ぼくの宝物絵本 (MOE BOOKS)

著者 :
  • 白泉社
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本棚登録 : 402
感想 : 61
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  • Amazon.co.jp ・本 (129ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784592732563

感想・レビュー・書評

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  • ページを見開くと
    思わず目を奪われる
    ここは、なんだか変わった世界…

    (何だろう?)
    そっとささやく声に耳を澄ましてみる。

    「おや。なんだかおちておるぞ。おかしのえだ。」
    「うれしい。うれしい。」

    そうか。
    おかしのえをひろってよろこんでいたのか。

    おさらはおもった。
    「ぼくはなんてまるいんだろう。」

    そうか。それがおさらのほんとうのきもちだったのか。

    「さあ、まごよ、しごとはじめだ。
     せっせとはたらけ。」

    まごは、めいれいどおりせっせとはたらいている。このあとなにかいいことでもおこるのかな…

    小気味の良いひらがなの羅列と
    先の見通しがきかない不明瞭さってやはり、絵本の魅力なんだなぁと再認識したと同時に、
    穂村氏の(宝物絵本)というだけあって良く読み込まれている様子なのに、解説、評価的な言葉がない所、
    とにかくひたすら彷徨う事を楽しみ、気付いたあれこれを面白おかしく語りかけてくれるよな紹介の仕方がなんとも好ましく、どの絵本の世界にも触れたくなった本書は私の宝物絵本となりましたとさ。ちゃんちゃん。

  • マイエポックって言い方、古い? でもこの本で、穂村弘にはまっちゃったわたしです。なんというセンスいい言葉の選び方、使い方!に、ワクワクときめき、心をわしづかみ!でしたね。この人何物・・・?と、その後手当たり次第にほむほむの書いたもの読んでます。「ホムラー」になってしまいました。今は、『短歌という爆弾』読んで、歌人という表現者たちの、時間、想い、生命、感動を切り取る刃の凄さに圧倒されています。エッセイもおススメ。電車の中では、読めません。ニヤニヤした怪しい人に思われるからね。

  • 穂村さんの絵本についてのお話。私的でユニーク。そんな視点もあるのかと。こんなふうに思ってもいいんだなと。きれいごとじゃない。個人的な宝物を語るマニアックさ。穂村さんにとって絵本は特別なものなんだということ、宝物だということはとにかくたっぷり伝わってきた。絵本はおもしろい、この絵本が個人的にぐっとくる、それでいいのよ。

  • いまだ見たことのない独特な感性。しかし、それを万人にひらき、伝える表現力。ほむらひろし、おそるべし。死と笑い、そして、生きることまで絵本を通して、感じてしまった。

    ・絵よりも言葉の方が意味の縛りを直接的に強く受ける。
    ・「めでたし」への不参加
    ・死の未知性は恐怖の源であると同時にときめきの源でもあるに違いない。

  • ほむほむの絵本評論。会社の昼休みに絵本読んでるほむほむかわいい。表紙の赤ずきんちゃんがほむほむ。

  • 心に残る本、手放したくない本、というのは大抵絵本だ。

    タイトル通り、宝物絵本の紹介、なのだけど、文章は歌人らしいリズムでいて、つっけんどんなようで感情が出ていて、とてもよい。
    絵本の解説本ではない。宝物絵本のこと。「ねないこだれだ」の話にニヤリ。

  • ゆりかごから墓場までって絵本のことかしら。

  • 穂村弘の視点
    やっぱり好き

  • ここに紹介されている絵本が読みたくなるのはもちろんのこと、不穏な絵本を自分でも探して読みたくなる。絵本ってやっぱり面白いなあ。

  • ページをめくるたびに読みたい本が増えて行く。この本を傍らに片っ端から読んでみたい。

著者プロフィール

穂村 弘(ほむら・ひろし):1962年北海道生まれ。歌人。1990年に歌集『シンジケート』でデビュー。短歌にとどまることなく、エッセイや評論、絵本、翻訳など広く活躍中。著書に『手紙魔まみ、夏の引越し(ウサギ連れ)』、『ラインマーカーズ』、『世界音痴』『もうおうちへかえりましょう』『絶叫委員会』『にょっ記』『野良猫を尊敬した日』『短歌のガチャポン』など多数。2008年、短歌評論集『短歌の友人』で伊藤整文学賞、2017年、エッセイ集『鳥肌が』で講談社エッセイ賞、2018年、歌集『水中翼船炎上中』で若山牧水賞を受賞。

「2023年 『彗星交叉点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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