ケルト神話 黄金の騎士フィン・マックール[新版] (サトクリフ・コレクション)
- ほるぷ出版 (2020年2月21日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
- / ISBN・EAN: 9784593101580
作品紹介・あらすじ
むかし、アイルランドはエリンと呼ばれ、エリンの王国をまもるためにフィアンナ騎士団はあった。騎士団長フィン・マックールは、未来を見通し、病をいやす不思議な力を持っていた。
イギリス児童文学の異才サトクリフがあたらしく語りなおした、ケルト神話の英雄譚。
感想・レビュー・書評
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サトクリフが語る、伝説。
アイルランドの英雄フィン・マックールと騎士団の物語。
全15章。古アイルランドの5王国略図有り。
『夜ふけに読みたい数奇なアイルランドのおとぎ話』と
『夜ふけに読みたい神秘なアイルランドのおとぎ話』で
「クウァルの子フィンの物語」を読み、興味を持ったので、
サトクリフ版を読んでみることに。
古アイルランド=エリンの5王国とエリンの上王の関係と、
その5王国のフィアンナの隊長を統括するフィアンナ騎士団の
団長になった、フィン・マックールの物語で、
騎士団の面々の話でもあります。
後世のロホランと戦う等、矛盾もあるし、
アーサー王伝説の香りもする、ごった煮的な感じで、
英雄譚というより、おとぎ話や昔話な感じに読めました。
狩猟の旅、冒険、ロホランや海賊との戦い、
妖精族・・・ダナン族との関係など、ハラハラドキドキする展開も
ありますし、騎士団の面々がなかなか個性的で楽しい。
でもフィン自身は歳をとるにつれて、人間臭くなっていく。
女性関係や嫉妬心、積年の恨みの深さ。そして、壮絶な最期。
後日譚的な、常若の国から帰還する息子アシーンの話は、
浦島太郎の如く。
300年の時の流れは、新しい民を、新しい神を迎えていた。
しかし、輝かしい過去の日々の物語は、
昔話として、おとぎ話として、残されていくんだなぁ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
サトクリフが書くアイルランドに伝わるケルト神話。神話らしい英雄伝、アイルランドらしい妖精族。興味深かった。