明日なき今日 眩く視界のなかで

著者 :
  • 毎日新聞社
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (168ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784620318011

感想・レビュー・書評

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  • 最初にいい訳しておくと辺見庸氏のファンである。

    ただ、ここ数年(特に震災以降の)近著を読むにつれて正直ついていけなくなってきた。
    なにを大仰な、と驚くことがあり、自身の破滅願望なのか終末論なのか知らんけど共感できない文の羅列がある。元々、辺見氏の政治的な立ち位置や思想が自分と全て一致し共感できるというほどではなかった。

    けれども言葉や表現に対する姿勢にずっとどこか惹かれるものがあって長年辺見氏の著書を読んできた。
    だから有り体に言えば、僕は中途半端なファンなのだろう。

    本書のなかで書くことは受傷が前提で、言葉を生み出し文を書くことその行為それ自体がひとつの希望ではないか、という一文が胸に響いた。

    これからも辺見氏の著作を読み続けるか。自分は腐った牡蠣みたいな眼をした汚いおじさんになっても中途半端なファンのままでいることができるのか。分からない。自信がない。
    でも現時点では辺見庸氏には書き続けてほしいと願っている。

著者プロフィール

小説家、ジャーナリスト、詩人。元共同通信記者。宮城県石巻市出身。宮城県石巻高等学校を卒業後、早稲田大学第二文学部社会専修へ進学。同学を卒業後、共同通信社に入社し、北京、ハノイなどで特派員を務めた。北京特派員として派遣されていた1979年には『近代化を進める中国に関する報道』で新聞協会賞を受賞。1991年、外信部次長を務めながら書き上げた『自動起床装置』を発表し第105回芥川賞を受賞。

「2022年 『女声合唱とピアノのための 風』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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