- Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
- / ISBN・EAN: 9784620108131
感想・レビュー・書評
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面白かったです。久しぶりに貪るように最終巻まで読みました。やっぱり宮城谷さんの書かれる英雄は人間的で好きだな。劉邦の家臣達も、悪女と言われる呂皇后も、敵には冷酷だったという項羽も、それぞれに魅力的でした。若い頃の項羽なんてかわいい所あるな、と思ってしまいました。
この小説は劉邦が大陸を統一して、一番輝かしい場面で終わります。良いところで終わったので読後感も爽やかでした。
その後の行く末を知っている身としては未来を思って少々しょっぱい気持ちもわくのですが、それはまた別の話。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
司馬遼太郎の項羽と劉邦とはまた違った面白さでした。
わりとあっさりした印象の作品です。
統一後のドロドロした権力闘争を誰か書かないかな。
あまりに幻滅なので、読む人は少ないかもしれないけど。 -
久しぶりに宮城谷さんの小説を読みました。いつ読んでも、何を読んでも面白い!
後書きで宮城谷さんが書いていたこと、項羽には親近感があったけど劉邦は鋤になれなかった、というのはまさに私もそれで、どちらかというと項羽の方が好きでした。
今もそれは変わらないのですが、この小説を読んだら劉邦への見方も少し変わりました。劉邦が天下を取れて、項羽が取れなかったというのはやはり項羽に足りないものがあった、ということなのだろうと改めて考えました。 -
前に読んだので感想は特になし。あまり印象に残っていない。
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七十余戦負けたことがなかった項羽が、初めて敗れた時が命を落とすことになったのに比べ、劉邦は幾度となく楚軍に敗れながらも最後は天下を取る。運と人間力の違いをまざまざと感じる物語である。
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あとがきをよんで納得
筆者の「香乱記」を読んで劉邦が嫌いだ、と思った。この本の後書きで筆者は「筋が通らない劉邦は嫌いだった。」とあり納得した。
しかし、司馬懿が裏切りったとき「われはあなたを裏切ったかもしれないが、国家を裏切ったわけではない」といったことから、劉邦を再評価したことに納得した。ただ、司馬遼太郎の「項羽と劉邦」から育ったので神秘的な劉邦はちょっと首をかしげた。人物の過去、思考を重視するので速読には向かず、戦闘シーンは北方謙三と真逆でさらっとしすぎているので、星一つ減らして星4つとしました。個人的にはこの本の醍醐味は「香乱記」を読んだ後、本書を読み、後書きを読むことでさいこうのあじがでるということです。では。 -
最後になって〝先生〟っぽくなちゃった。史記にはこう書いてあり,漢書にはこうかいてあるが,どういうことか判断つかないってね~楚は趙を救いに秦の1/10の兵で向かいこれを撃破し,碭に留まっていた劉邦にも征西の要請が届く。劉邦は,まっすぐ北へ向かわず,北の昌邑を攻めるが果たせず,酈食其の手引きで陳留に招かれる。開封から白馬へ進み,潁川郡と張良と再会を果たし,兵数は2万に,南陽で3万に,宛で7万5千に達する。南に迂回し,胡陵から武関に進み,
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劉邦という自分を著者なりに分析し、理解し、消化している。劉邦はある意味で、単純であるように見えて、理解しにくい点がある。漢帝国の建設という偉業を達成できたのは、国家に平和と安定を求める才能ある人々が劉邦と言う乗り物をうまく利用したのかもしれない。