日本人が誤解している東南アジア近現代史 (扶桑社新書)

著者 :
  • 扶桑社
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (262ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784594084226

作品紹介・あらすじ

「日本が侵略した」
「日本が解放した」
どちらも間違い!!

日本人だからこそ知っておくべき東南アジアの歴史の真実!

◎イギリスの圧政からマレーシアを解放した日本
◎シンガポールの華僑が忘れない日本軍の粛清事件
◎ミャンマー独立で日本軍が支援したスーチー氏の父
◎多数の住民が巻き込まれた日米の激戦地フィリピン
◎インドネシア独立のためにオランダと戦った日本軍
◎日本の同盟国だったのに敗戦国にならなかったタイ
◎実は“アメリカ好き”で“中国大嫌い”のベトナム
◎今ではまるで中国の植民地、カンボジア
◎東南アジア経済を牛耳る華僑の歴史

米中貿易摩擦の受け皿として注目される東南アジアは、11カ国、約6億5000万人の人口を抱える一大経済圏である。日本とは地理的にも近く、歴史上の交流も長くて深い。だが、多くの日本人はバリ島、セブ島、プーケットなど有名観光地には詳しいが、東南アジア各国の歴史や文化の違いについて驚くほど知らない。
そこで、経済や人的交流もますます深まる東南アジアについて、ベストセラー『戸籍アパルトヘイト国家・中国の崩壊』(講談社+α新書)など、中国や東南アジアの現地事情に詳しい著者が、史実や現地のヒアリング、データに基づき、日本人だからこそ知っておくべき東南アジア各国の歴史と文化の実相を説く。

11カ国、6億5000万人を抱える多彩な東南アジアが3時間でわかる!

【目次】
第1章 東南アジア文明の停滞と発展
第2章 日本人が知っておくべき本当の東南アジア近現代史
ベトナム/タイ/ミャンマー/マレーシア/シンガポール/インドネシア/フィリピン
第3章 世界が注目する東南アジアの経済発展
第4章 華僑を知らなければ東南アジアは語れない

【著者プロフィール】
川島博之(かわしまひろゆき)
ベトナム・ビングループ主席経済顧問、Martial Research & Management Co. Ltd., Chief Economic Advisor。1953年生まれ。1983年東京大学大学院工学系研究科博士課程単位取得退学。東京大学生産技術研究所助手、農林水産省農業環境技術研究所主任研究官、東京大学大学院農学生命科学研究科准教授を経て現職。工学博士。専門は開発経済学。著書にベストセラー『戸籍アパルトヘイト国家・中国の崩壊』や『習近平のデジタル文化革命』(いずれも講談社+α新書)、『「食糧危機」をあおってはいけない』(文藝春秋)、『「作りすぎ」が日本の農業をダメにする』(日本経済新聞出版社)等多数。

感想・レビュー・書評

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  • 2022/04/03 amazon 399

  • 面白く簡潔にまとめられていた

  • 誤解しているもなにもアジアの近代史をあまり知らなかったのだが、この本は東南アジアの現代につながる歴史を丁寧に教えてくれる。
    農業技術の発展により、農作物生産に係わる生産性が向上し、農村に人手がいらなくなり、都市に人口が流入する……日本の戦後におきたこれが、東南アジアにもおこっており土地バブルになっている分析は興味深い。
    それは日本では当たり前の光景だが、西洋ではそのような人口の移動はおこらなかった。なぜなら西洋は小麦が主食、日本を含めた東南アジアはお米が主食だから、というのは目から鱗だった。
    確かに、小麦は1粒から20粒、水稲は1粒から200粒とれるというが、労働力はその分、水稲の方が何倍もかかるから、人口が密集する、と聞いたことがある。だから疫病が発生しやすく公衆衛生が発達したとか、ムラ社会で人との関わりが係わりが深いとか。
    そんな共通点に親近感を持ちつつも、森を開拓すると疫病が発展するから長らく開拓できない土地柄だったり、大国である中国の関わりだったり、仏教とキリスト教だったり、で、それぞれの国と日本と異なる事情など違いもわかりやすく解説されていて、ぐいぐいと読み進めた。

  • 東南アジアと日本の歴史的な関り、大戦時の状況から日本人をどう思っているのかと言うことや現在の地政学を踏まえた考察等がとても勉強になりました。
    知らないことばかりでしたので読んで良かったです。

  • [評価]
    ★★★★☆ 星4つ

    [感想]
    日常ではあまり話題になることがない「東南アジア」だが、日本とは意外に深い関係で現代でも未来でも友好関係を結ぶことが日本にとっては非常に重要であることがわかりやすく書かれていた。
    普段、「東南アジア」を一つのグループとして扱っているが個々の国を詳細に確認していくと様々な違いがあることがわかり、は国の歴史と大きく関係していることがわかる。
    また、日本と「東南アジア」の関係を語る上で避けては通れないのが太平洋戦争であの戦争は良くも悪くも「東南アジア」に大きな影響を与えていることがわかった。
    私としては「東南アジア」とは東アジアで中国との均衡を取る上で必要だし、経済的にも重要なビジネスパートナーになるだろうからうまく友好関係を継続するためには「東南アジア」を知ることが肝要だと感じている。

  • やや右寄りの思想が垣間見えるが、非常にプラクティカルで有益な情報が多い。タイに半年ほど住んでいたこともあり、東南アジアには以前から関心があったが、知らない事ばかりで勉強になった。

  • 東南アジアのビジネスに必要な基礎教養という視点で書かれてあり、現地の人たちがどういう価値観なのかについて勉強になった。
    唯一、華僑の影響がほとんどないベトナム
    唯一植民地になっていないタイなど知っているつもりでいたのに、個々の国の事情は全くと言っていいほど知らなかった。

    Kindleの読み上げ機能で読んだので理解できないところが多く、また改めて読みたい。

  • 現地からの正直な感想がふんだんであるように読める。

    日本人は決してエライ存在ではないし、謙虚にしたたかに逞しく生きていこうと思わせる良書。

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著者プロフィール

川島博之(かわしま・ひろゆき)
ベトナム・ビングループ主席経済顧問、Martial Research & Management Co. Ltd., Chief Economic Advisor。1953 年生まれ。1983年東京大学大学院工学系研究科博士課程単位取得退学。東京大学生産技術研究所助手、農林水産省農業環境技術研究所主任研究官、東京大学大学院農学生命科学研究科准教授を経て現職。工学博士。専門は開発経済学。著書に『日本人が誤解している東南アジア近現代史』(扶桑社新書)、『戸籍アパルトヘイト国家・中国の崩壊』『習近平のデジタル文化大革命』(いずれも講談社+α新書)、『「食糧危機」をあおってはいけない』(文藝春秋)、『「作りすぎ」が日本の農業をダメにする』(日本経済新聞出版社)等多数。

「2021年 『中国、朝鮮、ベトナム、日本――極東アジアの地政学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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