ボクらの時代 日本人なら「気品」を身につけなさい

  • 扶桑社
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感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (165ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784594055745

感想・レビュー・書評

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  • またなんとも濃いメンバーの対談ですが、
    納得のゆく組み合わせだなとも思うのです。

    美輪さんの本を読みたいなと思ったのは、
    思いもかけないきっかけ。

    「花子とアン」のナレーションのお話のなさり方が
    とても綺麗で、それを文字で味わいたかったからです。

    ロマンティック音楽会に、一度行ったことがあるのですが
    その時のお話のされ方も綺麗で、難しいことはないのに
    自分より若い観客にも、とてもきちんとお話をされていました。

    久しぶりにお声を聞いて、ああ、文章で読みたいと思い
    この対談を読みました。

    決して悪い内容ではありませんが、瀬戸内さんと美輪さんの
    既出の対談とかなり印象が重なります。

    平野さんは、たぶん楽しく聞き役に回られ
    賢いもてなし役
    というところでしょうか。

    既出の対談をお読みの場合は、もしかしたら
    「知ってるお話」だなとお思いになるかもしれません。

    場の空気はきっと良かっただろうと伝わったので
    星を3つにさせて頂きます。

  • 平野さんがおふたりにのまれている感じだったが、おもしろかった。婦人公論の美輪明宏・瀬戸内寂聴・藤原竜也の対談も書籍化されないかな〜読んでみたい!

  • 鼎談集。テレビ番組の書籍化かな。
    鏡のくだりが印象に残った。自分の好きなことをする。一生懸命する。時機は流れるもの,雄時雌時と心得て,良い時はおごらず,悪い時は僻まず,自分の生に向いあうこと。

  • 美輪さん、寂聴さん、平野さんの楽しげなおしゃべりが、目の前で繰り広げられているような対談本です。読むのには30分もかかりません。

  • 遡ること5年前の、フジテレビ「ボクらの時代」の鼎談を書籍化したもの。新品はどこにも売ってなくて、amazonで中古を購入。

    そもそも、この鼎談のきっかけが面白い。
    プロデューサーの塩田千尋が瀬戸内寂聴に話を持ちかけた時に、「美輪明宏さんが平野啓一郎さんのことを気に入っている」ことにヤキモチを妬いて、じゃあ一緒の場で話しましょうと言うことで決まったという。

    内容は対談なのでサクサク読める。しかし、中身は示唆に富む話ばかり。現代の政治家のダメ出しに始まり。「気品」を身につけるための必要条件について、放談らしく全く説教じみずに話が展開する。自然体こそ素敵である、鏡を見れないような役者はダメだ、不良じゃない作家なんて魅力ない、芸術家は寂しくないとダメ、と孤高な存在ならではのお言葉。

     勘であったり、畏怖であったり、「目に見えないものを信じる」ことの大切さを説く。そして、その話は、終章「スピリチュアルな話」でクライマックスを迎える。美輪さんの「見えるもの=お告げ」の話。ご啓示は素直でないと下りては来ないと。

     霊感(inspiration)って本来キリスト教用語で、仏教では「無記」として扱うなんて書かれているわけだが、あまりこの辺をツッコミすぎると自分自身が怪しげな者として認識されかねないという小人の打算的判断により、「目に見えないものを信じられるように気品や美意識を磨きましょう」ということを落とし所とすることにした。

  • 動画で3までみた。続きがみたい。

  • 瀬戸内寂聴さん、美輪明宏さん、平野啓一郎さんの鼎談。
    興味深かった。
    レビューはのちほど!

  • 瀬戸内さんと美輪さんがとても人生を楽しんでいらっしゃるのがよくわかった。
    とくに瀬戸内さんはとてもかわいらしくて素直で、いいことをたくさんおっしゃっていた。

    三人の会話が絶妙だけど、やっぱり瀬戸内さん、美輪さんの会話は格が高いと思った。
    リズムがあり、具体的で、教養が垣間見れる知的な対談になっている。

    個人的におもしろいと思ったのは、お客さんはこれは分からないだろうと思ってレベルを下げると、お客さんは馬鹿にされていると思う・・・というあたり。

  • 瀬戸内寂聴の著書かと思いきや、美輪明宏と、作家の平野啓一郎の3名による対談集。
    強烈に迫力のある面々です。フジテレビ『ボクらの時代』のトークをまとめたものとのことです。

    「美しいものと天才がすき」という瀬戸内氏が、美しい美輪氏と天才平野氏を読んだとのこと。
    瀬戸内氏は85歳、美輪さん71歳、平野氏30代という、不思議な取り合わせ。
    平野氏はおとなしめでしたが(まあ当然ですね)、瀬戸内氏と美輪氏の明るさと元気さには圧倒されます。
    この二人がこんなに仲がいいとは思いませんでした。
    年齢も性別も超えている二人。
    思ったことを歯に衣着せずにバンバン言っていくのが、健康の秘訣でしょうか。

    その二人に気に入られたという平野氏は、新進気鋭の芥川賞作家なのに、荒波の上の木の葉のように二人に言葉上でもみくちゃにされている感じ。
    この人の本を読んだことはありませんが、一筋縄ではいかない二人の眼鏡にかなうのですから、魅力のある人なんでしょうね。
    美輪氏が平野氏をかわいがる様子にジェラシーを隠さない瀬戸内氏。
    ある意味、愛の修羅場を見てしまった感じです(笑)。

    美輪氏を中心にして、それぞれの美学が展開されていきます。
    ヨーロッパは見られることを意識する社会なので、部屋に大きな鏡があり、人は常に鏡に映し出された自分を客観的に見ているとのこと。
    ただ日本では、鏡を見ることは自意識過剰と思われ、品がないことだと取られるため、鏡が少ないのだそうな。
    コクトーの「オルフェ」を引き合いに出しながら、鏡の必要性を解いていました。

    また、節分の日に、老女が島田結いにして若い時代を追憶し、60、70代の人が若い娘に化けて町に出るという風習が、今でも関西の花街に残っているそうです。
    二人は「節分のお化け」は怖かった、と話していました。
    ハマのメリーさんのような感じになるのでしょうか。
    この二人は、どれだけ年を重ねても、いつまでも変わらなそうです。

    能楽の話がよく出ると思ったら、瀬戸内氏は世阿弥の本を出していました。
    作家の平野氏は当然ながら、3人とも著作を出版しており、やはり社会にもの申したいことがたくさんある方々なんだと思いました。

    トーク番組なので、話もひとところに深く留まらず、深いことを言っていながらもゆったりと流れていく感じ。
    それぞれに強烈な個性を放っていながらも、トーク上ではお互いうまく緩和し合ってまろやかなものになっていて、味わい深く読みやすかったです。

  • 瀬戸内寂聴と美輪様の並びなんてゆーたら、なんかもう人間というよりかは狐狸物の怪の類(褒め言葉)じゃねえかって感じで思わず借りてしまいました。もっともそんなけったいな対談ではなく結構至極まともなことを話されていました。こういう人達のほうがぶれないから真っ当な心持でいるのかもね。うらやましいです。

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著者プロフィール

1922年、徳島県生まれ。東京女子大学卒業。63年『夏の終り』で女流文学賞、92年『花に問え』で谷崎純一郎賞、11年『風景』で泉鏡花賞を受賞。2006年、文化勲章を受章。2021年11月、逝去。

「2022年 『瀬戸内寂聴 初期自選エッセイ 美麗ケース入りセット』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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