かわいい子ランキング (ほるぷ読み物シリーズ セカイへの窓)

  • ほるぷ出版
4.09
  • (19)
  • (22)
  • (10)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 248
感想 : 29
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (386ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784593101894

作品紹介・あらすじ

生徒に送られてきた学校のかわいい女の子ランキング。みんなの憧れのソフィーが2位で、1位は地味なイヴだったことから騒動がおこる

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ある日、生徒たちに「かわいい女の子ランキング」が送られてきた

    え…、なんでわたしが1番なの?
    わたしが2番?信じられない!

    なんで…なんで…

    女の子には動揺がひろがり、男の子も女の子へのひやかしがひどくなっていく

    イヴは静かに詩を読むのが好きな女の子、突然1位になり、みんなの視線やメールの嵐に怯えている

    ソフィーは学校に君臨する女王だ。走ることと数学と、自分のためにメイクをするのが好き。なぜ二位になったのかわからない。

    ネッサはイヴの幼なじみで親友。ランキングには名前も入らなかったけど、舞台の上で自分が光っていることを知っている。

    3人はランキングをつくった犯人を追いつめるために同盟を組んだ


    ○3人は自分たちのまわりの変化や、家族との対話から、自分自身の外見について深く考えるようになる
    自分は何に心安らぐのか、自分は何者なのか
    ○男の子たちも“思春期”に振り回されているけど、少しずつ成長していく
    イヴのお兄ちゃんエイブがかっこいいというかイイヤツ。父ちゃんを越えている。ブロディもがんばれ
    ○登場人物の家庭環境を含む背景が描かれている。←それぞれの子たちの土台

  • 最近よく見たり聞いたりするようになったルッキズム(外見至上主義)。見た目だけで判断するのは良くない、そんな昔から言われているようなことが今も言われ続けているのは、なくなっていないからなんだろうな。自分はしない、そう思ってても、無意識な部分に表れてそう。
    役者のあとがきにあった、見た目で判断するのがよくないなら、おしゃれするのは悪いこと?これはいろんな考えがありそう。外見を着飾ることで生きやすくなる人がいたり、そうじゃなかったり。難しいなー。

  • ある日フォード中学の生徒たちのスマホにかわいい子ランキングが送られてきた。一位は、地味で目立たないイヴ、二位は学年一の人気者ソフィーだった。急に学校中から注目されるようになって戸惑うイヴと一番かわいい存在であるために日々努力していたのに二位になってしまったソフィー。誰かが勝手に作ったランキングのせいで、学校内の雰囲気が変わってしまう。どの女の子も多かれ少なかれ、小さな頃からかわいいことがいいことだと言われて育てられている。見た目だけで判断してほしくないと思いながら、自分も誰かを見た目で判断していることに気付かされる。誰かのためじゃなく、自分のために心地よいことは何か、考えたい。

  • 「見た目が可愛い」は正義なのか?
    ルッキズムを主題にしたヤングアダルト作品。
    年頃の女の子、男の子にも絶対読んでもらいたい。

    ランキングに入らなかった子、
    上位になってしまった子。
    上位になれなかった子。
    1番になれなかった子。
    ランキングを作った子。
    全員の気持ちが動くラストは必見。




    すごいものを読んでしまった。
    気持ちが落ち着いたらきちんとレビュー書き直します。

  • 中学校の生徒たちに、ある日送られてきたのは「かわいい子ランキング」。おとなしく地味目のイヴは、ランキング1位で注目を浴び、戸惑うばかり。外見も勉強も誰にも負けるもんかと思っているソフィーは2位で、怒り心頭。イヴの親友ネッサとともに、3人はランキングを作った犯人を見つけようとする……。ルッキズムをテーマにしたYA小説。

    冒頭部分だけ読んで、楽しみにしていた作品。やっぱり面白かった~!!
    イヴ、ソフィー、ネッサの3人が交互に語るので、3人の気持ちがすごくよくわかる。イヴが目立ちたくないのに注目されたり、いやらしい目で見られるのにげんなりしつつも、ちやほやされることになんとなくいい気持ちになってしまう気持ちもわかる。ソフィーは自信たっぷりで負けず嫌いでちょっといやな感じなのに、その裏にある引け目を隠すために必死なのだとわかると、応援したくなる。かわいい子ランキングとは無縁の外見だけど、自分のことが好きって胸をはって言えるネッサはほんとにいい!
    接点のなかった者同士が関わりあうことで、気づかなかった相手のよさに気づいていく過程もいい。相手の良さに気づくことで、自分の良さにも気づくことができて、ソフィーがメイクや衣装で生き生きとするところは読んでいて楽しかった。女子には絶対に読んでもらいたい。
    イヴのおにいちゃんのエイヴははじめから、1位になった妹を心配してて、人をランク付けするってことは、ものとして見てることだっていう説明に、かっこいいわ~と思った。エイヴにもいろんな過去があって、失敗から学んだんだな。誰かを傷つけて失敗するまえに、男子にも読んでほしい。
    そして、大人。作中にもいろんな大人が出てくる。イヴの父親の、なにが問題かわかってないところは問題。でも、絶対そう思う人多そう。ユー校長の、すべての女生徒を気にかける姿勢はすばらしい。大人にも読んでもらいたい。

    人に外見をどう見られるかをそんなに気にしなくていいこと、自分が気持ちいいと思える格好をすればいいこと、自分も人の外見だけで判断しないようにすること……(特に)ティーンに伝えたいことがたくさん詰まっている。

  • 誰が作ったかわからない「かわいい子」ランキングに振り回される中学生が主人公のYA文学作品です。

    そのランキングの1位になったのは、地味なイブ。学年の「リーダー格」で誰もが1位だと思っていたソフィーは2位に甘んじる結果になり、学年全体の「秩序」が乱れます。
    ランキングに載ったたことでイブは戸惑う一方、ランキングに載らなかったことで転校を考えるほど悩む子がいたり、「ランキングなんか気にしていない」という風を装って傷ついている自分を隠している子がいたりと、その影響は小さくありません。
    男子たちが「気が利いている」と勘違いしたコメントで、無自覚に人を傷つけている、ということもしっかりとえがかれています。

    ランキングが発表され、周囲の視線が変わったことで、「誰にどうみられるか」ということを意識したイブ。彼女の行動が変化したことは、良いことなのか悪いことなのか。はたまた、彼女は「変わった」のか、変わったように「演じている」のか。

    自分自身でも、自分が何者かを100%理解することはできないし、他人がどのような印象を持っているかということを完全に知ることはできません。他人について自分が抱いている印象も、実際にはその人の人となりとはかけ離れているかもしれません。

    「ランキングをつける」という行為は(その対象がヒトであれ、物であれ)一つの視点でのみ評価し順位付けをするものであって、ランク付けをしようとしている尺度(や、ランキングを作ろうとしている人の価値観)から外れている、それぞれの魅力については完全に無視しているものである、ということもメッセージとして伝わってきます。

    登場人物の大半が女の子ですから、女子は感情移入しやすいのではないかと思います。
    逆に、男子にも、自分たちの行動をふり返るきっかけとして(特に、「面白い」と思ってやっている女子への行動の大半が、単なる嫌がらせにすぎない、ということを自覚するきっかけとして)読んで欲しいと思います。

  • 生徒たちに突然送られてきた「フォード中学8年生かわいい子ランキング」。
    おとなしくて,詩や『ハリー・ポッター』が大好きなイヴが1 位,成績優秀,スポーツ万能、一番目立つグループの中心的存在であるソフィーが2 位だったことから,騒動が起こります。騒動に巻き込まれ,今までの学校生活が一変してしまったイヴとソフィー。イヴ,ソフィー,イヴの親友ネッサの3人は,ランキングを書いた犯人を探します。「見た目」ってそんなに大切なことでしょうか。様々な人種,宗教,家庭環境が描かれていることにも注目してみて下さい。

  • 「生徒に送られてきた学校のかわいい女の子ランキング。みんなの憧れのソフィーが2位で、1位は地味なイヴだったことから騒動がおこる

    わたしたちは、数字じゃない」

  • ランキングに振り回される女子たちの心情が丁寧に描かれていて、自分がどの立場にいたかによって見方は変わってくるのだろうが、どの子にも共感できる。きっと男子にとってもどこかに共感できる部分があると思う。
    ランキングかイヴのせいだと広まったあと、仮面を配るくだりが少しわかりづらい。イヴを非難する人が多いような書きぶりだったが、賛同者も多かったってことなのだろうか。

  • 顔や身体を他人に「評価」される謂れはない!ルッキズムの根深さ、残酷さ、この子たちの怒りと勇気よ。

全29件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

ブリジット・ヤング Brigit Young
米国の作家。ミシガン州で生まれ育ち、ニューヨーク市立大学シティカレッジで学ぶ。子どもたちにクリエイティブ・ライティングを教える仕事をしている。はじめて物語を書いたのは6歳のときで、人間の友だちがほしいモンスターのお話だった。日本で刊行されるのは本書がはじめて。

「2022年 『かわいい子ランキング』 で使われていた紹介文から引用しています。」

三辺律子の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×