人間が生きているってこういうことかしら?

  • ポプラ社
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  • Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591171653

作品紹介・あらすじ

新型コロナウイルスのパンデミック、地球温暖化、拡大する経済格差……。生き方を考え直さなければならないことが次々と起こる今、「生きもの」としての人間を根本から見つめ直したい――。そんな思いから、生命誌の視点で人間を見つめてきた中村桂子と、在宅ホスピス医として数多くの看取りに立ち合ってきた内藤いづみが語り合います。38億年をかけて織りなされた地球のいのちのつながり、その中で人間はどこにいるのか。死にどのように向き合うのか。「生きもの」としての人間がつくる社会はどのようなものか。一人ひとりの中にある「いのちの力」を信じ、「わからないこと」に上手に向き合って、今日から明日へと歩くために――。

【目次】

プロローグ チョウの飛ぶ庭で

★その人らしく旅立つために
在宅ホスピスの今/わがままな患者さん/「きりがありませんから」/痛みがなくなると/ふつうの女の子の戦争/いのちに差別なし/一つの出会いが心を照らす/四つの苦しみをとる/「聞く」ことに力がある/「いる」だけでいい

★生きているとはどういうことか
「ありがとう」「ごめんなさい」/生きているとはどういうことか/DNAは美しかった/患者になってわかること/科学と日常をつなぐ/いのちと時間とDNA/言葉がひらくアイデア/話すより深く語り合う/いのちを「愛づる」/ありのまま引き受ける/地球をめぐるいのち/いのちの卒業証書/「中から目線」の大切さ

★私たち生きものの中の私
人間は弱いから立ち上がった/いのちの俯瞰図/人間の可能性/今あるもので生きていく/言葉から未来を考える/人間は星の子/森のいのちの物語/私たち生きものの中の私/生きものの社会をつくる/「脱炭素」は可能なのか/植物をベースにした社会

★「わからないこと」に上手に向き合う
叱られた大人として/「わからないこと」はだめなのか/思い通りにいかなくても/自然は想定外だらけ/寝そべって聞いていても/マルかバツかでは決まらない/蟲愛づる姫君と農業の話/今を大事に生きる

エピローグ アリの話

感想・レビュー・書評

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  • ゲノム研究から三八億年の生命のつながりを見つめてきた生命誌研究者の中村桂子さんと、四千人以上の患者さんと向き合ってきた看取りのホスピス医の内藤いづみさんの対談。
    中村さんのご自宅のお庭でゆったりと行われた。

    終始穏やかで温かな雰囲気に満ちた語らいでした。

    特に印象に残ったのは内藤さんの患者さんのエピソード。
    旦那さんにおんぶされて内藤さんの元にやってきた、まだ育ち盛りのお子さんのいる年若い女性。
    彼女に体の痛みが抑えられたら何がしたいか尋ねると、彼女は「家族の洗濯物が畳みたい」とおっしゃられたそうです。
    そのエピソードにジーンと涙しました。
    その言葉だけで、彼女が、どれだけ家族を大事に思っていたか、日々を大切に生きたいと願っていたのか分かる気がしました。
    そして、どれほど幸せだったのかも。

    中村さんからは、「私たちの中の私」という言葉を教わりました。
    「私たち家族の中の私」→「私たち日本人の中の私」→「私たち人類の中の私」→「私たち生き物の中の私」
    人間関係のゴチャゴチャに耐えられなくなったときのために、こういう視点は確保しといた方がいいな、と思いました。

    あと、人間の元素は、星が超爆発してできた物質から作られている、というのも聞けて良かったです。
    だから、星を見ると、懐かしいような、切ないような気分になるのでしょうか。たぶん、気のせい。

    装丁が可愛らしいのと(中村さんのお庭をイメージ?)、タイトルの『人間が生きているってこういうことかしら?』に惹かれました。

    • 5552さん
      おはようございます、ベルガモットさん。

      割引シールの魅力を共有してくださって嬉しいです♪
      私はお刺身、お惣菜好きなので、夕方スーパー...
      おはようございます、ベルガモットさん。

      割引シールの魅力を共有してくださって嬉しいです♪
      私はお刺身、お惣菜好きなので、夕方スーパーに行くと目がハンターのように鋭くなってまーす。
      すだち買われたんですね。
      意外とたくさん入っていて、いろんな料理に使えるし、少し贅沢気分になれるしで、お買い得ですよね。

      そう!距離が離れてても、秒の速度で文章が届くんですよね。今もって仕組みは分からないけれど 笑 楽しくもあり、ちょっと怖くもあります。

      まー、穂村さま、教えてらっしゃることと、自分でやってることが違う 笑
      定型を守る律儀さを持ちつつ、定型を崩す大胆さも必要、なのでしょうか。
      慣れてくると、自分が気持ち良ければいいや、となってしまうのを避けて欲しいということかな。定型なめんな、と。

      穂村さまの新しい歌、たしかに言ってる意味が分からない。時間犯罪者って何でしょう?でも、読み解く時間や想像する時間もきっと短歌読みの楽しみなんですね。

      『短歌ください』せっかくなので応募しました!
      給食のお題で三首、自由詠で一首。
      でも、この『短歌ください』のコーナーってめちゃくちゃレベル高くないですか?
      木下龍也さんも、アマチュア時代によく応募していた、というのも聞いたことあるような気がしますし。←勘違いかもしれない。
      穂村さまに私の短歌をお目通しいただくと思うとドキドキです。
      ベルガモットさん、機会をありがとうございました!
      2022/08/29
    • ☆ベルガモット☆さん
      5552さん、こちらにもまたお邪魔します。

      滑り込みで私も『短歌ください』に応募しました!
      確かにレベル高そうですね。
      木下龍也さ...
      5552さん、こちらにもまたお邪魔します。

      滑り込みで私も『短歌ください』に応募しました!
      確かにレベル高そうですね。
      木下龍也さんみたいに未来の歌人が生まれる場でもあるんですか?!
      定型を大事にしないと散文になってしまうと何かの本に書いていたような気がします。
      もし奇跡的に採用されたら、お祝いましょう♪
      2022/09/02
    • 5552さん
      ベルガモットさん

      おお、ベルガモットさんも応募されましたか。
      強力なライバルですね!(…冗談です。私など足元にも及びません…)
      ブ...
      ベルガモットさん

      おお、ベルガモットさんも応募されましたか。
      強力なライバルですね!(…冗談です。私など足元にも及びません…)
      ブクログと同じく、秒以下の速度で投稿できてしまいますね。
      一体いくつの短歌が応募されてるんだろう、と思うと、気が遠くなります。
      散文と短歌の違い、難しいですね。
      もし、もし、掲載されたら、エアワインで乾杯しましょう!
      2022/09/02
  • いのちに向き合う2人のスペシャリストからアナタへ贈る『人間が生きているってこういうことかしら』2月9日発売決定!|株式会社ポプラ社のプレスリリース
    https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000403.000031579.html

    人間が生きているってこういうことかしら?| 一般書| エッセイ| 本を探す|ポプラ社
    https://www.poplar.co.jp/book/search/result/archive/8008359.html

  • お二人の会話がとてもリズミカルで。いのちについて話すのが大好きなのでしょうね。と感じました。一緒にその場にいるような感じがします。
    たくさん付箋をつけてしまうほど、思考回路を刺激されます。

  • 虫は何万種と存在することに対して、人間は一種しか存在しない。
    生き物としての生き方を考えて、考えて、考えなければ。人間だけが特別なわけがない。
    自然の中にいることを忘れて進んでいる人間に対して優しく諭してくれる。

  •   蝶は偏食でナミアゲハの幼虫だとミカン科の葉しか食べない。お母さんは前肢で葉を叩きミカンと確認して、その葉に卵を産む。すごいなと思います。地球の生き物で多いのは昆虫、次に植物。これで7~8割。5千万種以上の生態系の基本。人間は種でいえば1種。プーチンにこの本を読ませたい。中村桂子&内藤いづみ 対談集「人間が生きているってこういうことかしら?」、2022.2発行。①赤ちゃんは周囲を笑顔にする。亡くなる時も周囲を笑顔にしていくことが大事 ②ホスピスが向き合うのは人間の苦しみ。よく話を聞くこと。人間的つながり 

  • 昼休み、心おだやかにしてくれた本。少しずつ読んで、笑ったり泣いたり。今の世の中、ゆっくり手間ひまかけて生きることで良くなるんだろうな。

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著者プロフィール

1936年東京生まれ。JT生命誌研究館名誉館長。理学博士。東京大学大学院生物化学科修了。ゲノムを基本に生きものの歴史と関係を読み解く「生命誌」を提唱。JT生命誌研究館を開設し、2002年より同館館長。『生命誌の扉をひらく』『自己創出する生命』(毎日出版文化賞)、『ゲノムが語る生命』ほか著書多数。

「2022年 『科学はこのままでいいのかな』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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