実体概念と関数概念――認識批判の基本的諸問題の研究

  • みすず書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (488ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784622024620

作品紹介・あらすじ

数学的・自然科学的思惟構造の形成を、"実体概念"から"関数概念"への発展として捉え、近代科学の認識論的な基礎づけを試みる。『認識の問題』に始まり『象徴形式の哲学』へと結実するカッシーラーの足跡のなかでひときわ光彩を放つ記念碑的労作。昭和初年の抄訳刊行以来50年余をへだてて、その全訳がここに紹介される。

感想・レビュー・書評

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  • 出版されて30年経ってから、学会での発表で参照しようと思い、本格的に内容を読んでいます。
    購入したときには、斜め読みしかしていなかったような気がしています。

    P5 「同一の性質を共通に持つことで特徴づけられる対象をわれわれがひとつの部類にまとめあげ、さらに、この手続きをより高い水準にまで繰り返すことによって、個別の事物を貫く事象的類似性の等級に応じた存在のより堅固な序列と文節とが、徐々に浮き彫りにされていく」

    標題が関数概念となっているが、第二部は関係概念という用語をつかっており、
    「関数と関係」の関係がまだよくわかっていません。

    章構成はつぎの通り

    第1部 事物概念と関係概念
    1 概念形成の理論によせて
    2 数の概念
    3 空間概念と幾何学
    4 自然科学的概念形成

    第二部 関係概念の体系と現実の問題
    5 帰納の問題によせて
    6 現実の概念
    7 関係概念の主観性と客観性
    8 関係の心理学によせて

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著者プロフィール

1874-1945。ドイツの哲学者。旧ドイツ領ブレスラウ(現ポーランド領ヴロツワフ)に生まれる。ヘルマン・コーエンの下でカント哲学を学び、マールブルク学派の一人に数えあげられるが、近代認識論史の大著である『近代の哲学と科学における認識問題』(1-3巻、1906-20、4巻、1950〔邦訳『認識問題』全4巻・5冊〕)や『実体概念と関数概念』(1910)で独自の立場を確立。ベルリン大学私講師をへて1919年新設ハンブルク大学教授に着任。さらに『シンボル形式の哲学』(1923-29)で言語・神話・宗教・芸術などを包括する文化哲学の体系をつくりあげた。1933年、ナチスの支配と同時に亡命を余儀なくされ、オクスフォードからスウェーデンをへて、1941年以後アメリカで活躍する。1945年4月、ニューヨークで歿。著書は他に『自由と形式』(1916)『カントの生涯と学説』(1918)『ルネサンス哲学における個と宇宙』(1927)『啓蒙主義の哲学』(1932)『現代物理学における決定論と非決定論』(1936)『人間』(1945)『国家と神話』(1946)などがあり、その多くが邦訳されている。

「2019年 『カントの生涯と学説 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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