- Amazon.co.jp ・本 (277ページ)
- / ISBN・EAN: 9784594076535
感想・レビュー・書評
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『#嘘だらけの日仏近現代史』
ほぼ日書評 Day454
既に紹介した「天皇系」の近著よりも早い時期の「嘘だらけシリーズ」でも後半に位置付けられる一冊。
個人的には大学ではフランス文学を学び、パリ(まだ良い時代だった)にも半年ほど暮らし、心理的には馴染みのあるフランスだが、著者の「フランス好き」には圧倒された。
厳密には単なる「フランス好き」ではない。著者は、打たれても打たれてもへこたれない(過去に一度も戦争に勝ったことがないとまで言われる)フランスの、そしてフランス人の「強さ」に、現代日本人として目指すべき「在り方」を見ているのだろう。
にしても、戦後、特に平成以降の日本政治の体たらく(特に国政における信念のない離合集散の様)をみていると、そんな期待などできはしない…等と思っていたら、書中に次のような一節を発見して、少し気の休まる思いであった。
通説によればフランスの「安定していた」とされる第三共和制の実態、「1871年から1940年のナチスによる占領までの70年間で、大統領14人中、任期満了は4人だけです。2人は暗殺です。また110代の内閣が成立しました…第一次大戦の最中ですら、5つの内閣が交代しています」
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面白いし、テンポよく読める。
歴史についての知識だけでなく、読者への語りかけが多く、歴史を学ぶ意義をなんどもリマインドしてくる人生書シリーズでもある。 -
倉山氏による嘘だらけのシリーズの第7弾。
これまであまり触れてこなかったフランスおよび日仏間について丹念に言及している。
16世紀以降大国であり続けたその姿は、外交において政治と軍事というものの重要性を示している。
そして、フランス革命がパンドラの箱だったということがよくわかった。