人間の科学と現象学 (メルロ=ポンティ・コレクション 1)

  • みすず書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784622030911

作品紹介・あらすじ

本書には、表題作と「『知覚の現象学』序文」-現象学のもっともすぐれた解説といわれる2論考ほか全6篇を収録した。20世紀哲学を理解するうえで最良の導きの書。

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  • 「それぞれの物がその存在を肯定するのは、ただ私から私の存在を取り上げることによってであり、そして私は、この世には私と私の見る光景以外のものがあることをいつもひそかに知っている。」

    しかし通常、私はこの知から、自分の安住に必要なものだけを取り押さえておくのである。

    だが、愛にとって本質的なことは、全面的ということなのだ。というのも、愛している人は誰かを愛するのであって、性質を愛するのではないし、愛されている者は自分がその存在そのものにおいて正当化されていると思いたいからである。

    主観性という語そのものにおびえる人たちには、マルクスの有名な一節を思い起こしてもらうことにしよう。「過去のあらゆる唯物論の主要な過ちは、……そこでは、対象・現実・感性的世界が客観ないし直観の形でのみ捉えられていて、人間の具体的運動、実践としては捉えられず、主観的な仕方では捉えていないことである」

    大事なのは、いずれにせよ、それらの経験が何を言わんとしているのかを、解き明かすことです。特に注意すべきことは、私が私の体験する事物とならんで<他人>や<他人の行為>をも知覚する以上、私の現象学的反省が他人にも及ぶのを妨げる事情は何一つないということです。


    久しぶりにがっつり読んだ哲学書。メルロポンティは、すごいなと感じた。ヘーゲルの実存主義、ピアジェの発達心理学、彼らの原点にあるように感じた。面白かったし、難しかった。


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