宇多田ヒカル論 世界の無限と交わる歌

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  • 毎日新聞出版
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784620324319

感想・レビュー・書評

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  • 読んだ後の率直な感想は、やはり音楽はあまり難しく考えずに自分なりに感じ、咀嚼するのが正解だと思いました。自分なりに感じていた宇多田ヒカルという人間の伝えようとしている事と著者の分析では重なる所もありそうでない所もあり。
    好きな方は一度読んでみても面白いとは思いますが、難解な点もありなんとも言えない星三つにしました。

  • ヒカルのことが好きなのはわかる、それはビンビンに伝わってくる。けど好きが高じ過ぎて、ヒカルの歌詞や彼女のインタビュー、テキストを引用しては「もう、これで、いいじゃない!これが全てじゃないか!」と丸投げしてしまうところがあまりに多すぎてもっとちゃんとあなたの言葉で考察してくれよ!!と思ってしまったのが正直。
    学者畑の人ではないからそこまで精緻な、それこそ過去のJ-popとか詩の潮流だとか、大きな枠組みの中でヒカルのことを捉え直して考察する試みだとかはないかな〜と、でも少し期待もしてたし、もしそういう要素が入っていたならばさらに得るものは多かっただろうなとは思う、けどそれはわたしの勝手な期待過剰だったなというか別に筆者に責任はないかなとも思う。

    ヒカルに関する過去文献、とか、参考文献がちょっと心もとないのもしょうがないことだったのかなとも思う。
    けど、たとえば”Letters”だとか”Passion”の歌詞の考察なんかは面白いなと思うこともあったし、この本を受けてもっと楽しく、意義深く?ヒカルの歌を聴けるようになったかもしれないなとは認める。これからのヒカルの音楽体験を少しだけでも豊かにしてくれたことは間違いないだろう。でももうちょっと踏み込んだあなたの考察も聞きたかった。あとその考察文もちょっと抽象的というか詩的で、趣味といえば趣味本だな…と、思った。ギリ商業に引っかかって出版できた限りなく同人誌に近い本という感じ。

    こういう本を出せたことは、この内容でゴリ押せたことは、それこそ一回限りの超絶ラッキーなことだっただろうと思う。きっと二度も三度もこんな本は作らせてもらえないと思う。だとすれば、いい機会に巡り会えてよかったねとも素直に思う。
    これからのヒカルについても、考察を続けていってほしい。読むかどうかはわからないけど。次回があって、買うとするならコスパを気にするかな。

  • アルバムの時系列順に宇多田ヒカルの進化の系譜をまとめてある。いいたいことはなんとなくわかりますが、ultra・natural・fantomeの用語等を持ちた説明が少し難解。

  • 宇多田ヒカルの本当の意味での強さに引きつけられ勇気付けられる。高い山の頂上に登って見える大きな青い空は等しく地上の私たちの上にもあるという彼女が届けてくれる無限の世界を文字にしてくれた。(2017年ゴールデンウィーク)

  • 文月悠光さん書評

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著者プロフィール

杉田 俊介 1975年神奈川生。批評家。『宮崎駿論』(NHKブックス)、『ジョジョ論』『戦争と虚構』(作品社)、『無能力批評』『ジャパニメーションの成熟と喪失』(大月書店)、『橋川文三とその浪曼』(河出書房新社)、『神と革命の文芸批評』(法政大学出版局)ほか。

「2023年 『対抗言論 反ヘイトのための交差路 3号』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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