- Amazon.co.jp ・本 (241ページ)
- / ISBN・EAN: 9784621051122
作品紹介・あらすじ
水族館で楽しく魚を眺めて同時に食欲を感じるのは、魚食文化からくるものか?水族館で魚を殖やすのは、どのくらい可能になっているのか?水族館を支える裏方の仕事とは?水族館ではどのような体験ができるのか?さまざまな話題にふれながら、わたしたちの知らない水族館の内側を紹介。日本人と水族館とのつきあいをふりかえりつつ、水族館のこれからをみつめる。
感想・レビュー・書評
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昔、古本屋で購入したこの本で『観魚室(うをのぞき)』という言葉を知った。
明治15年(1882年)、日本最初の水族館を上野動物園内に作る際、『アクアリウム』をどう和訳するか迷った担当者による造語だった。『水族』という言葉は江戸時代後期に、すでに使われていた記録があるが、『水族館』という日本語は当時まだなかったのだ。
水族館について書かれた本はたくさんあるが、この『観魚室(うをのぞき)』という言葉に触れた書籍は本書以外、私はまだ見つけていない。
うをのぞき、という明治に生まれた古い言葉のもつ色気にとらわれたのか、その言葉を今日まで忘れることができず、本を手放した後も何かにつけ文献を探している。
本書は魚類学者、水族館学者である鈴木克美氏による、水族館の成り立ちからその仕組みを解説するとともに、日本人と水族館とのつながりとこれからについて、その課題に光を当てる学術文庫。
西欧での水族館の誕生と発達。動植物の博物展示文化のなかった日本が、明治維新後西欧に倣い、動植物園や水族館を、失敗を重ねつつ進化させてきた歴史を顧みるとともに、未来を考える。
20年程前に出版された本なので、今がまさに「その先」の時。鈴木先生は今の動植物園の展示や人とのかかわりについて、どう見ておられるだろう。 -
水族館の歴史が興味深かったです。
〈読了日:2009.7.19〉
〈所在:図書館(060009303998)〉