- Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
- / ISBN・EAN: 9784593504237
感想・レビュー・書評
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子どもの頃アーサー王の物語が好きで好きで、何度読んだか分からない。
単なる伝説で実在の人物ではないと知ったときの、その悲しさと言ったら(笑)。
それでも永遠のヒーローとして記憶の中にはずっと残ったままだったから、ファイナル・ファンタジーに「エクスカリバー」が登場したときは「知ってる~!」と叫んだものだった。
この本は、アーサー王に関する数々の伝説のプロローグにピッタリ。
挿絵は、これがデビューだったというル・カインによるもの。
何故か癖になる不思議な魅力をたたえていて、見ようによってはトランプの絵のよう。
ケルトの模様がふんだんに入り、色彩もポップで楽しく、なんとなくユーモラス。
中世のファンタジーの雰囲気をたっぷり漂わせたル・カインの絵を堪能するので、「エクスカリバー」が見つからないまま終わる中途半端な感じでも全く気にならない。
今回アーサー王はさほど強くもなく、大切な「エクスカリバー」を悪役モルガンに盗られてしまうというちょっぴりお間抜けさんの役どころ。
そのモルガンの絵も、これまた面白いのだ。
「エクスカリバー」をゲームでしか知らないお子たちには、これが元の話だと知らせてあげたいなぁ。
そして、こんな魔法の剣があったら良いよね!と、一緒に欲しがりたい。
アニメよりもゲームよりも、やはり原作なのだ。
想像力をいっぱい広げて、楽しんで読んでくれたら嬉しい。
高学年くらいから。約8分。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「イメージの魔術師」エロール・ル・カインが初めて手がけた絵本
イギリスで古くから語りつがれてきたアーサー王伝説
5~6世紀のブリトン人(字を持たない民族ケルト民族の一種族)の英雄がモデルといわれている
お城やファッションは中世風のもの
ケルト文様(曲線がうずまく)も取り入れている
アーサー王の剣の有名なふたつのエピソード
①少年だったアーサーが誰も抜けなかった剣を石から抜いて王の世継ぎと認められた話
この絵本で描かれた②魔剣エクスカリバーの話 -
エロール・ル・カインが27歳の時に初めて手がけた絵本だとか。
これまで読んだ作品とはかなり絵柄が違うので、著者名を見て初めて「ル・カインだ!」と気づきました。
タイトルは『アーサー王の剣』ですが、岩からエクスカリバーを引っこ抜くお話ではなく、様々に姿形を変えながら王を守る魔剣・エクスカリバーのお話。
神秘的な湖の姫君や悪い魔法使いや魔女も登場して、まさに王道ファンタジー。
アーサー王といえば円卓の騎士!と思っていたのですが、それ以外にも様々なバージョンの伝説(アーサー王伝説群)が残されているのですね。そちらの方も本腰入れてじっくり読んでみたいものです。 -
エクスカリバー!!と思い手に取ったけど、はからずも親子ともエロール.ル.カイン氏の絵に惚れ込んでしまい(なんと偶然、昔買ったキャッツの絵本もこの方の著作でした)、同氏の本を予約しあさりました。
この中世感というか、怖いところは怖いし、なんとも魅力的な絵がすっかり気に入ってしまった。 -
ながらく待っていたル・カインのデビュー作待望の日本語訳。内容はアーサー王伝説のツボを抑えつつもル・カインのオリジナルストーリーになっている。傘になったり、木陰になったり、盾になったり、とサイズ、大きさを変える魔法の剣エクスカリバーが、美しい色とポップな線で描かれていてかわいらしい。エクスカリバーを盗む、悪役モルガンの絵が笑えて楽しい。<br />
ル・カインのイラストの美しさを堪能してほしい1冊。ディープなアーサリアンならよりいっそう楽しめることうけあいの絵本。