脳には妙なクセがある (扶桑社新書)

著者 :
  • 扶桑社
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  • Amazon.co.jp ・本 (366ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784594069513

感想・レビュー・書評

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  • 事例は色々面白く、科学的な裏付けもあるんだけど、深堀がないので、事実が、淡々と述べられている感じ。

  • さまざまなテーマに沿って論文を紹介しており、学術的な視点から書かれているところが信憑性があって良かった。
    ただ筆者の考察はほとんど述べられておらず、感想程度だったのが物足りなかった。
    せっかく多くの論文に触れているので、その論文からもう少し突っ込んだ考察があればおもしろいなぁと思った。

  • 池谷裕二さんの本はほぼ全部読んでいるが、どれも非常に面白い。脳に関する読み物の書き手としては抜群だと思います。今回も興味深い話が盛り沢山。今回の内容の中でも非常に興味深かったのが「思考というのは身体運動から派生している」点。心と身体のつながりを考える上で非常に目からうろこでした。心でも身体でもそれに少しでも関わっている方は読んでおいて損はないです。

  • 脳を活かそうと頭でっかちになるより、身体を動かしたり健康でいる事が、何より脳の活性化に直結するというのは実感。最新の研究が興味を引きやすいトピックで紹介されてて楽しく読めた。

  • 1505

    著者が込めたメッセージ
    11章 脳は妙に笑顔を作る
    まずは形からで幸福になれる!?

    22章 脳は妙に不自由が心地よい
    ヒトは自分のことを自分では決して知りえない

    26章 脳は妙に使い回す
    やり始めるとやる気が出る

    この章は興味深かった
    23章 脳は妙に眠たがる
    睡眠の成績も肝心!

    全体的に緩く読めるエッセイに近い。
    自分、人間を知るのにも面白い。
    一度は読みたいな。

  • 一般的に世の中で言われていること、自分の身の周りで起こっていることを、実験をベースに脳の働きや特性から解説した興味深い書籍。
    笑顔、左視野、嗜好品、学習方法などは、まさにその通りだと思う。こうした脳の特徴を知っておくと、コントロールとは言わないが、生き方・過ごし方をよりよくできるのではないか。
    時折盛り込まれる小話も、知的でいい。

  • 大崎Lib

  • 脳に興味を持たざるを得ない一冊!
    豆知識満載!覚えきれない!
    気にかけておいたら良さそうなことをやっていけたらと思う。
    著者の他の本も読みたい。


    以下抜粋

    戦わずして勝利はない。
    向こう見ずであることは最初の一歩を踏み出すことに一役買うのでしょう。
    「実るほど頭を垂れる稲穂かな」

    部屋の整理整頓の極意は「使えるものは捨てる」
    「もったいない」という感情を押し殺して、「使うもの」あるいは「必要なもの」だけを残すストラテジーが必要になってくるのです。

    後知恵バイアスは、避けようと注意してもなお取り除くのは難しいとされています。そのくらい根強いバイアスである以上、私たちが対応できることは、ただ一つ。謙虚になり、「今、自分の考えていることは絶対的に正しいとは限らない」と保留をつけることくらいでしょうか。自分の思考に溺れるとたいていはロクなことありませんから。

    脳は感情を変更して解決する。
    洋服AとBとC
    団体に入会するために「儀礼」
    事実は変えられないため、感情を変更する。
    「自己矛盾や認知的な不協和を回避する」という理論

    コーヒー豆の香りを嗅ぐと、なんと、他人に対して親切になるのです。コーヒー豆のような心地よい香りを嗅ぐと、それだけで相手に対してよい印象を抱くようになるということ、そしてポジティブな感情はそのまま「相手を手助けきたい」という心理に転じるとのこと。

    情報を何度も入れ込む(学習する)よりも、その情報を何度も使ってみる(想起する)ことで、長期間安定して情報を保存することが出来る。
    入力よりも出力を重視ー脳はそう設計されているようです。

    「カロリス=カロリー・リストリクション」
    カロリー摂取を控えて健康に気を遣おう

    センスキャム

    「文字通り」という言葉があります。こうした単語がわざわざ存在するということは、逆に「文字通り」でない表現もあるということです。
    「人生は旅である」「目覚まし時計は拷問だ」などという喩え表現が、これに相当します。こうした隠喩的な表現法はメタファーと呼ばれ、世界中のありとあらゆる言語に存在するレトリックです。

    言い換えれば「メタファーを利用すれば受け手の脳を強く活性化できる」というわけです。表現技法のレパートリーを増やすことは、相手の心を揺るがすことにつながります。

    「ひらめき」は思いついた後に、その答えの理由を言語化できます。「先ほどまでは気付かなかったが、今はこの答えの理由がよくわかる。なぜならば、かくかくしかじか…」
    一方、「直感」は本人にも理由がわからない確信を指します。思い至ったまではよいのですが、「ただなんとなく」としか言いようがない曖昧な感覚です。根拠は明確ではありませんが、その答えの正しさが漠然と確信できるのが直感です。
    「ひらめき=知的な推理」「直感=動物的な勘」
    直感とは脳が実際に持つ能力です。直感の特徴としては、
    1.判断が速い
    2.ほぼ正しい
    3.経験によって鍛えられる
    「直感がアテにならない」レアケース
    ・目の錯覚
    ・数字の見積もり

    怠惰思考のすすめ
    アイデアをひらめいたり、創意工夫に満ちた着想を得るためには「王道」があると言われています。グレアム・ウォーラスによれば、それは四つのステップからなります。つまり、
    Ⅰ.課題に直面する
    Ⅱ.課題を放置することを決意する
    Ⅲ.休止期間を置く
    Ⅳ.解決策をふと思いつく

    就寝前は記憶のゴールデンアワー
    目安として就寝前の1〜2時間

    脳には入力と出力があります。いや、身体感覚(入力)と身体運動(出力)の二点こそが、脳にとって外部接点のすべてです。ですから、入力と出力はともに重要です。しかし、あえてどちらかが重要かと問われれば、私は躊躇なく「出力」と答えます。
    脳は出力することで記憶すると。脳に記憶される情報は、どれだけ頻繁にその情報が入って来たかではなく、どれほどその情報が必要とされる状況に至ったか、つまりその情報をどれだけ使ったかを基準にして選択されます。
    笑顔に似た表情を作るだけで愉快な気分になる
    楽しいから笑うのでなく、笑うから楽しい
    眠いから寝るのではなく、就寝時間になったから寝るのではないでしょうか。
    寝室に入って、電気を消して、布団をかぶって、横になる。すると自然に睡魔が訪れます。
    やる気も同様です。やる気が出たからやるというより、やり始めるとやる気が出るというケースが多くあります。
    ローマの詩人ユウェナリスは
    「健全なる精神は健全なる身体に宿る」という名言を残しています。
    人間の肉体は一つの大きな理性である ニーチェ

    身体運動を伴うとニューロンが10倍強く活動する。

  • 実験内容がいちいち面白いしためになる。1人でカフェで読んでても「えー!」とか「へぇ〜」とか声に出しそうになる、というか出した。

  • ☆3.5
    著者の主張がとんでもなく面白いよ!「心は脳には無く、体や環境に散在する」なんて、これだけ聞くとえーっ!?て思うけど、根拠の説明が必要最小限ながら的確で素晴らしく魅了されたよ。
    ヒトは自分では自分のことを決して知りえないつくりで、自由意思は錯覚に過ぎない、にも納得。著者の主張に心をわしづかみにされたなんて言うと、著者のいう「言語によるラベル化」に該当する!でも、本質を掴まされた歓びを私の原始の脳が表現した結果かも、と想像したら、楽しいな。

    「心」は脳回路における身体性の省略である、ただし、あくまで省略であって、代替にはなりえない。運動したり、経験したり表現したりして、アウトプットの機会を増やして行くことが、脳を正しく反射させるために大事なんだということは是非覚えておきたい。

    他にも、DNA化学修飾は卵子だけ、人造生物、20分の瞑想など、最近の脳研究の興味深い結果がたくさん紹介されていてとても満足な一冊だったよ。

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著者プロフィール

監修:池谷裕二
脳研究者。東京大学大学院薬学系研究科薬学専攻医療薬学講座教授。薬学博士。一般向け書籍の累計発売部数100万部超え。

「2023年 『3ステップ ジグソー知育パズル どうぶつ だいずかん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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