ケルト神話 黄金の騎士フィン・マックール[新版] (サトクリフ・コレクション)

  • ほるぷ出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784593101580

作品紹介・あらすじ

むかし、アイルランドはエリンと呼ばれ、エリンの王国をまもるためにフィアンナ騎士団はあった。騎士団長フィン・マックールは、未来を見通し、病をいやす不思議な力を持っていた。
イギリス児童文学の異才サトクリフがあたらしく語りなおした、ケルト神話の英雄譚。

感想・レビュー・書評

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  • サトクリフが語る、伝説。
    アイルランドの英雄フィン・マックールと騎士団の物語。
    全15章。古アイルランドの5王国略図有り。
    『夜ふけに読みたい数奇なアイルランドのおとぎ話』と
    『夜ふけに読みたい神秘なアイルランドのおとぎ話』で
    「クウァルの子フィンの物語」を読み、興味を持ったので、
    サトクリフ版を読んでみることに。
    古アイルランド=エリンの5王国とエリンの上王の関係と、
    その5王国のフィアンナの隊長を統括するフィアンナ騎士団の
    団長になった、フィン・マックールの物語で、
    騎士団の面々の話でもあります。
    後世のロホランと戦う等、矛盾もあるし、
    アーサー王伝説の香りもする、ごった煮的な感じで、
    英雄譚というより、おとぎ話や昔話な感じに読めました。
    狩猟の旅、冒険、ロホランや海賊との戦い、
    妖精族・・・ダナン族との関係など、ハラハラドキドキする展開も
    ありますし、騎士団の面々がなかなか個性的で楽しい。
    でもフィン自身は歳をとるにつれて、人間臭くなっていく。
    女性関係や嫉妬心、積年の恨みの深さ。そして、壮絶な最期。
    後日譚的な、常若の国から帰還する息子アシーンの話は、
    浦島太郎の如く。
    300年の時の流れは、新しい民を、新しい神を迎えていた。
    しかし、輝かしい過去の日々の物語は、
    昔話として、おとぎ話として、残されていくんだなぁ。

  • 不思議さ、美しさ、可笑しさ、愛、憎しみ、嫉妬、激しい戦闘、おどろおどろしさ等が全て詰まった英雄譚。また、読んでいるとまるで炉端で語られているようなそんな気持ちになってくる一冊。

    話一つ一つは短いが内容が濃厚で面白い。ジャンルはちょっと違うが中国の歴史小説、特に春秋戦国時代などが好きな人には水が合うのではないかと思う。そんな感じで登場人物がキャラクター性に富んでおり飽きがこない。特に私が好きなのはグラーニア王女。欲しいものがあれば周りを巻き込んでいく。話が進むたびにディアミッドのため息が聞こえた気がした。

  • サトクリフが書くアイルランドに伝わるケルト神話。神話らしい英雄伝、アイルランドらしい妖精族。興味深かった。

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著者プロフィール

イギリスの児童文学者、小説家。幼いときの病がもとで歩行が不自由になる。自らの運命と向きあいながら、数多くの作品を書いた。『第九軍団のワシ』、『銀の枝』、『ともしびをかかげて』(59年カーネギー賞受賞)(以上、岩波書店)のローマン・ブリテン三部作で、歴史小説家としての地位を確立。数多くの長編、ラジオの脚本、イギリスの伝説の再話、自伝などがある。

「2020年 『夜明けの風[新版]』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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