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- Amazon.co.jp ・本 (194ページ)
- / ISBN・EAN: 9784622039471
感想・レビュー・書評
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前半は具体的な研究対象の選定の重要性とそれに伴う研究の制約や環境にかかわる話。
具体的な各論からしか研究は進まない。
総論は結果を後から振り返って初めて成り立つもの。
後半は科学の意義とその進歩の持つ両面性について、まずは優生学を引き合いに説明している。
最初は全て善意で研究が行われる。それを推進するのも善意と熱意。
ただ後はそれを受け入れる社会が十分に判断を必要とする。
そのためにも研究者は事実を全て説明する責任がある。良し悪しや意図的な選択抜きで全事実を。
これができていないから負の側面がもたらされるのであって、研究そのものには最初から善も悪もない。
研究の成果自体もその内容が大事なのであって、誰がということはたまたま結果でしかない。
ただその誰かによって同じ内容でも受け入れられ方が異なる場合がある。
科学者の立場を擁護しながらも、きちんとした姿勢を貫くことの大切さをジャコブ自身がリアルタイムで感じた経験をもとに語る言葉は後世に繋ぐべきと感じる。
真面目で真摯、でも時々いかにもフランス人っぽい感じも伝わる。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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