- Amazon.co.jp ・本 (175ページ)
- / ISBN・EAN: 9784594066185
感想・レビュー・書評
-
この本は中国を思想、文化、政治・経済の体制面から掘り下げ、向こう数年間の中国がどうなってゆくかを予測したものである。
中国のGDP72,980億ドルは世界第2位。日本、いや、世界を語るのに米国・欧州同様に無視できない存在になっている。ここ数年、GDPわずか3,000億ドル(世界第35位)のギリシャ一国に振り回される世界経済を見ればそれも強く実感できる。著者はそんな中国が近い将来・・・2014年に崩壊すると予言する。
本書の魅力は、その過激とも言える視点により読者に新たな発見を提供してくれる(かもしれない)ということもあるが、それ以上に中国というものを深く理解するのに大いに役だってくれるという点にあると思う。
さて、やや偉そうに語る著者はいったい何者だろうか。著者の宇田川敬介氏は、ワーナー・マイカルの運営に携わり、中国でマイカル大連の出展にこぎつけた経歴を持つ。現在は、国会新聞社で編集次長としてペンをふるっているとのことだ。
大連でのビジネス経験を持つということから、本書で語られる事例の多くが、実は大連のものばかりである。大連での経験がそのまま中国全土に当てはまるとは思えないので、そのあたりは差し引いて読みたいところだ。
ただ一方で、著者ほど中国に精通している人もなかなかいないのだろうと思う。そもそもあの広大な中国で、複雑な民族、文化、体制・・・その全てを理解し”客観的に”考察できる人なんて、中国人の中にもいるのだろうか。自らにビジネスでの実体験を持ち、かつ、中国の各界にそれなりの太いパイプを持っており、普通の人では入手できない貴重な情報を入手できる著者は、稀有な立場にあることには間違いない。
このように”それなりに信ぴょう性がある本”という前提を鑑みれば、本書は、特に政治家をはじめ、中国に進出している企業の経営陣、経営企画部の方、リスク管理部の方向けの警鐘本として役立つのだろう。
(書評全文はこちら→ http://ryosuke-katsumata.blogspot.jp/2013/01/2014.html)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
・中国人の考え方や行動パターンを知る手掛かりは「メンツ」というキーワード。
・p108 黒子→人であって、ひとでないもの。戸籍がない人。交通事故で轢かれて亡くなっても、警官に崖から遺体を捨てられる。轢いたほうの人は逆に遺族側を訴える。車が壊れたのは「物」の管理不行届だから。裁判では損害賠償を命じる判決。・・・こんな話があり得るのか? -
中国人が何を考えているかが垣間見られる本。これまでわからなかったことがかなり氷解した。中国に関わる人は一読しておくべきと思う。
-
挑発的なタイトルであるが、中身は中国とのビジネスを実際に経験した方による中華思想、中国共産党など中国人の不可解な行動を解説したもの。震災と同様、最悪のシナリオを考えておくことは非常に大切なことである。
-
下層民衆は王朝が変わっても独自の経済をずっと維持してきた。彼らが王朝を廃してきたというあたり、新鮮に学んだ。
メンツに関する説明は未消化なまま。 -
2014年2月10日読了。なかなかショッキングなタイトルの新書、2012年に刊行された本だが2014年になってやっと読むことができた。中国の崩壊とは「共産党一党体制の崩壊」を指す、国が腐海に沈むとか核の炎に包まれるということではないようだ。中国の通貨は共産党が、自らの資産の価値の増大に応じて発行している、とは知らなかった。それゆえ中国は尖閣など領土の拡大に血眼になり、ウイグル・チベットなどの独立には神経を尖らすのか。人民は「共産党は我々を食べさせてくれている」という点においてのみ信任しており、土地バブルの崩壊などで共産党が自らの資産価値増大に失敗すれば即反乱・クーデターが起きるのは必定で、胡・温体制から習近平体制への引継ぎが終わり、前任者が花道を飾った後の2014年が崩壊の起きる年である、との予言は簡潔だがリアリティがある。中国が崩壊しても日本が利益を得る分けではなく、中国からの難民流入や資源搾取に振り回されるだろう、という未来予想は悲しい・・・。
-
2章、3章の中国人のメンツ、中国経済問題の概要が分かりやすく説明されているが、1章、4章の尖閣諸島問題と中国崩壊のシュミレーションは話半分かなという印象。
-
少し偏りがあった気がする。新書は著者がどの立場から論じているかを見極めなければならない。
-
中国経済の仕組み、メンツの構造について、概略を理解することができた。
少し過激な口調なので、話半分に読まないといけないが、近い将来崩壊しそうであることは分かった。
かなり密に付き合ってきた我々が、これから中国とどう接していけば良いか、難しいですね。