異端の大義 (下)

著者 :
  • 毎日新聞社
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784620106991

感想・レビュー・書評

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  • 結末はそうだよね。

  • 上下巻ものの常だけど、上巻はひたすら耐える。耐える。耐える。

    中国の部分の描写がさらっとしすぎていて、あの国特有のビジネスに踏み込んでいない点はちょっと物足りない。
    その後の展開を描ききるためには仕方ないのか。若干詰め込みすぎ感アリ。

    主人公がヒーロー的に過ぎると言われかねない潔癖さだけど、井上準之助を彷彿させて私は好き。

    ただ全体的にインパクトには欠けるかな。

  • 家族とは、グローバル化とは、旧態依然の社会制度とは、弱者とはなど様々なテーマがちりばめられていて学びが大きくあった。

    印象に残った部分
    世界の先端をゆくメーカーは生産効率を上げ、コストダウンを図るためにロボットうぁじめとする人での要らない先端機器を生産ラインに導入してきた。しかし多額の設備投資は人件費の高い先進国では効果を発揮するが、中国のように人件費が安い国では前近代的生産の方がはるかに安くつく。
    先進国の企業が生産拠点を中国に移せば、産業の空洞化が起きます。結果、その国の購買力は確実に低下する。いくら我々が安い製品を供給しようとも、肝心の市場の力が落ちてしまったのでは話にならない。じっさい、現在の日本では、かつて地方に合った生産拠点が続々と中国にシフトしてしまったために、職を失い、収入の糧を見いだせずにいる人間が日々膨れ上がっている。
    東洋に人事部は、社員の格付けを行った。それも実績だけではありません。学歴職歴といった仕事には全く関係ない部分をポイント化してね。今申し上げたように、東洋は創業者が一代で石杖を築きあげた会社です。最近でこそ一流と呼ばれる大学の卒業生が集まってきますが、ここまでの企業に育つまでには、大卒はおろか高卒を集めるのがやっと陶磁器も長くありました。つまり創業者と一体となって登用をここまでの企業に育て上げたのはそうしたエリートなんかではない。誇れる学歴のない社員が必死になって働いてきた結果なのです。にもかかわらず、指名解雇を行うなかで、学歴までを問うようなことをすれば、文字通り、東洋と苦楽を共にしてきた社員が、真っ先に対象となるのは眼に見えている。

  • どのように、這い上がるかと思っていたが、外資を経由しての再登用とは。カイザーはPhilipsがモデルかな?

  • 最近読んだ本の中では、深く感動した1冊となりました。 海外を長く歩んできたサラリーマンの主人公が帰国し、日本の企業社会でさまざまな苦労を重ねます。 同期の嫉妬と罠、左遷、畑違いへの部署への転勤、そして自主退職。 構造不況の実態から、地方工場の閉鎖にともなう関係者の悲哀、中国ビジネスへの挑戦、1つの巨大企業の終焉、銀行や投資ファンドの現実など、内容が豊富で、読み応えがありました。 主人公が40代後半、家族構成が高校生と大学生になったばかりの子供や病気の親など、いまの自分の状況と似通っていますので、共感する部分も大きかったです。 楡周平さんのほかの本も読んでみたいとおもいました。

  • 大手家電メーカー/同族企業/外資合併/中国/200711

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著者プロフィール

1957年生まれ。米国系企業に勤務中の96年、30万部を超えるベストセラーになった『Cの福音』で衝撃のデビューを飾る。翌年から作家業に専念、日本の地方創生の在り方を描き、政財界に多大な影響を及ぼした『プラチナタウン』をはじめ、経済小説、法廷ミステリーなど、綿密な取材に基づく作品で読者を魅了し続ける。著書に『介護退職』『国士』『和僑』『食王』(以上、祥伝社刊)他多数。

「2023年 『日本ゲートウェイ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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