- Amazon.co.jp ・本 (311ページ)
- / ISBN・EAN: 9784591172063
作品紹介・あらすじ
マンションの屋上庭園の奥にある「縁切り神社」。
そこを訪れる<生きづらさ>を抱えた人たちと、「わたし」の物語。
本屋大賞受賞『流浪の月』の凪良ゆうが贈る、救いに満ちた感動作!
<内容紹介>
小学生の百音と統理はふたり暮らし。朝になると同じマンションに住む路有が遊びにきて、三人でご飯を食べる。
百音と統理は血がつながっていない。その生活を“変わっている”という人もいるけれど、日々楽しく過ごしている。
三人が住むマンションの屋上。そこには小さな神社があり、統理が管理をしている。
地元の人からは『屋上神社』とか『縁切りさん』と気安く呼ばれていて、断ち物の神さまが祀られている。
悪癖、気鬱となる悪いご縁、すべてを断ち切ってくれるといい、“いろんなもの”が心に絡んでしまった人がやってくるが――
<プロフィール>
凪良ゆう
2006年にBL作品にてデビューし、「美しい彼」シリーズなど作品多数。2020年『流浪の月』にて本屋大賞を受賞。2021年『滅びの前のシャングリラ』がキノベス!第1位。非BL作品の著作に『神さまのビオトープ』『すみれ荘ファミリア』など。
感想・レビュー・書評
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R4.12.17 読了。
私の中で凪良ゆう先生は最近とてもお気に入りの作家さんです。「流浪の月」「滅びの前のシャングリラ」に続きこの本で3冊目になります。
今回のこの本は私の手を誰かがそっと引いてくれて、物語の世界を見せていただいた感じがしました。マンションの屋上庭園の中にある縁切神社の情景やそこを訪れる様々な事情を抱えた人達も見えそうでした。物語に出てくる人たちから、「周囲と違う価値観を持っている人はおかしい。」というものに振り回されなくてよいんだよと教えてもらいました。周りと違う自分をそんながんじがらめに縛ったり、周りのように振る舞えない自分を嫌ったりしなくて良いんだよって勇気をもらいました。
読後は何となく私の中にあった「不要な価値観」や「世間体」が心から少し離れていった気がします。
じんわりとそして優しい世界観の凪良ゆう先生の物語がまた好きになりました。ありがとうございました。
・「期待に応え続けることなんてこと、誰にもできないのにな。」
・「誰かにこう思いなさいと言われたら、まずはその人を疑ったほうがいい。どんなに素晴らしい主義主張も人の心を縛る権利はない。」
・「失うことや持っていないことで得られるものもあるんだ。」
・「できれば『ぼくたちは同じだから仲よくしよう』より、『ぼくたちは違うけど認め合おう』のほうを勧めたい。」
・「事実というものは存在しません。存在するのは解釈だけです。」
・「手を取り合ってはいけない人なんていないし、誰とでも助け合えばいい。それは世界を豊かにするひとつの手段だと、少なくともぼくは思っています。」詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
この本はブク友の くるたんさんに教えていただいたもの。
凪良さん 3作品目。
この本もよかったなぁ~。
凪良さんの作品にはいろいろな人が登場する。
別れた奥さんと新しい旦那さんが事故で急死。
その子供を引き取って育てる(一緒に暮らす)元旦那。
カミングアウトしたゲイ。
高校時代に事故で彼を亡くし、それから一人でいる女性。
その彼の弟。
いろいろな人が一緒の時間をいきる。
アパートの屋上には美しい庭、そして縁切りの神社。
悪い縁を縁切り。
でも、それは自分が信念を持ってはじめてかなう。
世の中にはいろいろな人や考え方がある。
そのことを理解し認め合わなければと思う。
そう考えることで自分の人生も変わるような気がします。
そのためにもいろいろな人の本を読みたいと思います。
この本を紹介してくださった くるたんさん ありがとうございました。。
メモ
p65 孤独死
p68 フリーサイズの恋
p109 茨城のり子詩集
たった一日っきりの
稲妻のような真実を
抱きしめて生き抜いている人もいますもの
p160 周囲の期待なんてものは、一つクリアしたら次が出てくる。
p180 かけた情けは巡り巡って自らに帰ってくる。
p186 他人同士なんて死ぬほどめんどくさいことを繰り返すことでしかつながっていけない。
p292 どんなに素晴しい主義主張も人の心を縛る権利はない。
p294 できれば「僕たちは同じだから仲良くしよう」より、「僕たちは違うけれど認め合おう」の方を勧めたい。
p297 手を取り合ってはいけない人なんていないし、誰とでも助け合えばいい。それは世界を豊かにするひとつの手段だと、少なくともぼくは思っています。-
いるかさん♪こんにちは♪
早速読んでいただき、素敵なレビューをありがとうございます〜♡
こちらも響く言葉がいっぱい溢れていましたよね。
...いるかさん♪こんにちは♪
早速読んでいただき、素敵なレビューをありがとうございます〜♡
こちらも響く言葉がいっぱい溢れていましたよね。
凪良さんはいつも"定義"って何⁇ってとっぱらってくれる気がします。
自分が自分で居られることの大切さ、そして認め合う大切さが伝わりますね♪
2022/10/27 -
くるたんさん こんにちは。。。
本当に良い本を紹介してくださり、感謝感謝です。
自分が自分らしくいられること。
でもアウティン...くるたんさん こんにちは。。。
本当に良い本を紹介してくださり、感謝感謝です。
自分が自分らしくいられること。
でもアウティングで、命を亡くしてしまうことも。
みんなが認めあえる世界。
まだまだ時間がかかりそうですが、いろいろなことを知って成熟した世界になって欲しいですね。
(多くのことを知っていることも大切ですが、自分の知らないことが世界中に沢山あることを知ることも大切だと思っています)
この本が多くの人に読まれる意味は大きいと思います。
本当 凪良さん すごいです。
この本に出会えたのも くるたんさんのおかげです。
本当にありがとうございました。。。2022/10/27
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凄く良いお話!!
【人それぞれの価値観の持ち方や価値観が違った時の話】がテーマかなぁ
単純に人それぞれ違ったって良いし
無理もしなくていい
全体的に心が救われるし
疲れもとれるようなお話でした。
個人的にストレス発散の仕方が
桃子さんと同じ【宝くじ】だったので親近感わきましたね。
自分は不運だったり、イラつく事があると宝くじを1口買います
当選とか関係なく、サッカーくじの100円ビックを購入(1口100円で一等一億円をコンビニで購入)
【出来事や対象の相手から運気を吸いとってやる】という考えです(笑)
これが意外とスッキリするし
間違って当選したらしたら…で
もしもっと結果も欲しい場合は
ナンバーズ3のミニがオススメ!!(1口200円、当選数字3桁の下2桁を当てる)当選確率100分の1なので、たまに当たります
この間、嫌な時に5口(1000円分)購入し、11800円当選!!かなりスッキリしました(*´∇`*)
まぁハズレても相手の運を吸いとってますのでかまわないですし…イヒヒ…-
初コメです。
私もこの作品を読んで、色んな価値観や生き方があって当然なんだよなと、多様性について改めて考えさせられました。
後半のベルゴさ...初コメです。
私もこの作品を読んで、色んな価値観や生き方があって当然なんだよなと、多様性について改めて考えさせられました。
後半のベルゴさんの宝くじの話、ちょっと共感しちゃいます(笑)
私もたまに宝くじを買って、とりあえず1割は返ってくるし、当たらなくても一応何かに寄付されて活用されたり、当たった誰かが幸せになれるなら幸せのお裾分けってことで良いや、と割り切ってます。2023/01/08 -
宝くじは
国や地方に、収入とは別の形で【税金】を払ってるような物ですし。
買いすぎなければ 気持ちの整理や街づくりに貢献出来ますからね
(*...宝くじは
国や地方に、収入とは別の形で【税金】を払ってるような物ですし。
買いすぎなければ 気持ちの整理や街づくりに貢献出来ますからね
(*´∇`*)
たまに宝くじを変に批判してくる人もいますが…そういう人…ほぼギャンブラーなんですよね…
ちょこちょこ当たらされて夢中になるけど…良く考えたら何倍も払わされてるのに気づかない人達が…2023/01/08
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ぎょわぁ〜、久々に射抜かれたような感動作に出会ってしまった。さすがは凪良さん、砂浜で素敵な貝殻を見つけたような、輝いた言葉が波に洗われてさらにキラキラしてて見つけるたびにウルウルしてきました。
マンションの屋上にあるガーデンカフェを彷彿するような異空間。悪縁を断ってくれるとゆう神社とかもう設定だけで卒倒しそうなのに、そこに集まるいろんな人達の訳アリな人間模様が実に巧妙に繋がっていてページをめくるたびに物語の世界にどっぷりと浸かる事ができました。そして、ひと筋の稲光に撃たれたようにビビーンときました。
いろんな人の解釈なんて気にせずに自分らしく生きるってところで、心はスマホもWi-Fiも届かなない、LINEやSNSの「いいね」の同調圧力も及ばない圏外のエリアに飛ばされました。周りを気にせず読書に没頭できて心地よかったです。-
ぎょわ〜!!
よかったですね〰️\(^o^)/v
つくねさんが射抜かれたような感動作に出会えたんですね…☆彡
私も朝からテンションあがりま...ぎょわ〜!!
よかったですね〰️\(^o^)/v
つくねさんが射抜かれたような感動作に出会えたんですね…☆彡
私も朝からテンションあがりました〜♪
ദ്ദി˙◡・)♡2024/05/06 -
チーニャさん、こんにちわ!!
無茶ツボでした。整体に行って秘孔を突かれたような感じで
閃光が走りました (≧∀≦)
図書館に返却す...チーニャさん、こんにちわ!!
無茶ツボでした。整体に行って秘孔を突かれたような感じで
閃光が走りました (≧∀≦)
図書館に返却するの躊躇ってしまうぐらいで保存用に揃えておきたいって
思って書店に行ったんですけど見当たらなくって
平積みされてた、辻堂ゆめさんの文庫本買っちゃった (°▽°)
交換日記って文字がヤケに気になってジャケ買いしちゃったw
2024/05/06 -
つくねさん、こんにちは〜(*^^*)
私もこの作品好きなんで、ぎょわ〜!!って
いうの、わかります!(笑)
‘’ 交換日記 ‘’の方も
ど...つくねさん、こんにちは〜(*^^*)
私もこの作品好きなんで、ぎょわ〜!!って
いうの、わかります!(笑)
‘’ 交換日記 ‘’の方も
どんな作品なのか…楽しみですね〜♡2024/05/06
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凪良ゆうさんの小説は、おもしろくて内容がとても深いと改めて思った。
悪い縁を切る神社とそこを訪れる人々の短編集。
切りたいものは人それぞれで、世間体を気にせず自分が楽しんで暮らせたら、それでいいのかなと思えた。
特に"兄の恋人"のうつ病になった"基"が、もう一度自分を愛せるようになるまでのストーリーはすばらしかった。
複雑な家庭、身近な人の死、ゲイ、うつ病と多くのテーマがあるけど、読んで気持ちの楽になる作品でした。 -
カバーがきれいなので本屋で見て気になっていた本。
周りの人がお節介を焼きたくなったり、勝手に同情したくなったりするような境遇の人たちが、自分は自分のままでいいんだと思えるようになっていくお話。
統理や百音たち登場人物がとても落ち着いているので、全体を通して優しい穏やかな雰囲気が流れている。
癒し本、だな。
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凪良先生の紡ぐ物語はどの作品も温かく、切なく、優しいものばかりです。
今回の作品も同様に人には様々な価値観があって、それに正解や間違いなんてない。と、思えるような物語でした。
他人と比べたり、過去と比べたりして今を真っ直ぐに生きることが難しいときもあります。
そんな時は"そのままでいい"。それだけでいいんだって思えました。
無理に誰かよりも優位に立ったり、過去を忘れようとしなくてもそのままの自分を受け入れる。
自身の価値観は他人が決めるものでもなく、過去から見出すわけでもなく、
「今」の自分が感じ、思い、行動し、創られていくものだと思います。
それは誰にも否定される権利もなく、たった一人、自分が肯定してあげていくもの。
そんな優しいメッセージをこの作品を通して感じました。
天気の良い日に屋上庭園で読書をしているような清々しい気持ちで読書ができました。
個人的には続編を希望しています・・・!!-
2023/08/31
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2023/09/01
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もりひろさん、お返事ありがとうございます。
そうですね♪私はマックで涼みながら読者が定番になってます(^_^;)もりひろさん、お返事ありがとうございます。
そうですね♪私はマックで涼みながら読者が定番になってます(^_^;)2023/09/01
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「ぼくたちは同じだから仲よくしよう」より「ぼくたちは違うけど認め合おう」のほうを勧めたい。
学校での道徳の授業と、帰り道の友達の言葉を、百音から聞いたときの統理の言葉。他の人のちょっとした言葉にも一喜一憂してしまう自分にとって、本当の大人だなあと思えた。
「思いやりとは自分がされて嫌なことを人にもしないことです。」
確かにそうだ。でも、これは第一段階。
本当にその人の気持ちが理解できているかはわからない。あくまでも自分の考えている「解釈」によるものなのだということ。そしてその「解釈」は世間一般の常識とされるような「解釈」が多い。
ある人を理解しようと思うと、同じ考えに至らなければいけないような気がしていたけれど、「この人はこういうときにこんなことを考えているのだ」ということを知って、それを認めることなのかなと思った。
無理に他の人の解釈に合わせようとせず、自分のペースでやっていけばいい。高校生の時亡くなった彼を思い続ける桃子さんみたいに。
事実というのは存在しません。存在するのは解釈だけです。(ニーチェの言葉だったんですね)
それでもどうしようもない気持ちはマンション屋上の神社で断ち切ってもらったり、路有のお店に行ったりできるといいなあ。 -
人が感じる不安や怖さ、弱さ、寂しさ…
あたりまえだけど個人個人で感じ方が違うんだなと痛感。それを踏まえて、支え合いながら補い合いながら日々を生きる主人公達。 -
かねてから気になっていたものの、手つかずだった本書。書店でふと「期間限定秋カバー!」を見つけ、その美しさに魅了され、ジャケ買いしてしまいました。ミーハー(笑)! 最近、新装版等でこういうの増えた気がします…。
マンションの屋上に『縁切りさん』と呼ばれる神社があり、様々な人が悪い縁を断ち切ってもらおうと、形代(かたしろ:人の形をした紙)に文言を書き、お祓い箱に入れるのだそうです。
ここから先は、凪良さんの〝間違いない〟心に傷を抱えている人たちの救いの物語が展開されます。心にグッと刺さり、響く言葉が溢れています。
読み手である私たちは、作品の質の高さに安心感を持つとともに、登場人物の心情に共感しながら最後は安堵し、またしても、読後は自らが救われたような感覚に陥りました。
『汝、星のごとく』のように、強烈な〝魂の慟哭〟が描かれている訳でもなく(勿論、本書を卑下しているのではありません)、スラスラ読み進められました。この神社に一人静かに佇み、優しく癒されたいと思わせてくれる、温かな物語でした。