おじいちゃん (海外秀作絵本)

  • ほるぷ出版
3.90
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本棚登録 : 430
感想 : 49
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  • Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784593501953

感想・レビュー・書評

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  • ジョン・バーニンガムさんの本は4冊目。
    たかだか4冊ほどでこんなことを言うと、正統派のファン(?)の方に叱られそうだが、本当にどの作品も温かくて子供の気持ちを裏切らないし、挿絵の彩色も素晴らしい。
    この一冊は酒井駒子さんの本棚にもあり(Pooka+を参照)「ボローニャに行ったとき偶然『おじいちゃん』の原画展をやっていて、それがとても素晴らしかったんです。こんなにいい絵があったのかと、はっとしました。それまでも知っていたけど深く絵本を見たことはなくて、あらためて絵本を読んでみたらすごく良かった」と述べている。
    おじいちゃんとやんちゃな孫娘の心の交流を描いた名作。
    バーニンガムと言えばコレ、と言う方も多いことだろう。

    「よくきたね げんきかい?」と、椅子の上で孫娘に両手を広げるおじいちゃんの絵で、話は始まる。この顔がとっても優しくて素敵だ。
    面白いのは、それぞれの会話にカギカッコがなく、ただ一行空けてあるだけ。
    なので、ここは少しの間をとって、読むと良いかもしれない。
    会話も会話としては成立してなくて、このあたりもバーニンガムさんが子供というものを熟知しているから描けたものだろう。
    ぬいぐるみで遊んだり海にお出かけしたり、歌をうたったり釣りに行ったり、時には喧嘩もしたりしている、らしい。
    終盤、顔色の良かったおじいちゃんが、白い顔で目もうつろになる。
    そして、いつもパイプが乗っていたサイドテーブルには、水枕や体温計、飲み薬が並ぶ。
    やがて、座るひとのいなくなった椅子を女の子が膝をかかえて見つめているラストに。。。
    よけいな説明がない分、いっそう切ない。

    思い出がありありとよみがえる頃に、この子も「死」というものを理解するだろう。
    4歳からとあるが、果たしてどうだろうか。もう少し年長向けのようにも思えるが。
    というのは、【ノアの箱舟」について語るページがあり、残念ながら日本の子供たちにはほとんどなじみがない。
    「世界の終わりを神様がノアに告げて、一種類ずつの動物を番で舟に乗せて・・」なんて説明していたら、面白みもないだろう。ということで、☆四つ。
    大人向けに、むしろ読んでみたい深い味わいの本。約4分。
     

  • 「よく来たね、元気かい?」〝虫も天国に行くの?〟「縫いぐるみのクマが女の子だなんて、知らんかったよ」〝お爺ちゃん、このお家も船になる?〟「こりゃ、素敵なチョコレ-ト・アイスクリ-ムだね」〝チョコレ-トじゃないわ、苺よ〟「釣れたら、晩ごはんのおかずににしよう」〝もし、クジラが釣れたら、どうするお爺ちゃん?〟・・・祖父と孫との関係は、会話が噛み合わなくったって、ちっとも不思議じゃないホノボノ絵本。作者は、映画「チキ・チキ・バン・バン」に登場した空飛ぶ自動車の設計者だそうな。翻訳は谷川俊太郎さん。

  • 図書館で手に取る。開いてみると、自分のやりたいこと目指すことが一冊の本になっていたのでドキドキした。黙読のための本。声を聴くために。

  • おじいちゃんとは会話がちぐはぐ。でもお互い気にしない。時にはけんかもする。女の子のペースに合わせておじいちゃんは遊んでくれる。やがておじいちゃんは病気になり、最後には主人のいない椅子が残される。せつない。楽しくやさしい思い出がいっぱいあるだけに。

  • 左のページと右のページで、見たこともないような関連性(構成)を持たせながら、進む作品。

    大好きなジョンバーニンガム先生の作品で、絵のタッチも、色合いもすべてが優しい。

    最後には少し悲しさがこみ上げる作品でした。

  • 「元気なころのおじいちゃんと孫娘のなにげないやりとり。老いとはなにかを考えさせながら、絵本作りの名手バーニンガムが、かけがえのない生についてすがすがしく描き出します。クルト・マッシュラー賞受賞作。]

  • 女の子がおじいちゃんに会いに来ました。二人の日常がちぐはぐでもあり、楽しくもあり、でも、よく見ると夏だったり冬だったり、お互いに自己ちゅうだったり。「むしも天国にいくの?」「おじいちゃんも赤ちゃんだったことあるの?」「もしクジラが釣れたらどうする?」谷川俊太郎さんの訳がいい。これは大人の絵本ですね。

  • 文と絵が、絶妙に絡み合っている。見開きごとに、少女とおじいさんの大切なワンシーンが描かれていて、ページをめくるたびに、積み重なっていく二人の思い出が深く深く自分の心にも響いてくる。

  • 谷川俊太郎さんが訳だというので、目に留まり
    ジョン・バーニンガムさん作というので、飛びつきました。

    これ、きっとこどもたちはピンと来ないだろうな。
    おじいちゃんと孫の、かみ合わない会話がリアルで切なくて。
    でもきっと、それでいいんだろうな。
    会話がちぐはぐだろうと、大切で大きな存在。

    ちいさなえほんや「ひだまり」さんセレクト、”10才までに読みたい、こころが豊かになる110冊”より。/ami

  • 谷川俊太郎さんが訳だというので、目に留まり
    ジョン・バーニンガムさん作というので、飛びつきました。

    これ、きっとこどもたちはピンと来ないだろうな。
    おじいちゃんと孫の、かみ合わない会話がリアルで切なくて。
    でもきっと、それでいいんだろうな。
    会話がちぐはぐだろうと、大切で大きな存在。

    ちいさなえほんや「ひだまり」さんセレクト、”10才までに読みたい、こころが豊かになる110冊”より。

  • おじいちゃんとの会話って噛み合ってるようで噛み合ってない感じ。
    でもだからなんだかいい感じ。

  • **********
    「敬老の日」「おじいちゃん」に。

  • 2017.4.12
    おじいちゃんとの何気ない日常の思い出の断片。 とこかチグハグだったり喧嘩もするけど、このふたりいいなあ。私はおじいちゃんの記憶がないから、孫とおじいちゃんの独特で唯一無二の関係がうらやましい。ラストではいつもおじいちゃんが座ってた椅子が空っぽに。ぽっかり穴が空いたみたいに。でも思い出はきっと永遠だ。ずっとともに。

  • 1歳9か月、10か月

    ジョンバーニンガムの本なので、選んでみた。
    おじいちゃんと、孫の女の子の話。
    ままごとしたり、うたうたったり、けんか?してみたり、
    はまべに出かけたけど、おちゃの時間にはもどろうとか、
    キャンディーの棒が必要とか、おじいちゃんにも赤ちゃんの頃があったの?とか、スケート、魚釣りとか、とってもやりとりが微笑ましい。そして、最後はおじいちゃん、お外にでられなくって・・・。何もコメントなく、ただ、ポツンと緑のイスがおかれていて。
    その意味が分かるかなぁ。

  • 終わりが寂しい。

  • さいごは、せつなくなる。こうして人は大きくなっていくんだ。

  • ページをめくって読んでいく、おじいちゃんが亡くなったんだな…空っぽの椅子がそう言っている。そして最後のページをひらく。しばらく身体中がしびれて動けなかった、ああ、そうか、そうだ。こうやって人は生きていくんだ。身体の中をサーっと風が吹き抜けた気がした。良い絵本。

  • UniLeaf では、この絵本に透明点字シートを挟み込んで製本した、ユニバーサル絵本を貸し出ししています。
    状況が「読みたい」になっている本はお貸しできます。
    「いま読んでいる」になっている本は貸出中ですが、ご予約いただけます。
    コメント欄に「貸出希望」と書いてください。
    (送り先の住所などはここに書かないでください。)

  • おじいちゃんは、孫をかわいがって先に行っちゃうの…
    エミール・クルト・マッシュラー賞

  • 大切な時間
    二人の時間

  • 対話でなく多声。噛み合わない対話のせつなさ。さらに噛み合わない相手を失うせつなさ。

  • リアルなかわいさ。

  • 『いつもちこくのおとこのこーージョン・パトリック・ノーマン・マクヘネシー』がなんとなく好きだ
    バーニンガムのこの絵本が目にとまったので、図書館で借りた

    いろいろな、おじいちゃんの思い出

    ファンキーなおじいちゃんの絵本かと思ったけれど、違った
    人って、人の記憶って、こうなんだよな、と思う
    何か特別なことばかりを覚えているわけではないのだ
    日常のささいな表情や会話が、心の深いところに染み込んでいたりする
    やっぱり、さびしくなってしまった

  • 2014.2月 市立図書館

  • 集団に読み聞かせするより、向き合って一緒に読むのに向いていると思います。

  • 息子がおじいちゃん死んじゃったの?って聞いてきた。最後は切ない。

  • 断片的だった

  • おじいちゃんと過ごした日々。それはとても温かいもの。読み終わったあと切なさが込み上げてきました。
    楽しいことも喧嘩したこともあるけれど、大好きでとても大きな存在。そのことだけはいつまでも覚えていたい…そう思える絵本でした。

  • おじいちゃんとの日常、そして別れ。

  • 何気ない毎日が、幸せなんだよね。

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著者プロフィール

ジョン・バーニンガム:絵  1936年イギリス、サリー州生まれ。ロンドンの中央美術工芸学校を卒業。はじめての絵本『ボルカ―はねなしガチョウのぼうけん』でケイト・グリーナウェイ賞を受賞、その後『ガンピーさんのふなあそび』(ともにほるぷ出版)で再度受賞をはたす。『いつもちこくのおとこのこ―ジョン・パトリック・ノーマン・マクヘネシー』(あかね書房)、『ねえ、どれがいい?』(評論社)、『ドライバーマイルズ』『ガンピーさんのサイ』(BL出版)など作品多数。2019年1月逝去。

「2021年 『パイロットマイルズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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