この素晴らしき世界!?

著者 :
  • 毎日新聞出版
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本棚登録 : 50
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784620323480

作品紹介・あらすじ

"好き"と"嫌い"。世間を眺めるときの最初の基準。「サンデー毎日」連載まる30年突破-ずっとブレない(自筆絵入り)世俗観察コラム集。

感想・レビュー・書評

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  • 例によって図書館すべり込みで、選んでいる暇がなく、最初に目についたのが中野翠さんのお名前。
    新卒で入った会社の寮の隣の部屋の同期がこの方のファンで、私も借りて読むようになって毎年読んでいたんだけど、たぶん2007年あたりから途切れてしまっていて、その後はどの年が既読でどの年が未読か分からなくなってしまった。でも、このタイトルは記憶にないな、と思って借りてきた。

    こういう時事ものは、できれば連載の誌上で読むのがベストで、遅くとも刊行すぐに読むべきなんだろうな、と思いつつ読んだが、時間が経ってから読むと、言及されている映画やドキュメンタリーが、以前は見ていない状態で読んでいたが、今回はけっこう見ていて、それはそれでおもしろかった。

    東京オリンピック準備中のごたごたや夏開催の是非についても書かれていたが(2015年時点)、今はその後コロナで大変なことになったのを知っているだけに、「いやいや、問題はこんなもんで終わらなくて、この後、オリンピック開催国に選ばれたことは完全に罰ゲーム的様相を帯びてくるんですよぉー」とか思いながら読み、ちょっとだけ神のような視点を味わえておもしろかった。

    うーん、でもこの本のあたりからきっと中野翠さんの書くものは著しく懐古趣味的になっていくのかなぁ。
    この本はまだ全然ましだが、少しその兆候はある。この後の本はあまりに古い映画や昔のスターの話ばかりでややガッカリだった。
    たまにはそういうのもいいけれど、こういう時事コラムみたいなものは、私は新鮮なネタを扱ってくれた方が嬉しいなぁ。未知のことをあれこれ考えていろんな人の意見を聞きながら消化していくのがおもしろい。
    時間がたったもの、古いものは、新しいものよりも評価するのが簡単かなぁとも思うし。
    戦争とか災害みたいな人生を根こそぎ持っていってしまうような大事件は、考えるのにも何十年も時間が必要なんですけどね。

    一つだけ、へーと思ったのは、次の文。
    「私はよく知らなかったが、小林よしのりは以前『戦争論』を書いたことによって、いわゆるネトウヨ(ネットに右翼的な書き込みをする人たち)の産みの親のように思われているらしい」
    私も、その風評は知らなかったが、知らなくても私自身が勝手に「ネトウヨ増殖は、あいつのあの本のせいに違いない」と思っていたので、「あれ!他の皆さんもやっぱりそう思ってらっしゃったんですね!」と思った。
    明らかにあの『戦争論』あたりから、ちょっと強気で視野が狭く独りよがりなジャパン・ラブが激増したような気がするんだよなぁ、肌感覚として。教科書とかもそれに迎合するように変わった印象。
    『新・戦争論』では、小林よしのり氏はネトウヨやヘイトスピーチをする人に対して反論している、とあったので、それまではぜんぜん読む気なかったけど、読んでみたいとちょっと思った。

    あと、映画「草原の実験」と「ザ・ヴァンパイア 残酷な牙を持つ少女」を激しく見たいと思った。

  • 「サンデー毎日」で30年以上(!)続く名物コラムだが、週刊誌でちょっとずつ読む分にはいいが、まとめて読むと毒にやや当てられた感も。ちょっと急いで読み過ぎたからかも。
    時事ネタに「そうそう、(2014年11月~2015年11月まで)こんなことあった」と楽しめるのだが。

  • この人が褒めるんなら見てみようというオピニオンリーダー的人って少なくなったなと思う。中野さんは年齢的には近いので共感するところは多いが女性ならでは、東京人ならではのところがあってぴったりハマるわけではない。それでもまだらに共感し、感心し、勉強になる。
    ジェームス・コバーンがいいなんてのは、歳が近いからでしょう。そういうばもう亡くなってますね。タイトル「この素晴らしき世界」がいいというのも同じ気持だ。
    奥田英朗がいいと言われると、まだあまり読んでないけど、やっぱいいんだと思いますね。
    「ダウントン・アビー 華麗なる英国貴族の館」が好きで、登場人物が「メロドラマにするな!」と言ったりするのはワタシも好きだなぁ。再放送があったら見てみたい。

    映画などのエンタテイメント系もさることながら、ニュースに対する記事も多く、その全方位的なところがいいですね。中野翠さんの個性の魅力が伝わってくる。この個性を感じることができるというところがオピニオンリーダーの資質。

    年に一度出てるそうで、これから毎年楽しみにしましょう。三谷幸喜と西村賢太と中野翠ですか。

  • 毎年、楽しみにしています。
    去年の出来事を思い出しながら読みました。
    そして今回も、映画評が参考になります。

  • 914.6

  • 中野翠さんのサンデー毎日の連載ほぼ1年分の書籍化。週刊誌の連載ですし、鮮度のいいうちに、その1年を振り返るようなかたちで読めてよかった。
    本や映画やドラマ、CMや芸人、硬軟どちらも時事ニュース、などを話題にしている。完全に趣味が合うってわけでもないが、でもいい感じに「気になるものリスト」を更新してもらえた。
    今ごろはSMAP騒動にも触れているだろうか…。読みたい。

  • 年に一度のお楽しみ~。
    読み終わるのがもったいないと思いながら、さくさく読み終わる。
    ダウントン・アビーにはまったり、プロフェッショナルのあの時計修理の回を見てたりと同じ番組をみてると思うと嬉しい。
    でも、やはり少年Aが書いた本は読まなかったんだ。
    そして胆石ではじめて入院、手術をしたとのこと。
    この日常を綴ったエッセイを毎年読みたいので、どうかお元気でいてくださいと思わずにいられない。(中野翠風)

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