四丁目の夕日 (扶桑社文庫 や 4-1)

著者 :
  • 扶桑社
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本棚登録 : 406
感想 : 53
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  • Amazon.co.jp ・本 (175ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784594028381

感想・レビュー・書評

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  • 結果だけみればただの悪人なんだけど、経過をみると理不尽の連続で一度転がってから落ちていくスピードの速いこと速い事。
    誰にでも起こり得る不幸への入り口は割と身近にあるんですよって警鐘って事で読むと良いと思います。

  • 救いも助けもないただただ鬱屈とした不運の積りに積もった不幸の坩堝を最後の最後で呆気なく台無しにしてしまうエンドには漫☆画太郎のトラックオチとしての近さを感じて、えーとなりながらも思わず苦笑い。
    然し、作者の何においてもせせら笑う一貫としたシニカルな姿勢が悪趣味とも底意地の悪さが最悪とも才能とも言える。あと、目。目なの。キチガイの目。此れの描写の克明さが素晴らしい。虚ろな目だったり、何処にも据わってない目。これが画面から伝わる迫力と淀んだ風景や小汚いおっさんおばさんと漂う仄暗い底の底は一度覗いたら忘れられない。

  • なるべくしてなった不幸、としか言いようがない。
    まずは父親の、それも怪しい金融業者からの借金。そしてちんぴらの溜まり場を待ち合わせに指定する女。そして主人公が選ぶ仕事場。家族の団結の方向も誤っているし、これで不幸にならない方がどうかしている。危険予知能力が低すぎる。これは時代背景とは無関係だ。
    学ぶべきは、貧困は人を壊す、という事実。借金は不幸の芽。

    本当の不幸は、幸福でも不幸でもなく中庸に生きて、したいことも出来ずに、かといってしたいこともわからないままに死んでゆくこと、ではないだろうか…

    けれど、破滅してゆく人間はこの物語の主人公のように、つい悪いほうを選んだことが積み重なってそうなるんだとリアルに実感させられる。

  • あとからあとから心に沁みる。
    ありえないくらい不幸続き、
    見てられないくらい悲惨な筋書き。
    絶望と楽観って、こんなにも紙一重。
    ナットを投げて、波紋の中に
    幸せだったあのころを思い出すたけしが
    どうしても忘れられない。
    傷つくように感動するんじゃない、
    感動するみたいに傷ついてるんだとわたしはおもう。

  • 山野一氏の作品『四丁目の夕日(1999)』の文庫版を読了。

  • 衝撃的

  • このマンガが描かれた80年代半ばといえば、日本経済はバブルの入り口、世界史上まれに見る同質化社会が完成期~爛熟期に達しつつあったとされるころである。しかし、ここで描かれる世界は究極の「天国とウルトラ地獄」(ほぼ99%地獄側しか描かれないが)。
    「この世には2種類の人間、奉仕する人とされる人しかいない」なんていう台詞を財閥御曹司に吐かせてみたりするあたり、そもそも「平等幻想」を逆手に取ったリアリズムなのか。
    あとがきで根本敬に「ハンパじゃないな」と言わしめる嗜虐趣味全開の作品世界の中で、あえていえば、犯罪者の処遇という点で20年という歳月を感じてしまう。

  • うへあ

  • 果てしなく続く不幸に続く不幸!努力と結果は無関係に、ただ理不尽に流されてゆく。

  • 最高。

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