ロングロングケーキ (白泉社文庫)

著者 :
  • 白泉社 (1999年9月1日発売)
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (348ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784592883586

感想・レビュー・書評

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  • イチ押しは「庭はみどり川はブルー」(1987年)。
    死ぬに死なれぬ魂が生者の身体に入って……
    というパターンのお話は多々あると思うけど、
    本来自分のものではない肉体を動かそうとしても
    思うに任せず歯痒くてイライラするとか、
    最終的にはやっぱり成仏する方向で、
    束の間、二人分の精神が
    ごにょごにょと入り混じる感じになりつつ、
    気づいたときには切り離されていて、
    結局、死者は彼岸へ消えていくという――。
    分離のタイミングは、
    遺された側(=身体の持ち主)が、
    亡くなった人の死を現実として受け入れた時点、
    なんですね。
    成仏できない死者の妄執を描きながら、実は、
    その死を納得できずにいた家族に気持ちの整理がついて、
    ずっと掴んでいたスカートか、エプロンか、
    そういったものの裾を放した瞬間、
    別れが訪れる……という物語。

  • 結末をよく考えると怖いよね、でも何なんでしょう、この幸福感は。表題作と「秋日子かく語りき」「水の中のティッシュペーパー」が大好きです。

  • ジギタリス・・・最後の女の子の「ああうれしい ほんとうよね ああうれしい 日曜日ね ええわかった 雨が降っても行くわ 雪が降っても行くわ 嵐でも 雷がなっても行くわ」ってとこが、なんかすごく好き。

    庭はみどり川はブルー・・・亡くなって長女に憑依した妻。

    ヤギの羊の駱駝の・・・きっと親の立場からみたら、とんでもない娘なんだろうけど、娘は幼いころから、殺された飼い犬を思い、心の何かに鍵を閉めてしまっている。子育ては難しい。

  • 表題作が名作だと思う。
    これに限らず、夢と現実、紙一重だけどたしかに現実というあの部分だけを掬っている。すごいなと思う。

  • 後期の大島弓子の方が好きですね、たぶん。いや、それは好き嫌いではなく、実際はむしろ読みやすい読みにくいの差なのかなとも思う。画が簡素化されたことで物語自体も無駄がどんどんなくなっていく、というか、さわーっと物語を流していく。こんな漫画を描ける人は大島弓子しかいないし、大島弓子しかこんな漫画を描こうとは思わない。と思う。少女漫画というよりかは、もう大島弓子自体が一つのジャンルというか。何しろ各話の登場人物の瞳の奥が澄んでいて、限りなく透明。(07/10/12)

  • 終わらないケーキ
    文庫なのが惜しまれる

著者プロフィール

栃木県生まれ。短大在学中に『ポーラの涙』でデビュー。昭和53年より「月刊ララ」に掲載された『綿の国星』は、独特の豊かな感性で描かれ、大きな反響を呼ぶ。『ミモザ館でつかまえて』『夏のおわりのト短調』『パスカルの群』など著書多数。

「2011年 『グーグーだって猫である6』 で使われていた紹介文から引用しています。」

大島弓子の作品

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