1993年のクリスマス: びっくりぎょうてん、ふしぎなお話

  • ほるぷ出版
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感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (33ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784593502189

感想・レビュー・書評

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  • 1993年の12/25
    社会で、世界でどんなニュースがざわめいていたのか。
    世界史の知識の記憶が、淡かったので、最後具体的な納得感は得にくかったけれど、改めて。
    この年の世間の出来事を学んでから再読してみたい。

    本著の内容・あらすじ:
    一言で言うならば、
    『12人の小さなこびとたちや世界中の子どもたちに年に一度だけ夢の世界を覗かせるトナカイとサンタクロースが登場人物の大人向け?とも呼べる社会科教本的ファンタジー絵本』
    と言ったところでしょうか。

    長い人間史から垣間見える、ニンゲンの強欲さ、支配や差別、取り締まりや国家警察まで。

    1000年前は、ただ生きられることが有り難く、明日の朝陽を拝めることの喜びが天にも昇る気持ちで、たわいない日々の営みが愛おしく、ただ、触れ合えることが至福であった…

    そんな時代だっただろうか、
    1324年の、平和でのんびりしたクリスマスの日からイマに至るまでのクリスマスの日を取り巻く社会の変遷やひとの欲についてサンタクロースたちの立場から日常を描いたファンタジーストーリーです。

    年ごとに膨らむおもちゃという名の、一つの国を奪い自国の手柄にするための核を備える、軍事基地や食べるための動物収容施設は増えていく一方。

    しまいには、夢を運ぶソリを引いてくれるトナカイちゃんも、税関で税を取られる上に、食料と称して、没収されてしまう空港の検査場。

    それらが積み重なり、クリスマスはだましあって欲を満たす夜に変わってしまった。

    そのおかげで悲しくもサンタクロースは大忙し。トナカイは減るのに、年老いるばかりのこびとはヘトヘトで。。

    毎年のクリスマスの出来事を、社会情勢と比喩でユーモアに描かれた絶妙に深い絵本です。

    ------------

    感想(個人的主観の解釈):

    さらっと読んだだけだから、正しい解釈になれてるか自信ないですが、一個人としては、
    小6くらいで、おはなしのろうそく会で読み聞かせを聴けていたら、30年経ったいま、世界を観る目が変わっていたかもしれない。
    ちょっと小さなお子さんには理解が難しいかもしれませんが、ぜひ、親御さんの解説と併せて、地球儀と、名作「MAPS」を片手に一緒に読んでみていただきたいです。

    かなり、社会の情勢が、比喩的に書かれていて核心をつきつつも、絵本だから愉しく読める。
    深いい.読み応えある絵本でした。

    出逢えて良かった!
    ぜひ全国の図書館すべてに話題コーナーにおいてほしいな。

    いま戦ってる二つの国について。
    自分だったら、どんな社会がいい?貢献していきたいか。
    その人なり、正確はない、自分の答えについて考えさせられた。

    きっと、今こそ
    人間はピラミッドの最下層であり、地球を耕してくれる動植物や大地、自然の恩恵の上に生かされていること。
    その真実に目覚めて、感謝を手向ける方法を、一人ひとりが自分にできる範囲でBestを尽くして実践していくこと。

    これが100年後もこの地球で住まわせてもらう、最低限の義務なのかもしれない。

    いろいろ自分自身の欲について恥ずかしくもなり、信念や胸に秘めた熱い想いを、手が届く身近なひとから幸せを与え合えるように、生き方を見直していこうと思えました。

    気づきをありがとう!
    皆さんはどんな感想を持たれたでしょうか。胸熱。

  • サンタさんって、本当にいるの?
    子どもにそう聞かれたら、この本を読み聞かせるといいです。
    サンタさんは、いますよ。
    でも、いい子にしてるだけじゃ、もう、来てくれないかも。
    大人も一緒に考えないと、サンタさんがずっと来てくれるように。

  • 1993年を最後に、サンタクロースはプレゼントを配るのをやめた。
    それは何故か?
    すべてはこの絵本の中に書かれています。

    ル・カインの繊細な絵とブリカスのシニカルな文章が、サンタの悲哀を丁寧に描き出します。

  • あはは、うふふ、なんて、面白く読めるけど、でもなんか考えさせられる。深い。

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