どぶどろ (扶桑社文庫 S 12-1 昭和ミステリ秘宝)

著者 :
  • 扶桑社
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感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (492ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784594032883

感想・レビュー・書評

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  • いにしえの名作なので、読んでおこうと思って。
    途中で少し飽きてしまった。
    丁寧な書き方をしているのだろうと思う。
    1冊の本の中でのつながり方が面白くて、こういう構成なのか、という驚きがあった。

  • 宮部みゆき「ぼんくら」の原型。

    一見無関係に見える複数の短編とそれに続く長編で一つの物語を成す。

    宮部みゆきに比べてハードボイルド感が強く、シビアな結末となっているが、宮部みゆきによれば主人公は幸福だったとのことだ。

  • 何も知らなければ、幸せなままでいられたのだろうか。
    社会の裏側を知ってしまった平吉の結末がなんとも切ない。
    小さな幸せでさえも、その陰には誰かの犠牲があるのかもなぁ。

    「しあわせになる為には、いろんなことから目をそむけなくては・・・見て見ぬふり・・・」

  • 半村 良氏は自分はSFしか読んだことが無かったのでへえ、時代物も書かれるんだ~と思い購入。読み始めたらとりえず最後まで一気読みでした。面白かったです。

    途中まで短編集かと思ったんですがそのつもりで「どぶどろ」を読み始めたらなかなか終わらない(笑)なるほど、こういう仕掛けだったんだ、とその後気が付きました。

    政治や世の中の暗く薄汚い面を覗き込んでしまった、首を突っ込んでしまった。その汚さに心底嫌気がさすのと同時に自分の無力さをイヤってほど痛感する主人公にはこういう結末しか残っていなかったのだろうか。何事も無かったかのように生きるわけにもいかず。はたして無知のまま生きていた方が幸せだったのだろうか。色々と考えさせられます。力強いお話だと思いました。

    この頃東京の地理に前よりは明るくなったのでその辺りも読んでいて楽しかったです。

著者プロフィール

1933年東京都生まれ。都立高校卒業後、紙問屋の店員、板前見習、バーテンダーなど様々な職業を経験した後、広告代理店に勤務。62年「SFマガジン」第2回SFコンテストに「収穫」が入選。71年初の単行本『およね平吉時穴道行』刊行。73年『産霊山秘録』で泉鏡花文学賞、75年「雨やどり」で直木賞、88年『岬一郎の抵抗』で日本SF大賞受賞。『石の血脈』『戦国自衛隊』『妖星伝』など著書多数。2002年逝去。

「2023年 『半村良“21世紀”セレクション1 不可触領域/軍靴の響き 【陰謀と政治】編』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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