三人の名探偵のための事件 (海外文庫)

  • 扶桑社
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (406ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784594078218

作品紹介・あらすじ

2000年版『このミステリーがすごい!』海外部門第4位!

密室殺人をめぐる名探偵たちの推理合戦。
本格黄金期を代表する傑作、ついに文庫化!



サーストン家で開かれたウイークエンド・
パーティーの夜、突如として起こった密室
殺人事件。扉には二重の施錠がなされ、窓
から犯人が逃げ出す時間はなかった。早速、
村の警官ビーフ巡査部長が捜査を開始する
が、翌朝、ウィムジイ卿、ポアロ、ブラウ
ン神父を彷彿とさせる名探偵たちが次々に
登場して……華麗なる名探偵どうしの推理
合戦と意外な結末。練り上げられたトリッ
クとパロディ精神、骨太なロジックに支え
られた巨匠レオ・ブルースの第一作にして
代表作、ついに文庫化!(解説・真田啓介)

感想・レビュー・書評

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  • 「バークリーじゃねぇか!!」という着想は解説にて実った(解説がこれまた素晴らしい)

    とりあえずミステリクラスタの皆さん早く読んで!!これはすごいぞ!!
    ピーター卿、ポワロ、ブラウン神父が夢の競演。トリックの応酬。推理の妙。どんでん返し。探偵小説のお決まり事に対する皮肉。
    完璧すぎるじゃないか。

    助手がせっせせっせと探偵たちと証拠集め。探偵が導き出す答えには、絶対的な真実味があるのだ。名探偵が三人いようとも。彼らの意見が違おうと。

    これを作者がやりたかったのかと思うと、にやけてくる。この趣向は大いに成功しているし、なんの反論もない。圧倒的事実に勝るものなし。

    絶対にビーフ巡査部長シリーズは読まなくてはいけないと確信した。全然見かけないけどね…

  • ハードカバー版を所持しておりまして、私のお気に入りの作品です。 文庫化嬉しい!(文庫化にあたり、原文と比較して若干改訂を行っているらしいのでハードカバー版お持ちの方も買いましょうね…。)
    やはり、この『三人の名探偵』それぞれのキャラクター模写が愛に溢れてて何度読んでも面白い。ピーター卿、ポワロ、ブラウン神父それぞれの作品の特徴を捉えつつ、英国黄金期ミステリのお約束を踏まえ、さらに多重解決を堪能しながら全体に漂う英国の軽いコメディ臭。大好きな作風です。
    己のミステリ基礎素養が増えれば増えるほど、あちこちに埋め込まれたリスペクトネタの出典が理解できて、読めば読むほど面白いという、引き出しの多い作品ですし。

    巻末についている解説がこれまた秀逸。どこを読んでも「そう、そうなんだよ…!」と首を縦に振るしかないのでこちらもあわせて読んで欲しいですね。(解説:真田啓介さん)
    この方がこの中で提唱されている「英国余裕派」ってカテゴリ分けがステキです。ここにあげられた作家、全員大好物です。(そしてそこらへんを一纏めにする分け方、なんとなく判ります…!)

  • あらすじをざっと読んで、てっきりポアロやピーターウィムジィ卿、ブラウン神父が出てくるのかと思いきや…モデルにした名探偵たちということでいわゆるパロディ⁇でした。結末はなんとなくわかった気がしたんですが、犯人はまさかの人でした。特徴をよく掴んでる名探偵たちですが、ちょっとオーバーな気も⁇ポアロってあんなにフランス語話したか⁇ウィムジィ卿はもっとスカしてたぞ⁇ブラウン神父は未読なので知らないf^_^;なかなか良かったんだけど、中弛みが結構あったかも。他作品も読んでみたいです。

  • 2017/12/04読了

  • 2017.11.9読了。

  • ピーター・ウィムジイ卿、エルキュール・ポワロ、ブラウン神父を彷彿とさせる3人の名探偵が登場する本作。単行本が出てから、もうすぐ20年になるのですね! ビーフ巡査部長の登場作品としては初の文庫化で、レオ・ブルースのデビュー作です。
    上述の3人の名探偵が登場する作品をいくつか読んでいれば、より面白く読める作品。物語終盤に起こる事件は防げたような気もしますが、解説にもあるように、これは「古典的な本格探偵小説」の「約束ごと」でもあるから、仕方がないのかも。「探偵小説を人生の慰安と心得る人々にささやかな楽しみをもたらすならば、ノリスの一派が何を言おうが知ったことではない」のである。
    ビーフ巡査部長物の長編は出版された順番に読んだ方が良い、という話をどこかで耳にした気がするので、単行本では出ていますが、次作の『死体のない事件』、及びそれ以降についても文庫化を希望します。

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著者プロフィール

Leo Bruce
レオ・ブルース
1903年、ケント州イーデンブリッジ生まれ。本名ルーパート・クロフト-クック。さまざまな著作活動を行いながら、ブルース名義で1936年に最初の本格ミステリー『三人の名探偵のための事件』(扶桑社ミステリー)を発表。ビーフ巡査部長を探偵役とする長篇を8作刊行したのち、『死の扉』(創元推理文庫)で新たな探偵キャロラス・ディーンを登場させる。その後計23作のディーン・シリーズを遺し、1979年死去。

〈扶桑社ミステリーのレオ・ブルース作品〉
『三人の名探偵のための事件』
『ミンコット荘に死す』
『ハイキャッスル屋敷の死』
『ビーフ巡査部長のための事件』

「2022年 『レオ・ブルース短編全集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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