを学べる。
    泥棒に入られた後の図書カード購入は、どれだけ信頼され、応援したくなる存在になるかが大事で、それは普段から応援する存在だからだということが伝わってくる。小林書店は、周囲の人々になくてはならない存在。そこに至るまでの努力には頭が下がる。
    店主もだけど、その旦那さまも素敵。私も尊敬。

  • p.214
    東京に研修に行く奥さんへ掛けた旦那さんの言葉
    「研修行って、ものすごい疲れて帰ってきて玄関入ってくる時だけは、満面の笑みを浮かべて言うんやで。お母ちゃん、ありがとうな!おかげで楽しかった!と言うて帰ってきいや。待っている方もしんどいんやで。お母さんは孫の世話もして、店番して、ご飯も作ってくれはる。そやから帰ってきた瞬間だけは、疲れた、言うたらあかんで。上がって部屋に入ったら『疲れた』言うて横になったらええから。」

    p.257
    大阪での経験で一番学んだのは、人は「熱」がある場所を「快」と感じるということだ。逆に「熱」がないところには人は集まらない。「熱」を生み出すためには、人の気持ちが乗っかる必要がある。もちろん店側のスタッフの気持ちも大切だが、お客さんの「本気」がそれに乗っかると、さらに店は熱くなる。

  • 本、商店街、お商売人、という私の好きな3つの要素に、読みやすい文章というのが相まって、さらさらっと半日で読んでしまった!

    あとがきに“主人公の成長物語(ノベル)と小林さんのエピソード(ノンフィクション)の融合”とあるとおり、出てくる小林書店は立花商店街(尼崎市)に実在し、小林さんが傘を売ったというサンシャインワーフには確かにそういう傘屋さんがあったらしい(主人談)。地元が出てくると俄然目が離せなくなる。小林さんの8つのエピソードも面白いし、ことごとく納得。

    ショックだったのは、私の大好きな本はもはやニッチな趣味だと断言されてるところ。まぢか〜( ̄▽ ̄;)

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著者プロフィール

コピーライター。湘南ストーリーブランディング研究所代表。
大阪大学人間科学部卒業後、大手広告代理店勤務を経て独立。数多くの企業の広告制作に携わる。東京コピーライターズクラブ(TCC)新人賞、フジサンケイグループ広告大賞制作者賞、広告電通賞、ACC賞など受賞歴多数。特に企業や団体の「理念」を一行に凝縮して旗印として掲げる「川上コピー」が得意分野。「物語」の持つ力をマーケティングに取り入れた「ストーリーブランディング」という独自の手法を開発した第一人者として知られる。現在は、広告制作にとどまらず、さまざまな企業・団体・自治体などのブランディングや研修のサポート、広告・広報アドバイザーなどもつとめる。著書は『物を売るバカ』『1行バカ売れ』『コト消費の嘘』(いずれも角川新書)、『キャッチコピー力の基本』(日本実業出版社)、『江戸式マーケ』(文藝春秋)など多数。海外においても「ストーリーブランディング」をテーマにした本がベストセラーになっている。

「2023年 『ストーリーブランディング100の法則』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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