吉田茂の見た夢 独立心なくして国家なし

著者 :
  • 扶桑社
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (309ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784594061784

感想・レビュー・書評

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  • 2014.09.13
    現代の日本国民は「心」よりも「モノ」、「誇れる国家」よりも「幸福な自分」、「筋の通った生き方」よりも「満ち足りた今」になっている。
    進むべき方向を示せば心は一つになる、心が一つになれば力になる。国家のリーダーとして具体的な将来の夢を掲げることは何よりも大切なこと。将来への希望を与えられなくて、何の為に働くのか。

  • 【読書その50】吉田茂、戦後、内閣総理大臣に就任すると、強力なリーダーシップ、国内外に豊富な人脈を駆使し、戦後の復興の礎を築いた。天邪鬼で気分屋、大胆な物言い、非常に難しいところの多い人物像であるが、人を惹きつける魅力がある。その吉田茂総理のサンフランシスコ条約締結後から天に召されるまでを書いた本。
    その中では総理の座を目指した数多くの政治家の物語。政治とはかくあるものかと感じさせる。その中で吉田は講和条約後の日本の完全独立を目指し奔走する。また、本書を通じて感じたのは吉田の人間性。米駐日大使ジョゼフ・クルー、吉田学校の生徒である佐藤栄作や池田勇人との親交。特に心に残ったのは佐藤栄作との親交。人間関係の機微に鈍感な佐藤を陰ながらサポートして支える吉田。それに応え、実直に吉田を慕う佐藤。吉田の国葬の葬儀委員長である佐藤の弔辞は本当に感動的。思わず目にこみ上げるものがあった。やはり、人の価値はその人間性が決める。

著者プロフィール

昭和35年12月24日愛知県名古屋市生まれ。東京大学法学部卒業後、富士銀行入行。資産証券化の専門家として富士証券投資戦略部長、みずほ証券財務開発部長等を歴任。平成20年6月末でみずほ証券退職。本格的に作家活動に入る。
著書に『白洲次郎 占領を背負った男』(第14回山本七平賞受賞)、『福沢諭吉 国を支えて国を頼らず』『吉田茂 ポピュリズムに背を向けて』『佐治敬三と開高健 最強のふたり』(以上、講談社)、『陰徳を積む―銀行王・安田善次郎伝』(新潮社)、『松下幸之助 経営の神様とよばれた男』(PHP研究所)、『西郷隆盛 命もいらず名もいらず』(WAC)、『胆斗の人 太田垣士郎―黒四(クロヨン)で龍になった男』(文藝春秋)、『乃公出でずんば 渋沢栄一伝』(KADOKAWA)、『本多静六―若者よ、人生に投資せよ』(実業之日本社)などがある。

「2022年 『稲盛和夫伝 利他の心を永久に』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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