散歩もの (扶桑社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (127ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784594060800

感想・レビュー・書評

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  • 今さら「孤独のグルメ」を買うのも恥ずかしい気がした。けれども、谷口ジローの作画を手にしたいという欲望がふと湧いて、文庫本にしたらその魅力は半減することを知りながらも、同様の作品を買ってみた。「こういう」散歩が大好きだということも買った動機の中にある。

    ここにあるのは、健康のための散歩ではない。近所や仕事先からの帰りなどの近めのお出かけではあるが、すべて「発見」を愉しむ散歩である。そういう意味では、私の日帰り旅や一人旅先で行う「散歩」とほとんど同じだ。

    後書きで、原作者は三つの決め事をしたと書いている。
    (1)調べない
    (2)道草をくう
    (3)ダンドらない
    私が旅先で厳密にそれを守るのはむつかしいが、しかし私は大まかにそういうことをしている。久住さんはそのことを「日常生活の隙間」だと言っている。私は「生きていることの実感」だと言いたい。

    文庫本の絵からも、谷口ジローの画力はひしひしと伝わってくる。久住さん曰く、一コマに一日かけているコマがかなりあるという。日本の職人技と芸術作品は、紙一重のものがかなりある。思うに、谷口ジローのマンガ(原稿ではなく)単行本はその類だろう。そして、第五話の真夜中散歩の画は、文庫本にしたら潰れてしまうような画が、谷口ファンの印刷屋の頑張りにより、かなり残っているらしい(部屋の灯りの微妙な表現が素晴らしい)。思うに、それも印刷屋の職人技だろう。
    2014年10月22日読了

  • 孤独のグルメのコンビによる作品。ちょっとした隙間時間に立ち寄った知らない街。魅力的な店など新たな発見の喜び。ちょっとした偶然、セレンディピティを描いたマンガ。

  • 飯を食わない(でもたまに何か食うけど)孤独のグルメ。飯という焦点が無い分、主人公の人間関係や過去にまつわるあれこれなども描かれていて、そこが評価の分かれるところかもしれない。

  • この前受講した“動画クリエイター”で作った、家の近くの“路地裏”の動画を友達に送ったところ、「谷口ジローの“散歩もの”の世界ですね」と、コメントがあったので、早速Bookoffで取り寄せる。
    “孤独のグルメ”の風景編、散歩とは生活の隙間・・・で、久住さんは、散歩のための決め事として、①・前もって、調べない。②・道草を食う。(積極的に横道にそれる)、③・ダンドらない。(時間を限らず、のんびり歩く)。

    今散歩している、30分コース、1時間コースとほぼ10コースほどはあるんですがどうしてもお決まりのコースを歩いてしまう。
    この、②の道草と③の時間を決めずを、実行するのは難しおます。

    散歩本来の気分で「あっちへふらふら、こっちへふらふら」へと、歩かんとあきまへんな。

  • まぁまぁですかね…やはり散歩が主題とあって少々退屈を覚えますが、これが良いのかな…社畜死ね!!

    ヽ(・ω・)/ズコー

    なんかあとがきで二人で散歩するために人は結婚するのかもしれない…みたいなことを述べられていて素敵だなぁ…(´∀`)…と思いましたねぇ…フフ…社畜死ね!!

    ヽ(・ω・)/ズコー

    まあ、この主人公は結婚してはいますけれども、夫婦揃って散歩する、なんてシーンは無かったように思え…あっ、あったか! まあ、ネタバレにもなりますからこの辺で止めておきますか…社畜死ね!!

    ヽ(・ω・)/ズコー

    僕は毎日決まったコースを歩くウォーキングというものを趣味にしているので、この主人公のように街歩き、とでもいうのか、変わった店があるなぁ…とかそんな感慨を覚えながらの散歩、はしたことがないので、この作品を読んだことをきっかけにそうした散歩をしてみるのもいいかもしれないなぁ…などと思ったのでありました…。

    さようなら…。

    ヽ(・ω・)/ズコー

  •  文庫版ではマンガは苦しいということを実感した。目が老化するのは、もうどうしようもないのか。
     え?マンガはどうかって?それは、谷口ジローさんですから。小説のテイストですね。

  • この作・画コンビは癖になる。「孤独のグルメ」のようなストーリー展開であるものの、文房具メーカーの営業部長が『散歩』している中での発見という設定。あとがきを読めば「通販生活」連載ということで執筆された由。そんな制約があっての物語ということを思うと、また趣き深い。

  • 孤独のグルメのコンビによるあてのない散歩マンガ。
    ドラマとしても少し中途半端な印象があるが、これはこれで良い。
    描き込まれた絵が魅力。

  • ただただ散歩してるだけの話なんだけど、なんか良い。息抜きになるような。
    後半は原作者久住さんのエッセイ?になっているのだけど、谷口ジローさんの原画に対する感想がすごく面白かった。原画はスクリーントーンが緻密に貼り重ねられていてものすごく重量があるんだとか(内容の重みだけでなく、文字通り原稿そのものの重量が)。「この一コマでたぶん一日仕事」と久住さんが評するほど絵が緻密で、文庫で読むのはもったいなかったかも。

  • 散歩の醍醐味は、迷子にあり。

著者プロフィール

1958年生まれ。マンガ家/ミュージシャン。美学校出身。滝本淳助とは、『タキモトの世界』や「東京トワイライトゾーン」(「タモリ倶楽部」内のコーナー。1989年に日之出出版から書籍化)などでコンビを組んだ。

「2015年 『滝本夢絵日記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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