博士の長靴

著者 :
  • ポプラ社
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感想 : 95
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  • Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591173299

感想・レビュー・書評

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  • 2022.6.8

  • 気象学のが藤巻博士、四世代にわたる連作短編集。
    すき焼きが食べたくなった。
    日本の美徳を学ぶ。
    本を読む順番って大切。
    すっごい面白い本を読んだあとのほのぼの系は、ダメっていうのがわかった。
    違うタイミングで読んだなら、きっとほのぼのして良い話だったのだと思う。
    長靴、子供の頃は履いていたが大人になるとよっぽどでないと履かない?
    あ、ラブシャでよく見るかも、長靴。
    と思いながら読んだ。

  • 親子4代記連作短編集かな。
    ずっと気になっていた作家さん。
    温かいお話系かと思ったら、そうでもなかった。
    大きな事件があるわけではないけど、普通の人たちが普通に生きる日々を丁寧に描く(ちょっと変わった人もいるけど)。
    視点人物は色々だけど、家族とか人間とか色々あるけど、最後にはなんだかいいもんなのかな、という気持ちになった。
    この淡々とした日々をこんな風に飽きずに読めるのは良い。

  • 気象学者の藤巻博士とその家族の物語。約60年、4世代の家族が繋がる物語は、心穏やかにしてくれる一冊でした。(1話だけ異色な物語もありましたが…苦笑 もしかして成美の相手、玲の父親はあの人?と勘繰ってしまう自分も…)
    天気は変えられない。あるがままを受け入れるしかない。せめて、地道にコツコツと備えるしかない。1958年の藤巻博士と2022年の藤巻博士にブレがなく、彼の周りは時間がゆっくりと流れる気がして居心地が良さそう。

  • 「わからないことだらけだよこの世界は、だからこそおもしろい(P72)」
    天気の研究に生涯をささげた藤巻博士一家の4世代の歴史を描いた一冊(王様のブランチでも紹介されていた)。1958年~2022年までの60年の物語(全6話収録)で、全話藤巻博士視点かと思っていたがそうではなく、家族&周辺の人物視点で複雑な家族の生きざまが描かれる、中盤に賛否両論あるような話もあり…1話と最終話が微妙に繋がっているのがいい感じだった。瀧羽さんの作品が好きは人にオススメ。

  •  気象学を研究している藤巻博士。いつも空を見上げて気象の事ばかり考えている。そんな藤巻博士の家に家政婦として派遣されたスミ。変わり者の藤巻に驚くが、ある日空色の長靴をプレゼントされ…
     藤巻博士とスミが結婚し、子供、孫と視点が移動していく連作短編集。

     藤巻博士は全編通してブレないですね。
     いつも空を見上げて天気を読む。ちょっと場を読む事は出来ないけれど、人柄的には穏やかな人でした。
     息子も小さい頃はやんちゃだったけど、画家の道は判る気がしました。ただ、まさか不倫するとは夢にも思いませんでした。
     そして、孫の成美もシングルマザーになっててこれまた驚きました。祖父の研究を継いでるのは嬉しかったです。
     そして、あの空色の長靴が曾孫へと繋がっているのも感慨深かったです。

  • 気象の研究者である藤巻博士とつながる6人が、それぞれ主人公となる短編集。藤巻博士の奥さんになるスミさんから始まってひ孫にあたる玲くんまで4世代にわたるので、時代背景も異なるし、隣家の奥さん、息子の不倫相手、防災課の職員とか、関係性を理解するのに一瞬とまどうけれど、テンポ良く読み進められる。タイトルは二十四節気で、お天気の描写が印象的。
    「人間も、他の生きものも、あるがままを受け入れるしかない」
    「役に立つかどうかを基準にものを考えるのって、研究者としてどうなんだろうな」
    藤巻博士のように純粋に一つのことを究めることは難しいけど、ものごとの捉え方や心の持ちよう次第かなという気がする。読んでいて、心が軽やかになる感じがした。

  • 平和で静かな家族の日常。こういう何も起こらない幸せが好き

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著者プロフィール

1981年、兵庫県生まれ。京都大学卒業。2007年、『うさぎパン』で第2回ダ・ヴィンチ文学賞大賞を受賞し、デビュー。
著書に『ふたり姉妹』(祥伝社文庫)のほか、『ありえないほどうるさいオルゴール店』『女神のサラダ』『もどかしいほど静かなオルゴール店』『博士の長靴』『ひこぼしをみあげて』など多数。

「2023年 『あなたのご希望の条件は』 で使われていた紹介文から引用しています。」

瀧羽麻子の作品

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