- Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
- / ISBN・EAN: 9784595314643
感想・レビュー・書評
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ある対象の知識を得るための学びではなく、「学び方」自体を学ぶというメタ・アプローチの重要性は日々高まっている。
その「学び方を学ぶ」方法論や実践例がわかりやすく纏められている本書は、「教育」という分野に明示的に関わっておらずとも一読の価値ありだ。
私はソフトウェア開発の業界に身を置いているが、本書で語られる内容はまさに経験主義であり、ペアプログラミングであり、モブプログラミングであると感じた。
おそらく、他の分野でも「これって、あれだよね」と当てはめられる場面があるだろう。(そしてそういった営み自体が、主体的で多角的な学びにつながるのだ)
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放送大学教養学部心理と教育コースへ入学して一番最初に履修した科目である。選択した理由は、三宅芳雄先生を直接存じ上げているのと、シラバスに書かれてある言葉に惹かれたからである。
シラバスには「この講義を履修して理論的研究者のものの考え方や、実践的研究者の目の付けどころそれぞれの強みを良く吟味しておくと、より高度な実践研究に取組むための、良い準備になるだろう。」とある。理論的研究者のものの考え方と実践的研究者の目の付けどころを、しっかりと学びたいと思ったからである。
その目的は、叶えられた。
コール『文化心理学ー発達・認知・活動への文化ー歴史的アプローチ』とブランスフォード『授業を変えるー認知心理学のさらなる挑戦ー』を更に読み進める気を起こさせてくれた。
前書きに「教育心理学は、人が賢くなる仕組みを明らかにして、人をより賢くするにはどうしたらいいのかを探る研究分野である。」とあるが、勉強してとても得るところが多かった科目である。
なお、「スタンダードな教育心理学とは少しおもむきの違う教材だが、受講するひとりひとりの方が、それぞれの場で、実践的な研究に携わっていくための基礎固めの一助になれば、と願っている。」とある。 -
教育心理学の変遷と今後の展望が分かりやすく説明されていた。本書では、学びとはどういうものなのかということを説明し、その学びが起こる様々な状況に言及している。
その後、主に教育現場で学びがどのような学びを起こすべきかを述べて、学校教育はどのような学びの環境を整えるべきかを提言している。 -
インストラクターの仕事をしていた頃、あれこれ考えた事についつ、きちんとした研究成果として示されていて、とても興味を掻き立てられました。
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一人一人、生まれてから何を経験して何を学んできたかにより、同じことを教わったり同じ本を読んだりしても、そこから何を学び取れるかが異なる。年齢や個人差により異なるそれぞれの「学び」をより効果的に効率よく教育として提供する基となる考え方の、概要がつかめる。
専門用語は比較的少なく、平易な言葉や日常のよくある例を用いての説明が多く、わかりやすい。 -
『心理学は「理論を作る」研究領域ではなく… (p.4)』はとても賛同できない。教育心理学においてはその対象が教育という実践の場であるので理論が作りにくいというのであれば分かるが,「心の理学」でないことが,外野から見て心理学が生産的でないと断じられる側面は否定できないと思う。
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「子どもたちにこういう教え方をしたら必ずこうなる(はず)」という一般理論は成り立たない。(p.4) -
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http://libsrv02.iamas.ac.jp/jhkweb_JPN/service/open_search_ex.asp?ISBN=9784595314643