- Amazon.co.jp ・マンガ (241ページ)
- / ISBN・EAN: 9784592143109
感想・レビュー・書評
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相変わらずの「よしながふみさんカッコイイ」である。
「ありがとう」という言葉がほんとに素敵に見えてくる。こんな素敵な漫画書いてくれてありがとうございます。
そして最終ページ付近でこれまでとは違う流れが起きつつある……。ぞわぞわします。
徳川家の系譜を調べてみたら、ほんとに終わりに近づいているんですね。
でも、物語としてはどんな終わりを迎えるのだろう。想像がつかん。 -
蘭学が入ってきたあたりから、泥々した権力争いや男女の哀切な情愛が薄まってきて、大奥に良い空気が流れてきたように思ったけど、やはりそれでは終わらせないよしなが先生。
平賀源内の底抜けの明るさと聡明さ、青沼の強い意志と優しさが際立っていました。電車で読んでて泣きそうになった…。さて11巻へ。 -
種痘によって、江戸城内のみ赤面疱瘡の沈静化に成功。
あくまで、江戸城内・大奥内での話であって、日本国内では未だに猛威に震える日々です。
赤面疱瘡の治療を権力の奪取に使うか。純粋に病気の根絶を目指すのか。
その目線の違いが、最後の叫びなんでしょう。
技術革新は、どんな時代でも権力者の指先一つで進む方向が変わるものですが。
赤面疱瘡治療に関しては、たまたま使えるものがあったからりようした、という印象がぬぐえません。そのせいで、青沼や源内たちの人生そのものが報われないです。
目先の利益追求した結果の徳川家斉。この将軍就任が、この先どうなるんでしょうね。久しぶりの男将軍。
このまま男の歴史になるのか。女の歴史になるのか。
とりあえず、「白河の清きに魚のすみかねて もとの濁りの田沼恋しき」の時代が来るわけだ。
松平定信の、田沼意次への個人的感情のしこりもわくわくします。 -
これはさすがに面白いす。江戸時代も終わりに近づいてるけど、赤面疱瘡もいよいよ抑え込める手がかりが見えてきた感じで。でもやっぱり正体は感染症で、対策はワクチンになるんですね。
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赤面疱瘡に真剣に向き合ってきた人達の努力が漸く実りを結んだという物語上大きな転機になる10巻。
なんで表紙の雰囲気とか背表紙とかが変わったのかなぁと思ったりもしましたが、内容を読んで納得。
初めの一歩は大きな痛みも伴うものだったけれども、今後自身の安寧に身を任せ、国の本当の未来に向き合おうとしなかった権力にまみれた者達の阿鼻叫喚がきこえるのではないか…と内心ドキドキしている。
けれどもただの勧善懲悪という形では描かないであろうと期待しているので次巻もどうなるか非常に楽しみです。 -
表紙絵が今までと違う上に、全員そろっているところになんだか最後みたいという印象でしたが、読んでみて、壮絶で、切ない巻でした。
病を治そうと、ワクチンらしきものまで開発した大奥の蘭学研究者たち。それでも、まだまだ勉強不足なところもあり、死者を出してしまう。今回の最後、雨の中で叫ぶシーンは、まさにその通りという感じでした。性別を問わずに、社会に出るとはそういうことなのでしょうか。人々が生き伸びるために力を尽くした者たちをあっけなく切り捨て、自分たちの政への欲だけで動く。命を助けようと懸命に頑張っている人たちの最後の姿が、胸にとても響きました。人の強欲さがとても醜く思えた。