摩利と新吾: ヴェッテンベルク・バンカランゲン (第1巻) (白泉社文庫)
- 白泉社 (1995年12月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (297ページ)
- / ISBN・EAN: 9784592882015
感想・レビュー・書評
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木原さんらしい明るさもありながら、結構シビアなところもあると思います。
しまりんごや皆が楽しくわいわいやってるのが微笑ましくて・・・思い出すだけでぐっとなる。
読み終わったあと涙が止まりませんでした。数日間思い出しては泣きました。
生活に支障をきたした作品のひとつ。 -
全巻再読 文庫版は全8巻
主に明治末から大正初期の旧制高校を舞台にした青春もの
特に前半の出力の大きさだけで歴史的傑作といえるできばえ
卒業後は抜きというか余韻であって
本編外の作品や尺者の他作品をみても
本作出だしのみが特に魅力的であるのは明らかか -
いろんなひとたちの思いびとへの記録と懐かしい母校での記憶。
新吾が恋に目覚めるところで、そこまでうじうじ悪びれなかったから新吾のことがキライになれなかったし、やっぱり何度読んでも1番に好きだと思う。摩利はせつないというよりくるしい気持ち、なぜなら愛するものはいつだって苦しまねばならん、ということ。
紫乃さんが亡くなったところから最後にかけて、うおんうおん泣いた。しあわせな最初の頃が懐かしくて何回も見てしまう。すごい好き。 -
本作はLaLa昭和52年(1977年)の3月号に初掲載、
もう38年前のスタートになるんですね。
でも元々の
時代背景が明治~大正の旧制高校なんで、
今読んでも違和感は無くスンナリとお話に入り
込めます。
勉学に運動にストーム?に
愛すべき五目飯達が笑いに涙に真剣に生きてる
エピソードが綴られて・・・・・
あの時代の男子学生の青春群像を描いた
お馴染みの学園モノ?と最後まで読み進んで行くと・・・・・
明治43年からラストは太平洋戦争の戦後まで
長~いストーリーで
途中からガラリと内容が重くなります。
全て読み終わると・・・
スタートからは想像も出来なかった程の
胸が締め付けられるような切なさが。
舞台を欧州に変えてからは、
摩利の内面の苦悩がより深く掘り下げられてる感じで
多分、作者も書きながら
読者も読みながら共に辛さを抱えたのでは?
でもでも、それだからこその素晴らしい作品です。
その中で、
主人公たちが卒業するまでの
泣いて笑って、皆が悩みながらも輝いてた
持堂院時代!の1巻
読んでいて心置きなく楽しめました。 -
最初に読んだのは中学時代。プリンセス復刻A5版の本だった。とにかく木原敏江さんのキャラクターの掘り下げ加減が半端なく、序盤のドタバタ劇から、中盤の青年期の悩み成長から、最後の戦後を描くまで・・・まるで自分もそこにいたように摩利と新吾と、仲間と、その時代を生き抜いたかのような読後感に圧倒される。何度も泣いて泣いてよんだ「夕暮れ銀杏」の章。前半の話では圧倒的に好きな話だった。
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木原敏江さんの作品はいつも読後に清純な気持ちにさせられる。終わってからももっとキャラクター達を追いたくなる、そんな魅力と愛を感じる。
この摩利と新吾もそんな作品で、二人の青春期の成長を描いている。少年期から青年期への雰囲気、心情の変化など描写が細かく、人物描写の多彩さがすごい!
私の中でこの作品の盛り上がりのピークは新吾の成長だった。どんどん追い詰められていく新吾だったが、それを受け止めたくましく飛躍する新吾。それまでの人物描写が丁寧であったからこそ、一緒に見守り、涙することができたんだと思う。
というわけで私の中ではその後は割りと蛇足だったのだが(最後まで一気に読みましたとも)、彼らの最期を見なければ私はここまですっきりとした気持ちになれなかっただろう。
木原先生ありがとうございます。 -
木原敏江の不朽の名作。交わりそうで交わらない、恋愛のようで恋愛とは違う幼馴染みの少年ふたりの成長物語。・・・というのが何も知らない人向けの説明ですが、これじゃ全然!この壮大なスケールの漫画の良さは伝わらないですね(笑)。大正~昭和の激動の時代を生きた日独ハーフの美貌の鷹塔摩利。彼の親友であり密かな恋の相手でもある印南新吾。ある意味究極のファンタジーです。
木原先生は二人を決して「そういう関係」にしないと決めていたそうな。理由は「対等でなくなってしまうから」。男の友情が至高であるという考えも。・・・昭和の少女マンガの限界かもしれません。