- Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
- / ISBN・EAN: 9784594065614
感想・レビュー・書評
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本書は注目の論客たちによる鼎談形式で縦横無尽に語りつくされる日本近現代史です。東アジア共同体構想、尾崎秀実、戦争責任、笠原和夫、安保、沖縄問題、東日本大震災、原敬、TPP、平沼騏一郎…。面白いです。
本書は鼎談による日本近現代史の検証です。論客となっているのは東京大学大学院人文社会系研究科教授の加藤陽子女史。文芸批評家であり、慶応義塾大学環境情報学部教授の福田和也氏。そして『外務省のラスプーチン』こと作家の佐藤優氏です。
尾崎秀実問題から東アジア共同体構想というものを考察するというテーマから始まって戦争責任にいたる問題や、佐藤栄作内閣の頃の安保、沖縄問題。さらには原敬による政党内閣や東日本大震災。そしてTPP…。本当に一冊の中にこれでもかといわんくらいの様々なテーマを詰め込んで語られたもんだなと、読みながら非常に知的な刺激を受けました。
『過去と現在はつながっている』この当たり前のことをこのような形で突きつけられると、ウーンとうならざるを得ませんでしたし、また、これから自分たちがどうしていけばいいかといういくばくかのヒントが彼らの語られている内容から掴み取っていければな、と思いながらこの記事を書いております。特にTPPに関する問題は賛成反対云々は別として、一国の浮沈を左右する問題なだけに一人ひとりが考えなくてはならない問題なのではないのでしょうか?
しかし、賛成派の佐藤優氏は日本語を『悪魔の言語』とし、これが障壁となっていくだろうということをおっしゃっていたのはとても印象に残っております。そんなに堅苦しい本ではございませんし、さらりと読めて啓発するところが大である。本当にいい本であると思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
正直面白くなかった…。
自分の知識が及ばずというのが主な原因ではあると思うけれど、知識がなくても『戦争と日本人』は同じ対談でも面白く読めた。これ何が違うのだろう…と考えると、1つ目は佐藤優と福田和也をよく知らないくて、この2人ばっかり喋ってて加藤先生があんまり喋ってないと感じたこと。2つ目は市民の話がないこと。だと思った。
『戦争と日本人』はタイトルの通り、日本人っていうくらいだから庶民の話がたくさん出てくるから、イメージできるし頑張っても読める。知らない思想家や作家の名前もたくさん出てきて難しいけど読める。でも『歴史からの伝言』は政治の話で政治家と官僚の話ばーっかりなんで、ちんぷんかんぷんだった。
あと個人的に佐高信の文章というか言葉はわかりやすい。
そして対談はやはり一対一が良いな。
図らずも民主党政権の頃の本だった。菅直人の嫌わっぷりに苦笑してしまった。
東日本大震災の話とか読んで、なんとも言えない気持ちになった。
こんだけ書いたけど、私、ようするに佐藤優の考え方が好きじゃないだけかも。 -
世の中を知るには、歴史を知らなければならない。
歴史を知らないと世の中の見方が浅くなるし、知っていれば自然と深くなる。
特に近現代史は、「今」と密接に繋がっている。必須な知識なのに、知らないことがたくさんあると思わされた。 -
面白かった。近現代史の知識が乏しいのだが、何とか読める。現代史にも触れられていた。
対談形式なので、読みやすいです。 -
近現代史のどの局面でどのような力や考えが働いたのかということが専門家の目で語られていて本当に面白かった。
佐藤さんの書かれたものを読むと、もっと勉強したいな、勉強しなくちゃなという気持ちにさせられる。
ルサンチマンという言葉を初めて知った。強者に対する弱者の憤りや怨恨等を指すとのこと、こんな言葉をさらっと使いこなせる(一般人の日常ではあまり使う場面は無さそうだが)とすてきかな、自分の思考の幅を広げてくれそうな気がする。 -
みなさん、なんだかスゴすぎて、話の噛み合い方がイマイチなのが残念な気も。
しかし、内容はけっこう濃いところも多いです。 -
2012/3/3 Amazonより届く。
2012/3/15~3/21
加藤陽子氏、佐藤優氏、福田和也氏による日本近代史に関する鼎談。尾崎秀実、笠原和夫、原敬、平沼騏一郎らを取り上げながら、近代日本の問題点を鋭くあぶり出す。残念ながら、理系人間である私はついていけないところが多々あるが、未曾有の政治危機にある今の日本を考えるうえで、理系や文系といったステレオタイプな分類のぬるま湯に浸かっている場合ではないのである。とはいえ、近代史、思想史に弱いのは事実なので、近いうちに一度ちゃんと勉強したいと思う。